判定基準「長谷川スケール」を作った、認知症の専門医ご自身が、
認知症になって見えたことを著した作。
認知症になって見えたことを著した作。
内容は大きく3つの要素で構成されている印象。
ひとつは、認知症とは何か、ということ。
ひとつは、認知症の当事者から見て、認知症とはどういう状態かということ。
ひとつは、認知症の方にどう対応するとよいか、ということ。
読む前に、一番期待していたのは当事者としての見解であり、
読んでみてなるほどと思う情報を提供いただいたと思う。貴重。
時の経過につれて、だけでなく、日々の環境や自らの体調に
よってすら、認知力は変化するという。
ゆえに、段階や認知可能な度合いは、おそらく、特定できないのだ。
(認知症にはまだ遠くても、認知力が落ちることはある。
自らを観察していてもそう思う。年齢に限らない、普通にありうる
状態変化のその先に、認知症はある)。
一律に対応することは適切ではないのだろう。
当人の状態や気持ちを想像しながら丁寧に対応すれば、
当人のQOLにはよいのだろう。とは思う。頭では分かる。
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当人は、家族や介護者が言っていることは分からなくても、
与えられたインパクトに対して感情は生じるし、それは記憶される。
介護する側から見て、困難のあるところ。
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ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言
長谷川和夫 猪熊律子 著
KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/321906000708/
(2020.1.11)