ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【読書】テクノロジー法務

2020-01-19 21:27:17 | 読書記録
パターン別対処集みたいな本かな、と思ってネットで購入。
思ったよりも読み物寄りでした。

いわゆる革新的テクノロジー、人工知能、ビッグデータ、ロボット、
自動運転、暗号通貨 からゲノム、宇宙産業まで、12の分野について
それぞれ、専門家インタビューによる概況解説を置いたうえで、
法務面での論点や動向が解説されています。

入門よりはちょっと上、法律専門のずっと手前。

ビジネスの企画をしている人が基礎知識として入れるレベルかな。
上記分野に複数関わる方には、概況を知るのに便利な本かと思います。

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テクノロジー法務
アンダーソン・毛利・友常法律事務所テクノロジー
&インフォメーション・プラクティス・グループ
中央経済社 2019/10
https://www.biz-book.jp/books/detail/978-4-502-31411-7

(2019.11.16)


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【読書】なめらかな世界と、その敵

2020-01-19 21:09:43 | 読書記録
どこをゆすぶったらこういう発想が出てくるのだろう。
この方の脳みそ。

面白かった。

トリビュートの元ネタとか、蘊蓄は評論家に任せておくとして。

ページを進めるのがたまらなく楽しかったことを記しておきます。
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なめらかな世界と、その敵
伴名 練 著
早川書房 2019/08
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014286/

(2020.12.21)


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【読書】突破するデザイン

2020-01-19 21:05:39 | 読書記録
「デザイン・ドリブン・イノベーション」のロベルト・ベルガンティ先生の
著作です。前作は…2017年7月に読んでいた。私。

前作と主張は変わっていませんが、よりクリア、あるいはプレーンに
なっていると思います。

かなり慎重に、「デザインシンキング等の他の手法を否定していない」と
前置きを置きつつ、アイデアの数はもう十分にあるから、今後は質が重要だと
畳みかけて論じています。

アイデアの質を上げていくプロセス。

分かり易いし、丁寧だと思う。
そして、仰っていることはとても理解できる。

一番の問題は、批判者として誰を連れてくればいいか。ですよね。
それは個々別々の問題としてしか考えようがないけれど、
ベルガンディセンセイが仰る通り、そこが一番の肝なのでしょう。

-----
突破するデザイン あふれるビジョンから最高のヒットをつくる
ロベルト・ベルガンティ 著
日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P55250.html

(2020.1.3)


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【読書】インテグラル理論

2020-01-19 20:57:09 | 読書記録
とっつきにくくて半年ほど積読にしていましたが、
読み始めたら意外とすんなり読み通せました。

発達段階を上がっていく、全人類の、成長モデル。

この本でいうグリーンにあたる人びとが、その思想に似合わない
排他性を併せ持っていることを不思議に思っていたし、それゆえ
素直にグリーンな人たちについていけないところがあった。

この本を読んだら、ずいぶんとすっきりした。落ち着いた。

進化した先のモデルは、それまでのレベルを包含するという。
遷移したら遷移前を否定したりしないのだ。

それが見えただけでも読んで良かったと思う。
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インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル
ケン・ウィルバー (著)
日本能率協会マネジメントセンター
https://pub.jmam.co.jp/book/b454124.html

(2020.1.11)


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【読書】ボクはやっと認知症のことがわかった

2020-01-19 20:47:13 | 読書記録
判定基準「長谷川スケール」を作った、認知症の専門医ご自身が、
認知症になって見えたことを著した作。

内容は大きく3つの要素で構成されている印象。
ひとつは、認知症とは何か、ということ。
ひとつは、認知症の当事者から見て、認知症とはどういう状態かということ。
ひとつは、認知症の方にどう対応するとよいか、ということ。

読む前に、一番期待していたのは当事者としての見解であり、
読んでみてなるほどと思う情報を提供いただいたと思う。貴重。

時の経過につれて、だけでなく、日々の環境や自らの体調に
よってすら、認知力は変化するという。
ゆえに、段階や認知可能な度合いは、おそらく、特定できないのだ。

(認知症にはまだ遠くても、認知力が落ちることはある。
 自らを観察していてもそう思う。年齢に限らない、普通にありうる
 状態変化のその先に、認知症はある)。

一律に対応することは適切ではないのだろう。
当人の状態や気持ちを想像しながら丁寧に対応すれば、
当人のQOLにはよいのだろう。とは思う。頭では分かる。

-----
当人は、家族や介護者が言っていることは分からなくても、
与えられたインパクトに対して感情は生じるし、それは記憶される。
介護する側から見て、困難のあるところ。

-----
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言
長谷川和夫 猪熊律子 著
KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/321906000708/

(2020.1.11)


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【読書】NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント

