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ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【展覧会】相国寺展

2025-05-05 23:04:49 | アート・文化
どれも名品で、堪能いたしました。
襖絵の配置を再現した展示も素敵。


応仁の乱や近代戦争の時期を超えて600年。
大事に守られてきた。
保存への精神がすごいし、有難い。

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相国寺承天閣美術館開館40周年記念
相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史
2025年3月29日~2025年5月25日
東京藝術大学大学美術館

(2025.5.5)



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【展覧会】オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き

2025-04-29 23:32:08 | アート・文化
ルドン。

昔、まだ美術史もろくにわかってなかった頃に、近美で観て、
ずっと心に残っていた。

歳とったから、観方も変わるものかしら、と思ったけれど
(確かに当時よりはるかに理解は深まってはいると思うのだけれど)
好きなところは変わっていないのでした。

パステルの、漂う花らしきもの、
空のような背景、
赤い枝の花、
光線、
まつげ(?)、
瞳のハイライト…

シンプルな題材で、軽やかなまま多層的な描線で・あるいは色彩で、
それでも画面に漂うのは深淵な奥深さ。

ルオー部屋も今回はちょっとルドンチューンで面白かった。

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オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き
パナソニック汐留美術館
2025年4月12日~ 6月22日
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/25/250412/

(2025.4.29)

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【展覧会】魂を込めた 円空仏

2025-03-29 23:14:01 | アート・文化
横から見れば驚くほど厚みがない木片から
豊かな表情のお顔が、袈裟の襞が、掘り出されている。

「ほえぇぇ」と喉のあたりが思わずゆるむ、
幅のない木片ゆえ御手はあまり(物理的に)伸びてはいないのだけど
こちらに差し出されているような心持になるのだ。

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魂を込めた 円空仏
三井記念美術館
2025年2月1日~3月30日
https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

(2025.3.29)



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【展覧会】異端の奇才――ビアズリー

2025-03-25 21:59:56 | アート・文化
わずか10年。

紙の白にインクの黒。
余白と黒ベタと繊細な線に点。

描線が囲う白の布衣はふっくらと、花のつぼみのような、やわと硬の絶妙。
点が表すレースの透け感。
どれだけみても、見飽きることがない描線。
この触感的な視覚は、写真とたぶん全然ちがうから、見に来てよかったと思う。

時々、意地悪か巫山戯か、画面上で実在のひとをいじる。
解説読んでると、お気に入りや敬う相手にそういうことをしてるようなので
ナナメな愛情なのかもしれない。

愛情、そう。
作品から慈しみを感じる。
それは、被写体に対する慈しみではない。
描かれた作品それ自体への慈しみである。
自作を撫でる指先、少し上がった口角の表情が、想起されて、
毒のある絵なのにほのかにほろほろと楽しいのだ。

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異端の奇才――ビアズリー
三菱一号館美術館
2025年2月15日~5月11日
https://mimt.jp/ex/beardsley/

(2025.3.25)



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【展覧会】ヒルマ・アフ・クリント展

2025-03-23 23:29:22 | アート・文化
初期作、繊細精密、写実の線はただ線にて官能的で魅惑的。

30代でスピリチュアルに向かったのだそう。

折々パステルトーンで描かれる、曲線の多い作品は、あかるく軽やかに見えていて、
実際そういう何かを描いているのかもしれないけれど、何かが潜んでいる感じもする。

20世紀の直前辺り、科学が解像度を上げ始めた時代。
その時代に在れることの喜びがあり、
そして知は、スピリチュアル世界のより深い解釈にフィードバックされ融合する。
(100年を経て現在起きていることと位相は同じだなぁ。閑話休題)。

観る側が言語の次元で理解説明しようとするのを拒むタイプの絵のような気がする。
例示に適切か覚束ないけれどヘンリー・ターガーを観たときの情動と似ている。

すなおにみるとよいのだろう。

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ヒルマ・アフ・クリント展
東京国立近代美術館
2025年3月4日~6月15日
https://www.momat.go.jp/exhibitions/561
https://art.nikkei.com/hilmaafklint/

(2025.3.22)



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【展覧会】ミロ展

2025-03-09 22:47:49 | アート・文化
初期作から時系列な変化が興味深い。
20代の風景画の色づかいがやわらかく刺激的で不思議な感じ、
色彩にご本人の気質が表れたりするのかしら、などつらつら思い。

