(もちろん、かわいそうな港先生はすっ飛んで来た。こちらはID社の総務と海原所長にメールを入れる。総務からは30分後にOKの返事が来た。海原所長はどうぞご勝手に、の感じ。すでに大阪入りしている加藤氏には連絡が付いた。用件をいうと、いいっすよとのこと。何がいいのかよく分からなかったが、その後しばらく港氏と電話で相談していたから、何とかするのだろう。
緊急に告知したいとのことで、衣裳は手許にないから、私が絵を描くことになった。小鹿氏を中心に、イチ、レイ、エレキ、マグネがポーズしている。港氏は、すぐにアイデアが湧くらしく、ちょっと人情味のある小話をすぐに作ってしまった。明日、これに動作を付けてみるとのこと。表題をつけて、ホームページに出す。臨時のメールマガジンも発行した。)
高橋。うふふ。魂が入った自動人形。江戸時代にもあったかも。
港。絡繰り人形は実在する。京都や江戸でさかんに作られたはず。ここにいるロボットと同じ、立って歩いて、仕事をしてくれる。
高橋。だから不自然に感じないのか。
港。自動人形は大衆の娯楽のために作られた。何か面白いことをしてくれるという期待が自然に湧く。人間に危害を与えるという発想が無い。
高橋。人形浄瑠璃。
港。そう。人形が演技する。その動力をゼンマイにした。
高橋。この子たちの動力はハイカラだけど。
港。燃料電池ですか。アルコールというのがいい。お酒と同じかな。
伊勢。エチルアルコールですから、物質としては全く同じ。
高橋。焼酎とかでも動くの?。
イチ。本当は燃料用アルコールがいいけど、焼酎でも動く。
高橋。おほほ、正直なこと。おいしいの?。
イチ。多分、同じ。でも、酔いません。
高橋。燃料だものね。明日は別の自動人形も来るのかしら。
奈良。はい。A31、つまり、黒猫と女性が1機ずつ、男性2機。
高橋。写真ある?。
奈良。ええと、インターネットは。
高橋。そのテレビに映せるはず。
(A31を映す。)
高橋。こっちはお人形さんみたい。
港。今いるのは、フィギュアと呼ばれるものに近い。
高橋。A31は4機の総称なの?。
奈良。そうです。初めて製作された4機。クロ、アン、タロ、ジロ。いつもチームを組んでいるのでA31と名付けられた。自動人形、3人と1匹の意味。私と出会う、ずっと前から。
高橋。この子たちは。
奈良。寄せ集めなので、総称名はまだ。イチがF国、レイがC国、エレキがA国、マグネがB国から来た。
高橋。国際色豊か。五郎と六郎は。
奈良。この2機は他動人形と言って、他の自動人形の配下で動く。頭脳がないのです。
高橋。あら、そうなの。よく動いているのに。
奈良。普段はいいのですが、通信が途絶えると、とたんに判断ができなくなる。だから、主に留守番や輸送に使う。
高橋。じゃあ、こっちの4機か。チーム名と。
イチ。ぼくたちのチーム名を考えてくれるの?。
高橋。そうよ。余計だったかしら。
伊勢。光栄なこと。
高橋。例ならいっぱいあるわ。ビートルズとかベンチャーズとか。
港。それはロックバンドの名前です。
高橋。いいじゃない。ロックバンドで諜報部員のアニメがあったわ。
港。ジ・インポッシブルズ。アメリカの子供向けアニメですよ。日本語名、スーパースリー。
高橋。インターナショナル・レスキュー
港。それは国際救助隊。サンダーバードです。
高橋。そうだったの?。でも、こっちの方が本物っぽい。
鈴鹿。確かに、世界の名だたる大国のノウハウが詰まった救護ロボットチーム。こんな豪華な部隊、二度と組めそうにない。
高橋。じゃあ、4カ国連合救護隊。
鈴鹿。U4R。ユナイテッド・フォー・レスキュー・ロボッツ。
奈良。U4RRかな。
高橋。U4でいいわよ。決めた。言いやすいし。
レイ。決めた、って、これからそう呼ばれるの?。
高橋。そうよ。
鈴鹿。じゃあ、明後日はチームU4のお披露目公演だ。