2019-12-22 23:14:05 | 読書記録
持ち運びやすい軽量仕様の装丁。
中身、濃厚。

コラムとして、あるいは仮想雑談の発言の中に、
拾い集められたリアルと思想、が、編まれている。文字通り。編まれている。

エストニアで、インドで、米国で、中国で、EUで…あるいは日本の神山町で…
数多のリアルの点と点が示す方向感。
複雑化と多様化の流れの先にあるものを読む思想家たち・実践家たちの視点。

インタビューで、ベイソン氏の言も興味深い。
行動経済学と文化人類学の適性の違いのくだり、腑に落ち感。

エストニアでもインドでもいずこでも、できるところから段階的に
組みあがっていくのは共通。
昔上司と話していたことを思い出した。
プラットフォームは、作るものではなく、成るものなのだと。
ただ、前例がこれだけあると、初期設計の重要性は無視できない。
自然発生に任せる時代は過ぎているのだろう。
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NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方
若林恵 編著
黒鳥社 2019/12
https://note.com/blkswn_tokyo/n/nf6e69bece833

この本は一貫して「ガバメント」について語っているのだけれど、
「ガバメント」に求めれていることは、昨今、終焉を迎えると言われるSIerが、
B2B2Xのサブスク型ビジネスにシフトした先で供給されるであろうサービスにも
求められるだろう。私の頭の中では完全に重なってしまった。
今や、ある程度のサイズの企業が提供するサービスは、公共性を帯びざるを
得ない。(企画書にSDGsの17個のどれに該当するか書いてるでしょ?)
「次世代ガバメント」の指針は、ガバメントが機能するコミュニティの一員として
だけでなく、経済活動で世にサービスを供給しようとする者にも他人事ではない。
サービスシフトやらDXやらと取っ組んでる人は、これ読んだ方がいいと思う。

(2019.12.22)


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【読書】真面目にマリファナの話をしよう

2019-11-20 22:13:24 | 読書記録
そうだ。するべきだ。知っておくべきだ。
完全同意に至る。

その植物と由来成分の、効能と影響を聞いて説得させられるの
ではなく。(もちろん、それは大きな主題ではあるのですが)。

陰に細々と途切れなく営まれていたものが陽に出た瞬間、
巨大な経済圏に反転していくドラスティックな光景であり。

その裏にある分厚い物語であり。
歴史・経緯、研究・議論、学術で、ビジネスで、医療で、
関わる人びとの人物像を引きながら、著者が編み上げ、
読者が透かし見せられる物語の厚み。
日本においておそらくなかなか見ることの少ない、
"選択"を獲得するための重層的な戦いの物語の凄み。

それらが、よくよく調べられ、筋立てられて提示されているのです。

すごいよ。面白い。

文章もとても読み易かったです。

---
文中に一瞬だけ出てきた表現。
「ハーブ」である、と。
なるほど、安定安全な利用方法はまだ途上かもしれないけれど、
少なくともこれを以てでしか救われない疾病症状に対し、
きちんと管理した上で適用していくのが合理的ではないかな。
自分や自分の大切な人が、そういう境遇に陥った時、
効くと分かっていてもその薬が使えなかったら嫌だし。

---
陰にあった文化が陽に転じて経済圏になったという点では
日本のアニメ文化もそう言えるかもしれないけれど、そこには
権利闘争よりも自然の成り行きの方が大きく作用していたような
気がするし。
何かが大きく立ち上がる時の、できあがり方の違い。
GAFAがUSで生じて、日本には生じにくい、地盤的な違いも
もしかしてその辺りにあるのかもしれないと思ったりした。

-----
真面目にマリファナの話をしよう
佐久間 裕美子 著
文藝春秋 2019/08
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163910741

マリファナ、じゃなくて、カンナビス。ですね。

(2019.11.20)


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【読書】天然知能

2019-11-03 20:04:54 | 読書記録
「自分で見ることのできない向こう側、徹底した自分にとっての外側、を
 受け容れる知性であり、創造を楽しむことのできる知性」、天然知能。
唯一、創造性を持つ知能。

無意識?
一人称(私)ではなく1.5人称にあるもの。
知覚できないが存在するものを捉える感性を伴う。

同一性は、何かを曖昧にしないと成立しない、という辺りの
一連の論説はとてもとても興味深い。

基準を切りだし切れず(そこが人工知能と違う?)、
同定に情動や行為の予期まで絡むという。

タイプⅡの自己は、再構成され続ける、ということかな。

天然知能、3つの状態タイプを(ランダムに?)遷移する。
だとしたらかなりつかみどころがない。
量子ナントカとか、何かと似ている感じ。

-----
天然知能
郡司ペギオ幸夫 著
講談社選書メチエ 2019/01
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000319669

(2019.7.14)


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【読書】なぜ私は一続きの私であるのか

2019-11-03 19:47:27 | 読書記録
「身体の生は、オートポイエーシスという閉じた系」
対して、
「「私」が立ち上がってくる時には外部へと連結する開口部を
 持たなければならない。」
という矛盾が、著者の提示する入口。