1930年代、スペイン内戦~第二次大戦の社会背景のなかで描かれた作品群を
この世界情勢のいま、観る。
キャンバスの上にトゲトゲしたかたちや砂を固めたざらつき、しみのような黒、
たぶん、今のわたしは数年前のわたしがみるのとは違う感慨。

詩とのかかわりは、水墨画と賛を連想もするし、
詩を吟じることに憧れても詩の達人まではなりえない人が
詩に代えて絵画で表現する、なんていうこともあるのかなと思ったり。

100年前の先駆はいまも新鮮。
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ミロ展 Joan Miró
東京都美術館
2025年3月1日~7月6日
https://miro2025.exhibit.jp/

(2025.3.9)



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【展覧会】宮脇綾子の芸術

2025-03-02 22:53:35 | アート・文化
布が、布の文様が、糸が、紐が。

ああ、そう、そういうかたち、そういう風情でしたね、と。

それは、いつかの台所のまな板の上に見た光景。
根を伸ばした玉ねぎ。葉を繁らす人参。南瓜種のぽやぽや綿。
繊細でふしぎなかたち。
断面は案外、不思議でいとおしいくて魅惑的なのを
ほんとは現物とは似ない素材と柄行なのに、
宮脇さんの手指にかかると、ああ、そう、まさにそんな感じ。

表現材料の選択のセンスのみならず、
端々のかたちの正確な捕捉と再現のすごさ。
柿の皮に入る黒とか、蓮根の結節とか、筍のぶつぶつとか。
リアリティ。
あれですね、
いまどきスーパーにならぶつるっとしたキレイな規格品にはない、
収穫場所に近いところで見かける、野菜や果物の貌。

そして古布の蒐集の側面もあり。
こうして表現の素材になることで消失せずに残されている。

素材をいとおしむ瞳とゆびさきが思われます。
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生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った
東京ステーションギャラリー
2025年1月25日~ 3月16日
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202501_miyawaki.html

(2025.3.1)



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【展覧会】ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―

2024-12-28 00:00:00 | アート・文化
工芸文脈から観に行ったほうの観客です。
ポケモンはあまり詳しくないのですが、時折目にするキャラクターの
デザインが秀逸(ピカチュウが全方位カワイくてすごいとか)だなと
以前から感じていました。

観ている間は、美しくて、かわいくて、たまに怪しくて、
時々とても"お気に入り"な視覚を発見して楽しくなったり、
並行で技巧の凄まじさに鳥肌立てたりして、見飽きることがありません。
順路逆行を禁じているのも納得です。
写真たくさん撮ったけれど、現物に勝るものなし。観られてよかった。

帰ってから反芻するに、
昔から工芸に幻獣をモチーフにした意匠や像は数多あるのだから
なるほどこれはそういう流れの上にあるのだということと、
ポケモンというデザインが様々な創作者の創作意欲を掻き立てる
すばらしいコンセプトなのだということに、思い至りました。

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ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
麻布台ヒルズ ギャラリー
2024年11月1日~2025年2月2日
https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/kogei-pokemon-ex/ 麻布台ヒルズ ギャラリー
https://kogei.pokemon.co.jp/

(2024.12.28)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする

2024-11-30 00:00:00 | アート・文化
コンランショップで知られている、テレンス・コンランです。
多才にびっくり。
バイタリティにびっくり。
楽しく過ごすこと、おいしく楽しむこと。
常に何か描いている、ずっとデザインしている。実体化、実践している。
本人が置かれた状況は実際にはわからないけれど、作品に映るのは、
楽しむ時間を紡ぎ続ける生き方。

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テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
2024年10月12日~2025年1月5日
東京ステーションギャラリー
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202410_conran.html

(2024.11.30)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】ルイーズ・ブルジョワ展

2024-11-25 00:00:00 | アート・文化
母親への依存とか
生家を離れることへの罪悪感とか
父親への拒否感とか
子をもつこと 子を見ること とか

精神の深いところに落ち込んで浮上できない短からずの期間の
そこでぐねぐねごりごりと重たいものを練って練ってでてくる表現は
他愛ないようでいて神経を直接触れてくるような、映さずにいられない何か

それでいて時々とてつもなく(クラシカルな)美しさがある

クラフトの表現 布とボタンとビーズと造花、あみぐるみ、ぬいぐるみ頭部も

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ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
森美術館
2024/9/25~2025/1/19
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/bourgeois/index.html

(2024.11.25)



