(ともかく、クルマがやって来た方向に徒歩で進む。途中で、枝分かれがあるものの、新しいタイヤの跡がアナライザーで分かるので、そちらに進む。)
リリ。あそこから出てきたみたい。
(扉がある。羽鳥と虎之介が前に立ったら、開いた。男3人がいる。中央の人物が司令官のようだ。脇の2人は小銃を持っている。肩にかけたままで、構えてはいない。)
司令。おまえたちは誰だ。帰れという警告が分からなかったのか。
羽鳥。財務省の臨検だ。東京の管理会社には許可を得ている。そちらこそ、連絡がなかったのか。
司令。わざとらしいぞ。さっさと攻撃しないのか。
羽鳥。そっちこそ。
司令。お互い、相手の出方を見ているってことか。大した自信だ。
羽鳥。ふん、悪く思うな。これが地の性格だ。
司令。では、お望み通り、中を見せてやる。付いてくるんだ。
伊勢。私たちも付いていっていいかしら。
司令。おや、かなりの人数だな。女もいる。どういう集団だ。
羽鳥。だから、財務省の臨検。それぞれ、その筋のエキスパートだ。
司令。一応了解した。その銃を持っていた連中はどうなった。
羽鳥。事故で気を失っただけだ。そのうち醒めて、戻ってくるだろう。
司令。そうか。
(私に連絡が来た。とりあえず、クロとイチとレイを送る。亜有に操縦するように指示。虎之介はシリーズBですぐに飛び立てるように待機させる。
司令は伊勢が気に入ってしまったようで、そばに付けて説明する。)
伊勢。ずいぶん念入りに準備なさっていること。
司令。ああ。上官を説得するのが大変だった。ここが指令所だ。
羽鳥。管制室だな。
(人はいない。ざっと見る。コンパクトだが、十分な機能があるようだ。)
羽鳥。A国風でもB国風でもない。
伊勢。というより、我が国の技術のようよ。どこかの基地の公開日に見たことがある装置。
羽鳥。物知り。
司令。ふむ。調査に来たのは嘘ではないようだ。では、次に行くか。
(タンクはすべて擬装。地下に燃料タンクや整備室がある。まだ準備中のようだ。)
伊勢。要は、地下基地。
羽鳥。ああ。
司令。分かっている上に、全然驚かない。きさまたち、何だ。
羽鳥。だいたい分かるだろう。政府の調査部隊だ。その筋の。
司令。ただで済むわけないのは分かっているだろうな。
羽鳥。そちらこそ。もう連絡済み。あきらめるんだな。
司令。こちらも仕事だ。行くぞ。
(部下2人がさっと銃を構えようとする。六郎が蒸気ロケットをふかす。ものすごい光と音と蒸気。一瞬視界が途絶えたすきに、全員逃げ出す。伊勢たちと自動人形が誘導。)
羽鳥。走っているけど、行く当てはあるのか。
志摩。整備場だ。出入り口があるはず。
(整備場に入る。非常口らしき通路がある。そこに駆け込む。上への階段がある。駆け登る。パネルを開けたら、別の空タンクの中に出た。)
羽鳥。出入り口が分かるか。
リリ。あっちよ。
(羽鳥がドアを開く。と、ライオンが入ってきた。2頭とも。とっさに空木と羽鳥が小銃を構える。
ところが、ライオンは急に動かなくなり、その場でゆっくり転がり始めた。)
伊勢。リリ、鎮静剤投与。
リリ。了解。
(リリが鎮静剤を打つ。しばらくしたら、ライオンは眠った。)
羽鳥。何か使ったなっ!。
伊勢。秘密。
森本。マタタビだ。あるいは類似物。
釜本。どこから出てきたのよ。
森本。詮索しない方がいいようだ。
(外に出る。後から司令たちがやってきたけど、眠っているライオンにびっくりして、なかなか近づけないようだ。警察は来ていた。イチたちも。羽鳥がゲートを開け、中に誘導する。永田がいた。)
伊勢。永田さん、わざわざ来てくださったの?。
永田。興味深い一件なので。
(銃声。司令の部下がライオンを撃ったらしい。)
羽鳥。出てくるぞ、司令たちが。行ってくる。
永田。気をつけて。
(羽鳥が正面に立つ。万一に備え、リリと伊勢が射程範囲に近づく。志摩と空木が回り込む。イチたちも待機。3人が出てきた。)
司令。そんなところにいたのか。なぜ早く逃げない。
