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ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【歌舞伎】赤坂大歌舞伎 2021年11月

2021-11-14 23:54:39 | 歌舞伎
赤坂大歌舞伎
赤坂ACTシアター
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赤坂ACTシアターが来年夏以降はハリポタ専用劇場になるそうで、
そうか今回でACTシアターでの赤坂歌舞伎はこれぎりなのですね。
宵赤坂俄廓景色での過去上演の振り返り、今回含め6つの公演、
チケット取り損ねた5つ目以外は観てたんだなと色々思い出しました。

一、廓噺山名屋浦里

短い物語、かろやかな展開。
七之助さんのお国言葉での語りがみどころ。

酒井氏って、どうなんだ。このキャラ。
ちょっとズレるとアレな人になってしまいそうな際どいところ
勘九郎さんの酒井はみごとに実直で懸命の"愛すべき非常識"な
人物像になってます。


二、越後獅子
宵赤坂俄廓景色

勘太郎さん一人で越後獅子を踊り切り。いったい幾つになったのだろうと
帰宅して思わず確認。10歳。

宵赤坂俄廓景色。赤坂。
扇雀さん亀蔵さん勘九郎さん七之助さんに、虎之介さんと長三郎さん加えて
芸者3人鳶3人。
粋を表現する演目で実際そう演じておられるのですけど、
平穏のありがたみ、みたいなのを重ねて感じたりしました。

(2021.11.14)


【歌舞伎】歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 第三部 2021年11月

2021-11-14 23:18:03 | 歌舞伎
吉例顔見世大歌舞伎
歌舞伎座
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今月は歌舞伎座は第三部のみ観劇。

「花競忠臣顔見勢」

仮名手本忠臣蔵のおなじみの場面を組み合わせて短時間に入れ込んでます。
「これはあれのあそこか?」などと記憶を追いつつ人物はお馴染みなので
意外と苦もなくついていけたりして。
2役以上を受け持つ俳優さんが多数、でも"入り乱れ"た感じはなく
展開早いのにすごい。

チームワークかな。今回はビハインドのリーダーシップかしら。

(2021.11.13)


【歌舞伎】歌舞伎座 九月大歌舞伎 2021年9月

2021-09-13 00:08:26 | 歌舞伎
◆第一部    

一、お江戸みやげ

六世歌右衛門さん二十年祭、七世芝翫さん十年祭だそう。
私の歌右衛門さんの記憶は、たしか、梅玉さんと松江(現・魁春)さんの
襲名の、伊勢音頭恋寝刃の万野で、世紀の名女形としての歴史を知ったのは
後日のことでした。当時は歌舞伎を見始めたばかりで。
思い出はさておき。

芝翫さんのお辻と勘九郎さんのおゆうで、江戸土産。
サバサバが優しさとか哀しさを透かし見せる。
そうかおゆうは酔ってたんだっけと思い出しながら。
七之助さんの大和屋がきれいで真摯なこととか、お辻の思い切りのいい行動への
納得を改めて見出しつつ。

脚本がつくられた当時の世相を映しているのでしょうが、
自らを"田舎婆"という表現はこんにち耳に少しきついかなぁと思ったりする。

二、須磨の写絵

魁春さんと児太郎さんが潮汲みの海女、愛らしい。
前も書いたけど魁春さんは見る度に可愛いくなっていく。

梅玉さんの行平公、いやらしすぎずそっけなさすぎずのちょうどいい感じの
愛嬌というか温度感ですてき。

(2021.9.12)

◆第二部

一、近江源氏先陣館

盛綱、幸四郎さん。
こういうお役、観る度に大きく、重量感が増してきてて頼もしい。

微妙(歌六さん)、篝火(雀右衛門さん)、早瀬(米吉さん)が小四郎を
囲む姿が、女たちの群像としての絵姿が、とんでもなく重厚で(この演目で
そんなふうに見えたのは初めて)うわあと思っていたところに、更に
小四郎(丑之助さん)の絶命で仰向いた辺りの表情がすごくて、落涙、
やられた。

二、女伊達

全体、かっこいい!を楽しむ。

(2021.9.12)

◆第三部

一、東海道四谷怪談

四谷怪談は何度も観ているのに。
今までとまた印象が変わった。

毒を盛られたと知ったお岩様の一見さらさらとした、しかし決して消えそうになく、
命が潰えそうになっていくのと反対に、徐々に強靭さを増す糸のような凄みが
ほんとうに怖い。

