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花のめしべを作るのに欠かせない遺伝子の働きを解明

2019-09-01 | 園芸
 奈良先端科学技術大学院大学の伊藤寿朗教授らは、花のめしべを正しく作るのに欠かせない遺伝子の働きを解明した。この遺伝子の働くタイミングを調整すれば、果実の品質向上や食料の増産につながる可能性がある。
 伊藤教授らは、めしべのもとになる幹細胞の増殖を調節しているとみられる「KNU」というたんぱく質を作る遺伝子に着目した。
 アブラナ科の一年草、シロイヌナズナでめしべができるまでの各段階のつぼみを使い、「KNU」の働きを調べた。めしべが発達する早い段階で、「KNU」は幹細胞を増殖させる別の遺伝子にくっつき、この遺伝子の働きを邪魔する役割を果たしていた。めしべの発達が進むと、「KNU」がくっつく遺伝子の周辺ではDNAが小さく折り畳まれ、邪魔する働きが強まることもわかった。「KNU」は幹細胞の増殖能力に徐々にブレーキをかけ、栄養をためてめしべを正しく発達させる働きがあるとみている。「KNU」を作れない植物は、めしべの根元が異常にふくれ種子ができなくなる。一方「KNU」が大量に作られる植物は、めしべそのものが消えてしまう。不明だったこの仕組みが解明できたという。
 「KNU」が働く時期を調整すれば、果実の大きさや種子の数を操作できる可能性がある。果実や野菜、穀物などの新品種を開発する有力な技術になると期待している。
 ◆KNU (2019.5.14の発表から、抜粋)
 本研究グループは、まず、モデル植物であるシロイヌナズナを用い、幹細胞の増殖に必要な転写因子WUSCHEL(WUSタンパク質)とその上流の転写抑制因子KNUCKLES(KNUタンパク質)に注目した。
 KNUタンパク質が作用しないknu突然変異体では、雌しべの中で種の代わりに過剰な数の花器官が出来て、幹細胞の増殖が止まらなくなることがわかっていたから。また、KNUを過剰発現すると、逆に幹細胞の増殖が早くに止まってしまうため、花器官の数が減る。そこで、knu突然変異体やKNU活性をコントロール出来る植物体を作成して、WUS遺伝子の発現とクロマチンに影響を及ぼすヒストン修飾という分子構造の変化を花発生の時間軸にそって解析した。その結果、複数のヒストン修飾が時間軸に沿って変動し、時間の遅れが生じながらクロマチン構造が閉じていくことを発見した。さらにKNUタンパク質に直接、相互作用するタンパク質として抑制的なヒストン修飾の導入に必要なポリコムタンパク質が含まれていた。
 ポリコムタンパク質によって導入される抑制的なヒストン修飾は遺伝子の発現をオフにする機能があるため、KNU誘導後のWUS遺伝子への発現の影響について調べたところ、抑制的ヒストン修飾が導入される前に、WUS遺伝子の発現量は減少することがわかった。一方、ポリコム突然変異体の解析から、ポリコムは抑制し続けるために必要であることがわかった。つまり、ポリコムは抑制の開始には関係しない一方、継続的な抑制状態の維持に必要であることがわかった。
 それでは、どうやって、KNUはWUSの発現をオフにするのでしょうか?
 KNUがWUS遺伝子座に直接結合して、クロマチンの構造を緩めることで遺伝子の活性化にかかわるSPLAYEDクロマチンリモデリングタンパク質の結合を阻害することを明らかにした。この結果から、KNUタンパク質がWUS遺伝子に結合して多段階にはたらくスイッチとして、遺伝子の抑制に作用していることを明らかにした。

 今日の天気は曇り~晴れ。最高気温は31℃と今日も暑い。
 道沿いの植栽地に”テッポウユリ(鉄砲百合)”と”タカサゴユリ(高砂百合)”が咲いている。
 ”タカサゴユリ(高砂百合)”は、筒状の白花で、筒状花の外側に紫褐の縞があり、葉は細い。”テッポウユリ(鉄砲百合)”に似ているが、背が高い・・テッポウユリ:草丈が1m位、タカサゴユリ:草丈が1.5m位。葉の幅が細く、鉄砲の形の”テッポウユリ(鉄砲百合)”と似ているので、”ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)”とも呼ばれる。
 因みに、”テッポウユリ(鉄砲百合)”は春(6月頃)に、”タカサゴユリ(高砂百合)”は夏~秋にかけて咲く。
 タカサゴユリ(高砂百合)
 別名:細葉鉄砲百合(ほそばてっぽうゆり)、台湾百合(たいわんゆり)
 学名:Lilium formosanum
 ユリ科ユリ属
 耐寒性球根植物
 原産地は台湾、大正12年日本へ種子が入る
  西日本を中心に広く野生化している
 開花時期
  鉄砲百合は6月頃、高砂百合は8月頃
  種子で繁殖する。11月頃に蒴果が熟す
  細長い莢に沢山の種子が詰まっている。晩秋に莢がはじけて種子が放出される(風媒花)


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