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2型糖尿病でのインスリン抵抗性が脳のアミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明

2019-04-19 | 健康・病気
 アルツハイマー病(AD)は老年期の認知症として最も頻度の高い疾患である。AD患者の脳に特徴的な病理変化として、アミロイドβペプチド(Aβ)からなる老人斑があり、Aβの蓄積はAD発症の原因であると考えられている。近年、2型糖尿病がAD発症のリスクとなることが明らかになっている。特に、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性がADの発症を促す可能性が予測されてきた。しかし、インスリンシグナルの変化とAβの蓄積との因果関係は未解明であった。
 東京大学大学院医学系研究科の岩坪威教授らの研究グループは、脳にAβの蓄積を生じるADモデルマウスを用い、高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性と、インスリンシグナルの鍵分子であるIRS-2の欠損に伴うインスリン抵抗性による影響を比較、解析した。
 結果、インスリンの作用低下そのものではなく、インスリン抵抗性発症の要因となる代謝ストレスが、Aβの脳内の除去速度を低下させ、結果として蓄積を促進することを示した。また、食事制限により、脳のAβ蓄積は可逆的に抑制できることを明らかにした。さらに、これまで詳細が明らかになっていなかった、インスリンやAβの脳内での動態を解明するため、脳の細胞間隙に存在するタンパク質を回収可能な微小透析法を用いた解析を行った。これにより、高脂肪食の摂取による糖尿病状態では、血液中から脳へのインスリンの移行が低下することによって、脳でもインスリン抵抗性が生じる可能性を示した。また同時に、糖尿病状態のモデルマウスの脳内では、Aβの除去速度が低下することで、アミロイド蓄積が増加する可能性を初めて明らかにした。
 本研究で、ADのアミロイド病態とインスリン抵抗性との因果関係を、2種類のモデルを用いて解析することによって、代謝ストレスがAD病態形成に重要な影響を与えることを示した。すなわち、末梢や脳における小胞体ストレスや慢性炎症を標的とすることによって、AD発症の原因であるAβ病態の形成を抑制できる可能性が示唆された。今後は、より具体的な代謝ストレスの経路の特定と、介入法を解明することにより、新たなADの予防・治療戦略の創出に繋がると期待される。
 ◆用語
 〇老人斑
 アルツハイマー病(AD)の脳に特徴的に認められるAβタンパク質が沈着してできる構造物。神経細胞から分泌されるAβは、正常な脳では分解・代謝され、低いレベルに保たれているが、ADの脳ではAβが凝集してアミロイド線維構造を形成し、老人斑(アミロイド斑)となって蓄積する。
 〇インスリン抵抗性
 インスリンは膵臓のβ細胞から分泌される、血糖降下作用を持つホルモンである。インスリン抵抗性は、インスリン感受性の臓器において、その作用が低下している状態を示す。高脂肪食の摂取や肥満、運動不足などの要因により、脂肪組織や肝臓、筋肉などの代謝に関与する臓器に慢性的な炎症やストレスが生じ、インスリンの細胞内へのシグナル伝達が阻害されることにより、抵抗性を発症すると考えられているが、脳におけるインスリン抵抗性については十分に分かっていなかった。
 〇IRS-2
 インスリン受容体基質2(insulin receptor substrate-2: IRS-2)は、活性化した細胞膜表面のインスリン受容体によりリン酸化を受け、細胞内にインスリンのシグナルを伝達する分子である。IRS-2を遺伝的に欠損したマウスは、インスリン抵抗性と膵臓のβ細胞の障害から、糖尿病を発症することが報告されている。

 今日も昨日と同じに晴れたいい天気。風も弱いので、散歩日和。畑仕事日でもある。
 お庭の隅で色々な草花に囲まれて、”タンチョウソウ(丹頂草)”が咲いていた。長い花柄の頂部に集散花序、白い小さな五弁花を密集して咲いている。
 五弁花であるが白い萼と白い花弁が重なり10枚の花弁がある様に見える。花の中心が赤く見え(雄しべの花粉)、頭に赤い所がある丹頂鶴を連想させる。名(タンチョウソウ)の由来は、この赤い頭部ではなく、背高く白い花が密集する様を「丹頂鶴」に見立てた。
 葉の形は掌(てのひら)状の八手(ヤツデ)に似ており、岩場で自生している。これから”岩八手(いわやつで)”とも呼ばれる。この葉は秋の終わりには枯れてしまう(休眠する)。
 タンチョウソウ(丹頂草)
 別名:岩八手(いわやつで)
 ユキノシタ科イワヤツデ属
       (ムクデニア属)
 多年草、花茎は10cm~30cm
 半日陰で、湿気のある環境を好む
 原産地は中国東北部~朝鮮半島
 開花時期は3月~5月
 花色は白色


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