何が起きても自分がどんな行為をなしても息をするようになめらかで、たぶん
食事をするのと人をあやめるのとで違いがなさそうな民谷伊右衛門が更に怖い。

人の業の救いのないものがたりの、救いのなさはそのままありながら、
同時に、同一の空間の中でもう一つの位相がある。
昇華を観たのだろうか。

(2021.9.4)


【歌舞伎】歌舞伎座 八月花形歌舞伎 2021年8月

2021-08-09 23:07:57 | 歌舞伎
八月花形歌舞伎
歌舞伎座
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◆第一部

猿之助さんに代わり、巳之助さんによる六役早替りです。
スペクタクル、やりきってた。
声がいい役者さんだなぁと改めて思い。
私は岩藤がいちばん印象に残りました。

猿之助さんの、舞台全体に均質に届く緊張はあれは別の個性なので、
今回は違う空気感で覆っていくのでしょう。どんな感じになるのかな。
3日が初日だから観たのは5日目か。
日々個性が成熟していっていくだろうし、月末にもう一回見てみたい。

(2021.8.7)

◆第二部

一、真景累ヶ淵 豊志賀の死

そういえば、かつて8月といえば「納涼歌舞伎」で、次代の役者さんたちが
多く起用されて、三部構成で、怪異ものもよく上演されていたなぁと。
思い出して少し懐かしくなりました。

鶴松さんの新吉が、優柔不断とは違う、
"ちゃんとした人"と"ふつうの人がふつうに持つ狡さ"の同居具合がよい塩梅。

お化け屋敷的な要素(脅かしと笑い)で楽しませる一方で、
普通の人がふいに陥る気持ちの闇の方が案外怖いものなのかもなぁ
と思わせる。七之助さんの豊志賀の言い募りもまた。

勘九郎さんの噺家は「ごちそう」。

二、仇ゆめ

かわいいひとたち(狸含む)の軽やかさの前半。
後半はけっこう切ない。

観終わって、優しい気持ちになります。

(2021.8.7)


【歌舞伎】歌舞伎座 七月大歌舞伎 2021年7月

2021-07-16 00:11:51 | 歌舞伎
七月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆第一部と第二部

ふんだんに時事を織り込む。笑って厄がはらわれていく。
第一部を観終わって振り返ると「はらう」だったなと思う。

「あんまと泥棒」世知辛い世の中をずいずいと這って生き抜ける。
曲者すぎる秀の市を真向怪演の中車さんに、松緑さんのいいひとすぎる権太郎が
気の毒になったりして、後味が…と直後は思ったけれど、少し経つと秀の市あの
執着のエネルギーが何か力になって残っている気がする。

「蜘蛛の絲宿直噺」は猿之助さんの早替わり六変化、他の演者の方々とも全体に
素早さとキレの所作の数々、芝居そのものの途切れないテンポが、もやとした
世間の憂さを吹き消す。

第二部は、おなじみの演目2つ。
いい意味で予想としてたのと違ういい味だった錦之助さんの長兵衛と芝翫さんの玉の井。

「鈴ヶ森」の立回りは演出が少し新しかった?かな?

(2021.7.11)

◆第三部

「雷神不動北山櫻」

口上での説明の通り、短い上演時間に工夫を重ねて詰め込んだ構成。
「毛抜」「鳴神」。「不動」で〆。

海老蔵さんの五役、特に鳴神上人は、以前観たよりも独特の味が出てきたような。
雲の絶間姫に篭絡される成行は元々突拍子のなさ(高僧も人の子ともいう)の
面白味がありつつ違和感も出やすいのだけれど、今日は滑らかだったなぁ。
持ち味が変わってきたのだろうか。
クセっぽいところが透明感に置き換わったというか。
児太郎さんの姫はパキパキしっかり者な感じで私は好き。

びびびびが上手可愛い雀右衛門さん巻絹。

統制の効いた立回り、見栄え。

(2021.7.14)



歌舞伎】歌舞伎座 六月大歌舞伎 2021年6月

2021-06-06 23:59:15 | 歌舞伎
六月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆第二部

