
「シドニアの騎士」14巻。弐瓶勉著。
奇居子(ガウナ)と云う謎の生命体に、地球はおろか太陽系まで追われた人類は播種船シドニアに未来を託した。
この巻ではシドニアの大きさをも超えるガウナ群生体の群れに決戦を挑まんとする様が描かれている。ガウナと人間との融合体が、敵側人類側双方で発生し、敵対する一方の融合の兆しがハッキリ見えてきた感じも。
僕の感じるこの漫画の面白いところは、例えば「重質量砲」というから何かと思えば、円筒形の巨大な塊を加速してぶっつけるだけ、という、そいう古くて新しいリアル感。登場人物や戦闘機体につける日本的な名前。初期のころの描写にあった「未来の宇宙船の中なのに日本的建屋が消失点まで続いている」というようなガロ的悪夢的光景はなくなってしまった。
アニメーションの二期と、劇場版公開も控えている。
絵は漫画版ナウシカの線を間引いたような細部を書き込まないタッチ。画面構成、構図で見せるという方向。この人の絵はホント変わったなあ。月刊誌連載ということもあるのか、この巻も162ページという薄めの本でした。