高橋。張り切って行きましょー。
(伊勢と顔を見合わせる。ノリノリになってくださるのはありがたいけど、大丈夫だろうか…。)
第32話。アクロニム。終了。
緊急に告知したいとのことで、衣裳は手許にないから、私が絵を描くことになった。小鹿氏を中心に、イチ、レイ、エレキ、マグネがポーズしている。港氏は、すぐにアイデアが湧くらしく、ちょっと人情味のある小話をすぐに作ってしまった。明日、これに動作を付けてみるとのこと。表題をつけて、ホームページに出す。臨時のメールマガジンも発行した。)
高橋。うふふ。魂が入った自動人形。江戸時代にもあったかも。
港。絡繰り人形は実在する。京都や江戸でさかんに作られたはず。ここにいるロボットと同じ、立って歩いて、仕事をしてくれる。
高橋。だから不自然に感じないのか。
港。自動人形は大衆の娯楽のために作られた。何か面白いことをしてくれるという期待が自然に湧く。人間に危害を与えるという発想が無い。
高橋。人形浄瑠璃。
港。そう。人形が演技する。その動力をゼンマイにした。
高橋。この子たちの動力はハイカラだけど。
港。燃料電池ですか。アルコールというのがいい。お酒と同じかな。
伊勢。エチルアルコールですから、物質としては全く同じ。
高橋。焼酎とかでも動くの?。
イチ。本当は燃料用アルコールがいいけど、焼酎でも動く。
高橋。おほほ、正直なこと。おいしいの?。
イチ。多分、同じ。でも、酔いません。
高橋。燃料だものね。明日は別の自動人形も来るのかしら。
奈良。はい。A31、つまり、黒猫と女性が1機ずつ、男性2機。
高橋。写真ある?。
奈良。ええと、インターネットは。
高橋。そのテレビに映せるはず。
(A31を映す。)
高橋。こっちはお人形さんみたい。
港。今いるのは、フィギュアと呼ばれるものに近い。
高橋。A31は4機の総称なの?。
奈良。そうです。初めて製作された4機。クロ、アン、タロ、ジロ。いつもチームを組んでいるのでA31と名付けられた。自動人形、3人と1匹の意味。私と出会う、ずっと前から。
高橋。この子たちは。
奈良。寄せ集めなので、総称名はまだ。イチがF国、レイがC国、エレキがA国、マグネがB国から来た。
高橋。国際色豊か。五郎と六郎は。
奈良。この2機は他動人形と言って、他の自動人形の配下で動く。頭脳がないのです。
高橋。あら、そうなの。よく動いているのに。
奈良。普段はいいのですが、通信が途絶えると、とたんに判断ができなくなる。だから、主に留守番や輸送に使う。
高橋。じゃあ、こっちの4機か。チーム名と。
イチ。ぼくたちのチーム名を考えてくれるの?。
高橋。そうよ。余計だったかしら。
伊勢。光栄なこと。
高橋。例ならいっぱいあるわ。ビートルズとかベンチャーズとか。
港。それはロックバンドの名前です。
高橋。いいじゃない。ロックバンドで諜報部員のアニメがあったわ。
港。ジ・インポッシブルズ。アメリカの子供向けアニメですよ。日本語名、スーパースリー。
高橋。インターナショナル・レスキュー
港。それは国際救助隊。サンダーバードです。
高橋。そうだったの?。でも、こっちの方が本物っぽい。
鈴鹿。確かに、世界の名だたる大国のノウハウが詰まった救護ロボットチーム。こんな豪華な部隊、二度と組めそうにない。
高橋。じゃあ、4カ国連合救護隊。
鈴鹿。U4R。ユナイテッド・フォー・レスキュー・ロボッツ。
奈良。U4RRかな。
高橋。U4でいいわよ。決めた。言いやすいし。
レイ。決めた、って、これからそう呼ばれるの?。
高橋。そうよ。
鈴鹿。じゃあ、明後日はチームU4のお披露目公演だ。
高橋。張り切って行きましょー。
(伊勢と顔を見合わせる。ノリノリになってくださるのはありがたいけど、大丈夫だろうか…。)
第32話。アクロニム。終了。