桜姫東文章 下の巻

鶴屋南北な見せ場満載の下の巻。
同じ月に上下通しにしなかった理由が察せられるくらい
全編ゆるぎない集中力と変化の表現。

この演目は桜姫が事実に気づいて自らの手で決着をつける転換が
個人的にはとても好きで、玉三郎さんの桜姫はその瞬間、
よどみから白百合が咲きいずるようだった。

(2021.6.20)

◆第三部

一、京人形

前半の夫婦のやりとりが優しくていいなぁ。なごむ。
京人形の応答も甚五郎の愛情みたいなのを映している気がする。

後半の立回りは大工道具遣いで。動作がシャープな印象。

二、日蓮

よく約1時間の幕に収めたな、と。
語られない過去経緯や登場しない人物の奥行を感じ取るにつけ、
スーパー歌舞伎として通しで上演されてもおかしくない題材なのでは
ないかと思われる壮大さ。

賤女おどろ(笑三郎さん)が深いです。
善日丸と阿修羅天は蓮長の裡にある人格要素として描かれているのかな。

(2021.6.5)

5月は連休にあててチケットを取っていたので(ちなみにコクーンも)、
残念な事態に直面しましたが。6月ひとまず第三部はクリア。


【歌舞伎】歌舞伎座 三月大歌舞伎 第一部・第二部・第三部 2021年3月

2021-03-13 22:27:58 | 歌舞伎
三月大歌舞伎
歌舞伎座
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観ている私の思い込みが入っているのでしょうが。
全体を通じて幾つもの瞬間に『祈り』を感じました。
"芸能"というものの原点を垣間見たようにも思いました。

今月は敢えて、観た順で。

◆第三部

一、楼門五三桐

大仕掛・絢爛な装置に吉右衛門さんの五右衛門。
左右忠太に歌昇さんと種之助さん、発する明るいエネルギー。
真柴久吉に幸四郎さん。
"続いている"幸せ。

物語の光景に重なって、なぜか、
祈りを感じました。少し切ない、希求、のような。

二、隅田川

玉三郎さんの斑女の前の、心が枯れ果てそうな哀しみと
鴈治郎さんの舟長の心遣いと温かさ。
お芝居に、切なく心打たれつつ、
加えて、清元の美しさをひときわ感じました。
川のせせらぎを映す三味線もすばらし。
もう一回聴きたい。

一日仕事してからの観劇。癒されました。

(2021.3.12)

◆第一部

一、猿若江戸の初櫓

人助けからチャンスを得た猿若と阿国。
人と人との"正"の繋がりがもたらす喜びの場面に舞踊。
勘九郎さんの舞踊を観ていて、
物語としての場面を観ているのと同時に、祈念の舞だ、とも感じ。

研ぎ澄まされた身体表現は、祈りに近づいていくのかな。

二、戻駕色相肩

松緑さん次郎作、愛之助さん与四郎、禿に莟玉さん。
晴れやかで軽やか。
だけでは終わらせない「実は」の締めくくり。

(2021.3.13)

◆第二部

大看板投入で厚みのある2幕が続く第二部。

一、一谷嫩軍記 熊谷陣屋

仁左衛門さんの熊谷、孝太郎さんの相模。
帰宅、相模・藤の方とのやりとりから、徐々に高まる哀切の予感は、
首実検でひとつめのピーク。落涙。
暇乞い・出家から花道での噛みしめ。

昨日から感じていた「祈り」の延長上で思うに、
この慟哭は、熊谷の慟哭なのだけれど、
観る誰かの慟哭を代わりにあらわしているかもしれないと思い至り。
"芸能"は、究極的には、世界の声を映すものなのだろうか。

二、雪暮夜入谷畦道 直侍

菊五郎さんの直侍と時蔵さんの三千歳。
丈賀を東蔵さん、暗闇の丑松を團蔵さん。

絶妙。
火鉢、蕎麦、傘の扱い、屋根から落ちる雪…あらゆる要素が心地いい。

うまく言えないけど、
いいものをちょうどよく食べたときの満足に似ていた、第二部。

(2021.3.13)


【歌舞伎】歌舞伎座 二月大歌舞伎 2021年2月

2021-02-21 23:53:37 | 歌舞伎
二月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆第一部