「脳の中には生まれてこのかた持続する私の候補といったものは
おそらく見つからないのです。」
「私達として存在するためには、ものに触発され続け、ものの名前を
名付け続けなければならないのではないか」

この後続く病理学的アプローチの説明と研究者たちの仮説は、
読んだし興味深いものも多いけど、理解はちゃんとはできていない。

"反復と縮約"は、そうして、対面他者との関係がもたらす、
名付け続けるような状況すなわち継続的な感応とコミュニケーションが
私を形成するのだ、と理解すればよいだろうか。端折り過ぎか自分。

-----
なぜ私は一続きの私であるのか ベルクソン・ドゥルーズ・精神病理
兼本 浩祐
講談社選書メチエ 2018/10
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000315318

(2019.7.15)


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【読書】デザイン思考の先を行くもの

2019-11-03 19:16:55 | 読書記録
そもそも「デザイン」とは。
その意味は、アプローチは、効能は。

すっきり、入って来やすい。
方法論も具体的だし、シンプルで、多すぎない。

あまりこの手の本を読みなれてない人に、
初期の一冊として、良さそう。
そういう職場の若いもんにとりあえず読むよう勧めた。

-----
デザイン思考の先を行くもの
各務太郎 著
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
http://www.cm-publishing.co.jp/9784295402473/

(2019.10.29)


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【読書】「空気」の研究

2019-11-03 19:10:37 | 読書記録
ちょっと前にブーム再燃して、
そういえば知ってるようで読んでない本だな、と。

直感的なアプローチの、日本人の自己批判的な視点を想像して
いたのですが、後半のファンディやら一神教の辺りなど
対外比較の厚みがすごくて、唸らされました。

それが理解できたからといって、むしろ、そうだとしたら殊更に
ひとびとが「空気」で全体動作してしまうことを止めるのは
難しいのだろうと。重たい問題。。
たいがい、その、体質みたいなやつに無自覚だから。
-----
「空気」の研究680円
山本七平
文藝春秋
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167911997

(2019.10.27)


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【読書】進化する形

2019-11-03 19:06:25 | 読書記録
様々な生物が、なぜ、その形・構造になったのか。
進化プロセスの仮説を示す一冊。

むっちゃくちゃ面白いのだけれど、知識的なハードル高め。

生物進化の仮説ってそんなことになってるのか!?
と書きつつ、"そんなこと"がアバウトにしか理解できないのは
致し方なし。完全理解は全然できてないけど面白かった。

「ボディプラン」(ひとつの体の中の、器官と器官の位置関係、
構造と構造の繋がり方、そういったものの総体<本文より>)と、
生物間の「ボディプラン」の共有に至った過程を紐解く、的な。
発現のユニットモジュールみたいな発想も興味深い。
-----
進化する形 進化発生学入門
倉谷滋
講談社現代新書 2019/03
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000313636

(2019.10.18)


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【読書】insight(インサイト)

2019-11-03 18:55:24 | 読書記録
興味深いことも他で言われているおさらいも、
色々書かれていると思う。
書きっぷり(訳っぷり?)はライトなので読み易い。

個人的に一番インパクトがあったのは、
「内省がよりよい自己認識につながらない」
「内省が自己認識を生むという前提は迷信だ」。
ええっ、そうなんですか!?

あと「なぜ」の質問と「何」の質問の話とか。

"人生で出会うかもしれない認識を欠いた人々
「無駄骨タイプ」「分かっているが気にしないタイプ」「誘導可能タイプ」"
のくだりは苦笑しつつ読んだ。

-----
insight(インサイト)
――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
ターシャ・ユーリック
英治出版 2019/06
http://www.eijipress.co.jp/book/

(2019.9.12)


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【読書】文化人類学の思考法

2019-11-03 18:40:13 | 読書記録
読んでいる間、とても面白くて楽しかったのだけれど、
さて感想を書こうとすると難しい。

「文化人類学」という、探究のアプローチで用いられている
視点の取り方がいろいろと列挙されているのは間違いなく、
それだけで楽しいし、脳みそストレッチできたと思う。

-----
文化人類学の思考法
松村圭一郎 中川理 石井美保
世界思想社
http://sekaishisosha.jp/book/b449100.html

(2019.9.8)


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【読書】組織としての生命

2019-11-03 18:36:27 | 読書記録
「生命は組織である」「組織は生命である」というテーマの元、
様々な分野の研究者が、それぞれの視点で組織を、生命を、論じている。

細胞の自己組織化から社会的組織までさまざま。
企業、軍隊、政治、宗教。
組織の数理モデル。哲学的理解。
社会構造の話としては、昆虫、霊長類。

ワタシ的には、境界のすなわち生命の"膜"の話が出てくる「現象と自由」が
やっぱりどうしても、一番興味深かった。

-----
組織としての生命 生命の教養学15
慶應義塾大学出版会
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766425987/  2019/05

(2019.7.13)


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