ヤマト対アンドロメダ

　子供の件で気を使われて、《反乱》のこと自体知らされてなくて
悔しがったり、やはり子供のことがあるから自分は行けないけれど
「かっこいい父ちゃんでいてよ」と優しく背中を押したりする、
加藤さんちの事情は『2199』が下敷きにないと成立しないドラマで
悪くないんですが、地球防衛軍の威信をかけた艦隊はアステロイド
の一部を撃ち抜いてヤマトの通り道を作った？だけでしたな。結局
政治的で微妙な事情が影響して、上の方で勝手に話が付けられて(*1)
「ヤマト反乱の嫌疑は晴れた」と、拘束されていた山崎らを含めて
お咎めなしという、これ以上ないくらい典型的な《玉虫色の決着》。
せめて画面奥の芹沢が苦虫を噛み潰したような表情だったら、
とは思うんですが。

　ラプラスの箱もそうだけど「世間一般に知られたら現政権が根本
から瓦解する（かも知れない）秘中の秘」に絡んで、いろいろ都合
よく《無理が通る》のは如何なものなのかと思ったり。

　アルデバラン以下の地球艦隊は結局ただの「顔見せ」以上の
働きもなく(*2)、サブタイトル通り（まあある意味《原作》通りでも
ある）のタイマンになる訳で、この辺りはアステロイドを使った
防御法(*3)や波動防壁同士の接触による派手なニアミス（････ミス
ではないわな。衝角戦でもないし、こういうのって何ていうん
でしょうかね）とか、見どころもなくはないんですが、どうにも
茶番感が････。
　とりあえず、電磁パルスでレーダーとミサイルを封じるにしても
通信システムって影響受けないんですかね。あんまり詳しくないん
ですけど、現実の戦闘機とかだと戦闘機自体が稼働不能になりそう
な気がするんですが。あと「地球には地球のやり方があっ」て、
ガミラスも「筋を通す」ということなら、キーマンがアドバイザー
としてヤマトに乗り込む法的根拠が知りたいです。古代の査問会
みたいに、軽く流されそうな気はしますが。

　それにしても。まあデザインはアニメ誌などで掲載されていて
存在自体は知ってたんですが、山本玲が乗ってるアレって、なんで
あれで〈コスモタイガーⅠ〉なんですかね？　何というか〈ザク〉
の原型って〈旧ザク〉だとばかり思っていたのに〈シャンブロゥ〉
の絵を持ち出されて「これです」とか言われたような、動いている
のを見てあらためて、そんな残念な気持ちが湧いてくるというか。

　あと、沖田十三のレリーフがヤマトに運び込まれて《原作》通り
艦長席の後ろに掲げられるのは別に良いんですけど、あれって
何故アンドロメダにあったんですかね。もしかして山南の私物？
あと一時拘束していた加藤や山本の教え子たちに持たせたって
言っても、コスモタイガーでどうやって運んだろう･･･？　彼らの
私物を積んだ輸送機とか随伴していたんですかね。
　

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　　*1：ガミラスの大使ってついさっきまで藤堂長官とＴＶ電話でやり取りして
　　　　いたのに、ちょっと場面が変わったら大統領と直接顔を合わせて話し
　　　　していて、いつの間に･･･？と思ったんですが、あの電話も月面の大使館
　　　　ではなく、大統領府の控室とかで待っている間のことだったりするん
　　　　でしょうか。
　　*2：ドレッドノートが『アルペジオ』の《ナガラ》に見えて仕方がないんですが。
　　*3：今回岩塊のコントロールに使ったユニットが「イズモ計画」で使う予定
　　　　だったものという設定って、『宇宙戦艦コスモ』とか『アステロイド６』
　　　　といった仮題の頃の設定をメタ的に取り入れたものだったりするんです
　　　　かね、もしかして？

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