一、本朝廿四孝

魁春さんの八重垣姫。
恋に揺さぶられる情動の波が客席に来る。観てて動揺した。
複数の役者さんの八重垣姫を観たけれど、こういう心情になったのは初めてかも。

二、泥棒と若殿

ストーリーは山本周五郎の組み立てがたぶん上手すぎて、
さらっといってしまいそうな流れなのにもかかわらず、泣けた。

松緑さんの昔語り辺りから胸掴まれ始め、見送りの台詞に落涙の方多数。
信の巳之助さんの達観とピュアの同居する風情もよし。

昔話の風情かと思って観始めたけれど、
疑似家族的な視点があって、もしかしてたいへんに現代的かも。

◆第二部

一、於染久松色読販
二、神田祭

玉・仁左、二本立て。
二幕観終わって、ほんわか。
昨今の情勢の中、劇場に通っているみなさんへの贈り物でしょうか。

於染久松色読販、鳥居前~お六のたばこや~油屋、すっきりした運び。
笑いの温度感が春先の印象で、これはこれで心地よい。

花道の出の鬼門の喜兵衛、怖い男。
やれやれと連れ立って油屋を去るふたりの愛嬌。

(2021.2.6)

泥棒と若殿、原作に興味が至り、読んでみた。(青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/files/57689_70766.html

◆第三部

十七世中村勘三郎三十三回忌追善。中村屋さん総出。

一、奥州安達原 袖萩祭文


前半、七之助さん・袖萩と長三郎さん・お君の母娘のけなげ、
両親(歌六さん東蔵さん)との間のままならなさ、胸がもやる。
因果応報の怖さが初演当時の聴衆には身に染みてあったのかもと思う。

後半、勘九郎さんの貞任、かっこいいー。灰汁もある表情、赤はたの扱い。
芝翫さん・宗任の終盤の地を轟かす声の響きとともに。

二、連獅子

親子で演じる連獅子は殊更、観る方の思い入れも強いものですが。
それ抜きにしても、たいへん素晴らしかったです。今日。

狂言師右近・左近が引っ込んだ後の長唄囃子の唄と演奏を聴きながら
風の吹き抜ける川面も見えない深い谷を感じたり。
  今まで幾度も観てるのに。
  座席位置も影響するのだろうか(私は主に三階ですが今回一等席)。

親仔獅子として現れた一対の清冽な緊張感と長唄囃子が混然一体と
なって、森など自然の何かと通底していた気が致します。

鶴松さんと萬太郎さんの道連れ僧(の最後の部分)で森を外から見た感。
なるほどそういう視点の移動を誘うのか。場を和らげるだけでないのね。

(2021.2.21)

【歌舞伎】歌舞伎座 壽初春大歌舞伎 第一部・第二部 2021年1月

2021-01-03 20:10:39 | 歌舞伎
壽 初春大歌舞伎
歌舞伎座
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久しぶりの幕間は15分。三階の売店が再開しています。
座席の市松模様は少し変則に(2人並び席が設定されている)。
浄瑠璃や義太夫かたのマスクはこなれてきた?のかな。改善が続くのでしょう。

◆第一部
一、壽浅草柱建
二、悪太郎

今年は浅草公会堂の公演がなかったけれど、次世代はこの幕で。
前半の勢ぞろいには目を開かされる何か(エナジー?一体感?)あり。
#浅草寺 #疫病収束祈念

悪太郎の猿之助さんはいつもより大柄にみえた。芸。

◆第二部
一、夕霧名残の正月
二、仮名手本忠臣蔵

熟達を味わう第二部。
切なく泣かせる夕霧名残。
現在なしうる最高のアンサンブルの1つであろう一力茶屋。

(2021.1.3)


【歌舞伎】歌舞伎座 十二月大歌舞伎 第二部・第三部 2020年12月

2020-12-20 21:46:52 | 歌舞伎
十二月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆第二部 心中月夜星野屋

ライトな一幕。
リズムよく、時事ネタと楽屋オチで、今年の笑い収めナリ。

猿弥さんがおっかさん、
今まであまり見なかったかも。思えば意外。

騙し合いの重なり合いが妙味な脚本ではありますが。
おたかと星野屋は根っこのところの相互信頼が徹底的に「ない」設定なのが、
心からは笑えない要素だったりはしたかも。
ググったWikiによると元禄11年(1700年くらい)ということなので、
当時はお店の旦那と囲い女に対して、庶民の突き放した笑いを狙ったのか、
庶民にもそういう関係性の当事者感があったのか。

