韓国仁川で開催中のアジア大会の水泳200m自由形で荻野公介選手が金メダルを獲得した。たまたまTVの中継を見ていたが、150mの折り返しでは3位だった荻野選手の追い上げは見ていても素晴らしかった。
ただ、彼が1位でゴールした時、実況していたアナンサーが荻野選手のことを、やや興奮気味に「やってくれる男」だと表現した時、ぼくは「ああ、またか」という思いを強くもった。スポーツ番組では、男性アナが、男子選手のことを「〇〇な男だ」と紹介することが、プロ野球中継を中心に、これまでもたびたび見られたからだ。
しかし、女性アスリートのことを「〇〇な女だ」と紹介したり、賞賛した実況にでくわしたことはない。おそらくは皆無ではないか。それどころか、女子マラソン中継をしていた男性アナが、アップになったある既婚の女性選手に向かって「行け!人妻〇〇(名前)!」と絶叫したことすらある。既婚の男性アスリートにむかって「夫〇〇」なんていうはずもないのである。
ぼくには、ここに男性スポーツアナの男女観が如実に現れている気がしてならない。
スポーツ選手の大半が男性だった時代ならいざ知らず、ほとんどのスポーツに女性が進出し、世界で活躍する女性アスリートも多い時代に、ことさら「男」を強調する口調は時代錯誤だし、男女共生参画社会には似つかわしくない。
男性アナ諸氏に意識改革を強く求めたいし、局全体でのとりくみを期待したい。