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【展覧会】特別展「はにわ」

2024-11-22 00:00:00 | アート・文化
これほど大量で幅広いはにわを観る機会はあまりないだろう。

展示演出と解説も分かり易く、見るべきところを余さず見ることができます。
ものすごくたくさん写真を撮りました。

やっぱり、動物系がたまらなくカワイイ。

カワイイの要素は、ぽやっとした印象の目元口元、末端が小さめの手足、
小さいしっぽ、とか。(建物の精緻さはすごいと思うけどカワいくはない)。
これは幼児の描く人や動物の特徴と近いかもしれない。あどけなさ。

現代人の眼には、武人もカワイイのだけれど、当時はこれは勇ましいもので、
この表情はこう造らざるを得なかった定番表現(手わざ的に科学技術的に)
なのかもなぁ、とも思いました。

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挂甲の武人 国宝指定50周年記念 
特別展「はにわ」
東京国立博物館 平成館 特別展示室
2024年10月16日 ~12月8日
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2660
https://haniwa820.exhibit.jp/

(2024.11.22)+もう1回行きました

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】田名網敬一 記憶の冒険

2024-11-04 12:00:00 | アート・文化
すごいエネルギー。
細部までしごとがきれい。コラージュも描出も。
絶対手先が超絶器用な方だ。

空襲中の記憶、女の死体、旋回する爆撃機、焼夷弾に照らされた金魚、
そういう鮮烈な記憶と体験を持つ時代の画家
60年代の”自由”と規律のせめぎあいのころにもっとも活動的だったと思われる時代の画家。

すごいし、きれいだし(安らがないけど)、モチーフの記憶は残るけれど
なにが描いてあるのかが情報過多で入ってこない感じは、森にいるのと似ているかもしれない。
森のようなものを、まったく森らしからぬ表現で再現しているすごさ。

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田名網敬一 記憶の冒険
国立新美術館
2024年8月7日~11月11日
https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/index.html

(2024.11.4)

※2025/1/4 更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。



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【展覧会】藤原信幸退任記念展~ガラス造形20年の軌跡~

2024-10-12 12:00:00 | アート・文化
ガラスのふしぎ。
技術のすごみ。
表現の独創。

きれいなもの、興味深いもの、いろいろ拝見しました。

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藤原信幸退任記念展~ガラス造形20年の軌跡~
2024年10月8日~10月20日
東京藝術大学大学美術館 陳列館
https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2024/10/fujiwara-glass.html

(2024.10.12)

※更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。


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【展覧会】田中一村展

2024-09-29 12:00:00 | アート・文化
神童と呼ばれた8歳くらいのころの作から既に、
画面から花や枝葉がこぼれだして来るようで、それは晩年まで続く。
モダン。構図が、筆致が、細部が。未だ鮮度高い。

ニューロン揺さぶる感じの、静なのにダイナミックな。
あたかも直感で描いているかのような、自然が持つ迸るエネルギーを
そのまま引き写したような筆致であれど、それを裏付けているのは
とてつもない量のスケッチや習作。

以前、千葉市美術館で観たとき(2021年1月)よりも更に、
時代とのフィットが高まっているのでしょう。益々すごい。

イマのわたしたちが感性の中央を貫かれるような感動を覚えるというのは、
今から60年以上前では、早すぎた、のかもしれない。
いっぽうで暮らしの中の知己と絵で喜ばせる場面も多くあったようで。
落選したという「秋晴」立ち去りがたく。

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田中一村展 奄美の光 魂の絵画
2024年9月19日~12月1日
東京都美術館
https://isson2024.exhn.jp/
https://art-ap.passes.jp/user/e/isson2024?utm_source=organizer&utm_medium=web-site

(2024.9.29)

※更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。

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【展覧会】ヘラルボニー・アート・プライズ 2024 展覧会

2024-09-01 12:00:00 | アート・文化
思うさまに描かれたような様々な表現は
うつくしく、細密だったり荒々しかったり静謐だったり、
時々不思議なところもあり魅力的。

ちょうど解説ツアーをなさっていたので活動や背景も拝聴。
聞けてよかった。フォロー。

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HERALBONYArt Prize 2024Exhibition
ヘラルボニー・アート・プライズ 2024 展覧会
三井住友銀行東館1階 アース・ガーデン
会期2024年8月10日~9月22日
https://hb.heralbony.jp/heralbonyartprize2024exhibition

(2024.9)

※更新さぼりを2025正月休みに一気に挽回中。鑑賞日付で公開。


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