◆第三部 傾城反魂香 土佐将監閑居の場

このキャスティング、ども又、とても新鮮。

今回、勘九郎さんの又平は、吃音以外はなんら欠けたところがない、
ということが強く伝わってきた。
吃音が唯一絶対的な瑕疵であることにより絶望は殊更深いものになる。
その印象を強く増幅するのが猿之助さんのおとくで。
母性にも似た添い方に加えて、このおとくは、知が冴え冴えと冴えている。
又平の才に強い確信をもっている。

解説にある「心温まる舞台」という表現は確かにその通りなのだけれど、
確信する真実を手放さず目標に至る、現代的な空気があったと思う。

鶴松さんの土佐修理之助、團子さんの狩野雅楽之助がまた、
きりきりと爽やかによろしくて、歌舞伎は続いていくのだなあと
また楽しみができた。

(2020.12.20)


欄外:
中1.5時間の4公演を全部観るのは、個人的にスケジュール調整が
けっこう厳しくて、今回もチケット取ってたけど全部は行けませんでした。
ほんとうにごめんなさい。
演者さんにも、私が取ってた所為で席が取れなかった人にも。
来月は3部型になるようなので、皆勤を取り戻す…。


【歌舞伎】歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 2020年11月

2020-11-03 21:25:38 | 歌舞伎
吉例顔見世大歌舞伎
歌舞伎座
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◆第一部 蜘蛛の絲宿直噺

隅々まで完璧を計算されているのが凄いというか、
猿之助さんがそれを身体でもって体現してるところが凄いというか、
その目指す方に舞台上のあらゆる方々が向かって行ってるのが凄いというか。

時事ネタ、微妙な時期にちゃんと笑えるラインを押さえてるのも凄い。


◆第二部 新古演劇十種の内 身替座禅

安定。
山蔭右京も奥方玉の井もかわいい。


◆第三部 一條大蔵譚 奥殿

後日追記予定。


◆第四部 義経千本桜 川連法眼館

獅童さんのチャレンジ。
千秋楽近くにもう1回観てみたい。

(2020.11.02 03)


【歌舞伎】歌舞伎座 十月大歌舞伎 2020年10月

2020-10-07 23:27:01 | 歌舞伎
十月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆梶原平三誉石切

仁左衛門さんの石切梶原は観た記憶がない。あったかな。
石切りは客席に向かって立つ型で。
大庭俣野よりもはるかにうわての、慈愛に満ちた梶原。
孝太郎さんの梢、歌六さんの六郎太夫。

観る私のコンディションの所為か、あるいは演出からか、
以前観てきた印象よりもテンポが早い印象。

◆口上、楊貴妃

バックステージ案内は私は2度目だけど、ご心配には及びません。
玉三郎さんに誘われて進み行くのですからドキドキ。鮮度OK。

そして、楊貴妃。
身体の重量を感じない。すごい。ほんとすごい。
人の世の方ではないのだ。

足の運び、身体の流れに、大陸のかおり。

(2020.10.3、2020.10.7)
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場外。
ええとですね。
今回スケジュールをしくじって、第一部と第二部はチケットを取ったのに
観劇できませんでした。空席を作ってしまいごめんなさい。

で、チケ〇レを活用しようと思ったのですが。
結果的にNGでした。
エントリーしようとしたところ、
公演日が近すぎるので発券前でないと扱えません、との表示。

公演10日以上前なんだけど…月の中旬発売で20日頃にはもう扱えない
としたら、エントリできる期間は数日しかないのでは??
仕様チェックに走りました。
 その時点で翌日日程分は扱えるようでした。
 じゃあ、明日は翌日日程のチケットは扱えなくなるのか?
 1日後に確認したところ、翌日日程分はまだ扱えるようでした。
 どういう設定値?
 初日に近いと最初から取り扱い対象外なの?

日程条件に基づく取扱可否のパターンは予め明示してほしいです。

上記で結局エントリー自体できませんでしたが、
エントリーできたところで、この「発券前」って「チケット〇あ」の
発券のことを言っているのではないか?という懸念も。
「チケットWeb松竹」ユーザは発券して郵送するしか選択肢がないのでは?
FAQに載っていないので推察ですが。

ユーザ登録やカード登録や諸々手順踏んで結局使えず少々心折れました。
最初からそう言ってくれれば…。
まあそもそも私がスケジュールをミスらなければよかったのですけどね。


【歌舞伎】歌舞伎座 九月大歌舞伎 2020年9月

2020-09-19 23:59:00 | 歌舞伎
九月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆寿曽我対面

