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【読書】NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント

2019-12-22 23:14:05 | 読書記録
持ち運びやすい軽量仕様の装丁。
中身、濃厚。

コラムとして、あるいは仮想雑談の発言の中に、
拾い集められたリアルと思想、が、編まれている。文字通り。編まれている。

エストニアで、インドで、米国で、中国で、EUで…あるいは日本の神山町で…
数多のリアルの点と点が示す方向感。
複雑化と多様化の流れの先にあるものを読む思想家たち・実践家たちの視点。

インタビューで、ベイソン氏の言も興味深い。
行動経済学と文化人類学の適性の違いのくだり、腑に落ち感。

エストニアでもインドでもいずこでも、できるところから段階的に
組みあがっていくのは共通。
昔上司と話していたことを思い出した。
プラットフォームは、作るものではなく、成るものなのだと。
ただ、前例がこれだけあると、初期設計の重要性は無視できない。
自然発生に任せる時代は過ぎているのだろう。
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NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方
若林恵 編著
黒鳥社 2019/12
https://note.com/blkswn_tokyo/n/nf6e69bece833

この本は一貫して「ガバメント」について語っているのだけれど、
「ガバメント」に求めれていることは、昨今、終焉を迎えると言われるSIerが、
B2B2Xのサブスク型ビジネスにシフトした先で供給されるであろうサービスにも
求められるだろう。私の頭の中では完全に重なってしまった。
今や、ある程度のサイズの企業が提供するサービスは、公共性を帯びざるを
得ない。(企画書にSDGsの17個のどれに該当するか書いてるでしょ?)
「次世代ガバメント」の指針は、ガバメントが機能するコミュニティの一員として
だけでなく、経済活動で世にサービスを供給しようとする者にも他人事ではない。
サービスシフトやらDXやらと取っ組んでる人は、これ読んだ方がいいと思う。

(2019.12.22)