二枚の空に出会った夏

8月の暑い日、岐阜県の徳山ダムへ行きました。

太陽を日傘で避けながら

静かな山の声を聴いたり、空や木々の色に満たされながら散策しました。

あまりに美しく迫り来る景色に、遠近感を失う感覚を覚えました。

ダムに空が映っています。

きっと、もう少ししたら、

 衣替えをしたオレンジ色の山々を 

ダムは 映すのでしょうね。

「 久しぶりに 空をみた 」

久しぶりに 空を見た

静かに そよそよ流れてた

目を閉じて 大袈裟に息を吐いた

悲しみを 流してしまいたい

鍵のかかった心配事

償いきれない罪

動かない恐怖

こんなものを流してしまったら

雲はどんどん厚くなり

そしてみるみる暗くなって

冷たい雨が降り続いてしまうだろう

おっしゃー！ などと言ってみる

飛ぶ鳥に 口笛を吹いてみる

家に帰って 赤いものを食べよう

そして コーヒーを飲もう

そんな 些細な決心で

私は 今日に辿り着く

「 Bitter sweet 」

嬉しいと すぐに 悲しくなって

ワクワクしたら たちまち シュンとする

ときめきは 疑い に変わって

「いや」 が 「いいよ」に なってしまう

胸の奥の 小さなお鍋の中は

ぐるぐる混ざって 煮詰まって

黒くて 硬い かけらが

また できあがる

私は これを 沢山持っていて

あまりに 沢山持っていて

重くて 動けなくなりそうなのです

どなたか

ビターチョコレート 食べてくれませんか？