心安く観られるというのはこういう時代には大切なことですね。
品のいい感じのキャスティングで。

◆色彩間苅豆 かさね

幸四郎さんの与右衛門。
鬼になったかさねに引かれるかたち、

猿之助さんのかさね、前半徹底的にたおやか、
後半に人ならぬものに変容していく過程が身体にありありと。

◆双蝶々曲輪日記 引窓

吉右衛門さんの濡髪、大きなからだの少年のような瞬間が。
引窓の濡髪は色々な演者で何度も観たけれど、
少年が見えたのは初めてだと思う。

◆映像×舞踊 特別公演 鷺娘

口上から映像と実演を交えた、バックステージ巡り、そして鷺娘。
コロナ下の新機軸、スムースに見えるけど構成で相当工夫なさった
のではないかと。
鷺娘は美しかった。
今後どれだけ観れる機会があるだろうか、と思うと、
映像に実演が重なるのはたいへんに贅沢なことだ。

(2020.9.12、2020.9.19)

投稿し忘れていたので、実際のUPは10月8日です。

【歌舞伎】歌舞伎座 八月花形歌舞伎 第一部~第四部 2020年8月

2020-08-09 18:35:04 | 歌舞伎
八月花形歌舞伎
歌舞伎座
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半年ぶり。
各部それぞれの冒頭に演者の挨拶の音声放送。
私の観劇日は、第一部から順に歌之助さん、勘九郎さん、猿之助さん、児太郎さん。

客席は、ひとつ置きで隙間があって、会話や荷物のガサガサ音もないせいか、
いつもより少し厳粛な空気。
冒頭のアナウンスと相まって、私が「棒しばり」から観始めたことも手伝ってか、
そもそもうたや舞は神への供物・祈りであったことを思い起こす。
先祖返りの八月花形歌舞伎。

歌舞伎が、歌舞伎座が、あるいは人びとの健康や生命が、絶えず続いていくこと
への祈りが、舞台の上にも客席にもあったように思います。

上演後の拍手がいつもより長い。ありがとうだ。みんな待ってた。

目の覚めるような、破魔になりそうな、連獅子の第一部。
徹底的にほがらかでありながら涙出そうになった第二部。
忠信が男前で格好良かった第三部。
ご時世チューンの演出も相まって、生きて再会よかったねほっこりの第四部。

(2020.8.8、8.9)

舞台上で演者の間のスペースを取れるかなど、色々考えて演目を選んだのでは
ないかしら…と4演目を観終えて思いました。
どこかの国の学校で帽子に1mくらいの棒載せてソーシャルディスタンス
確保しているというニュースを見たのを、思い出した。棒しばり。

間ひとつ空けた座席は、空間に余裕があるし見易かったりしますけど
チケットは第一~第四全部でちょうど通常の昼・夜の分くらいなので、
利益は厳しいのだろうなと。
投げ銭(寄付)付きチケットみたいなのが設定されないかな。

チケットも筋書きも、電子化のチャンスかも?
(高齢の方が多いので紙を残さざるを得ないのは分かりますが…)。
歌舞伎会会員の有料オプションで筋書の読み放題とか。


【歌舞伎】歌舞伎座 二月大歌舞伎 昼の部 2020年2月

2020-02-11 22:05:22 | 歌舞伎
二月大歌舞伎
十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善
歌舞伎座
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◆昼の部

菅原伝授手習鑑  加茂堤・筆法伝授・道明寺

重厚で繊細な時間を堪能。
仁左衛門さんの菅丞相、玉三郎さんの覚寿。

加茂堤、色っぽい前半から緊迫の後半。
筆法伝授の信頼関係。
道明寺、複雑な家族・縁者の構造を背景とする光景の中盤、
残酷な殺し、宿禰太郎の悪びれなさ、道真の伝奇。
車曳や寺子屋に比べて観る機会が少ない場。

上演が少なかったのは、場面場面がそれぞれ見せ場を持つ反面、
通底する物語を掴みにくいゆえか。
でもその感覚はむしろ昨今の感性に合っているように思う。

義太夫・三味線、出語り・御簾内、入れ代わり立ち代わり。豪華。
http://www.kabuki-music.com/takemoto/katudou-koremade.htm

千之助さんはミレニアルなんだねぇ。

(2020.2.11)