「 もも色電車に飛び乗ろう 」

まだ 明るい夕空
ラムネのお月様と 飛行機雲

不意に顔が見たくなって
んー きっと 春のせい

荷物なんて ちっちゃくていいから
もも色電車に飛び乗ろう

すぐに 怖くなって
明日には 泣くけれど

もも色電車に飛び乗ろう

雨のち雨が 続いてさ
可哀想って笑われる

だけど

もも色電車に飛び乗ろう
もも色電車に飛び乗ろう

似合わないけど リボンを結んで
目一杯の勇気を握って

もも色電車に飛び乗ろう
もも色電車に飛び乗ろう

私は 出発するからね
もう 出発したからね

「 春になったら 」

お空は

優しいヒカリを するする降ろし
風に くるんと回転をかける

うぶ毛を 優しく すわんと撫でて
固かった粒を ぷん と膨らませ
やがて ぽん と はち切らせる

すると
のっぽの あの人は

くしゅんっと 瞳を潤ませて
もじもじするに違いない
ティシューをたくさん 使いながら
きっと ぼやくに決まってる

春だね
そうね、春が来たね って
海に向かう車の中で
お空に秘密で
キスしよう

「 この空の青を 」

冬の中でキミは

息を白く吐きながら

メガネを曇らせているのでしょう

前屈みに縮こまって

真っ直ぐに 自転車をこいでいるかしら

忙しく頑張るキミに

今日の この空の青を 送りましょう

雲の綿菓子も入れて リボンをかけて

春はすぐそこですよと

今日の この空の青を 届けましょう

お返事は キミの鼻歌を 春風にのせてくださいね