羽鳥。投降しろ。おまえたちは終わりだ。
司令。どうする気だ。
(永田が合図。警察官が集まってくる。司令は形勢不利と判断して、タンクに逃げ込もうとするが、志摩と空木が立っている。司令たちは危険と判断して立ち止まる。
警察官が駆け寄る。部下たちはおとなしく警察官に小銃を渡す。
地下基地には20人ほどがいたが、他は技術者や専門家だった。武器は持っていなかったらしい。簡単に地下基地は制圧された。羽鳥は永田といっしょに現場の検証に付き合う。
残りのメンバーはモグにて再出発。イチたちは東京に戻す。)
釜本。土本さん、大丈夫?。いっしょに帰ろうか。
土本。あなたたち、ただ者ではない。冷静な行動。
釜本。あなたは落ち着いていた。助かったわ。
土本。いったい、相手は何者だったの?。
釜本。知らない方がいい。もう、政府が対応している。大丈夫。
土本。政府と対立する大きな組織。あんなのがいるんだ。
釜本。めったにないわよ。
(こちらでは、伊勢がリリと三郎をよしよししている。)
土本。自動人形も恐かったんだ。
釜本。そうなの?。
伊勢。ええ。行動は人工知能が決定してしまう。自分たちは起こったことを、ただ感じるのみ。
土本。なんだか哀れ。
伊勢。さあ、どうだか。
リリ。私たちは、今が幸せ。うまく使ってくれる。
三郎。ここは特別な地。来てよかった。
土本。この子たちのためにもがんばらなきゃ。
釜本。何をするの?。
土本。私のできることを。
リリ。あそこから出てきたみたい。
(扉がある。羽鳥と虎之介が前に立ったら、開いた。男3人がいる。中央の人物が司令官のようだ。脇の2人は小銃を持っている。肩にかけたままで、構えてはいない。)
司令。おまえたちは誰だ。帰れという警告が分からなかったのか。
羽鳥。財務省の臨検だ。東京の管理会社には許可を得ている。そちらこそ、連絡がなかったのか。
司令。わざとらしいぞ。さっさと攻撃しないのか。
羽鳥。そっちこそ。
司令。お互い、相手の出方を見ているってことか。大した自信だ。
羽鳥。ふん、悪く思うな。これが地の性格だ。
司令。では、お望み通り、中を見せてやる。付いてくるんだ。
伊勢。私たちも付いていっていいかしら。
司令。おや、かなりの人数だな。女もいる。どういう集団だ。
羽鳥。だから、財務省の臨検。それぞれ、その筋のエキスパートだ。
司令。一応了解した。その銃を持っていた連中はどうなった。
羽鳥。事故で気を失っただけだ。そのうち醒めて、戻ってくるだろう。
司令。そうか。
(私に連絡が来た。とりあえず、クロとイチとレイを送る。亜有に操縦するように指示。虎之介はシリーズBですぐに飛び立てるように待機させる。
司令は伊勢が気に入ってしまったようで、そばに付けて説明する。)
伊勢。ずいぶん念入りに準備なさっていること。
司令。ああ。上官を説得するのが大変だった。ここが指令所だ。
羽鳥。管制室だな。
(人はいない。ざっと見る。コンパクトだが、十分な機能があるようだ。)
羽鳥。A国風でもB国風でもない。
伊勢。というより、我が国の技術のようよ。どこかの基地の公開日に見たことがある装置。
羽鳥。物知り。
司令。ふむ。調査に来たのは嘘ではないようだ。では、次に行くか。
(タンクはすべて擬装。地下に燃料タンクや整備室がある。まだ準備中のようだ。)
伊勢。要は、地下基地。
羽鳥。ああ。
司令。分かっている上に、全然驚かない。きさまたち、何だ。
羽鳥。だいたい分かるだろう。政府の調査部隊だ。その筋の。
司令。ただで済むわけないのは分かっているだろうな。
羽鳥。そちらこそ。もう連絡済み。あきらめるんだな。
司令。こちらも仕事だ。行くぞ。
(部下2人がさっと銃を構えようとする。六郎が蒸気ロケットをふかす。ものすごい光と音と蒸気。一瞬視界が途絶えたすきに、全員逃げ出す。伊勢たちと自動人形が誘導。)
羽鳥。走っているけど、行く当てはあるのか。
志摩。整備場だ。出入り口があるはず。
(整備場に入る。非常口らしき通路がある。そこに駆け込む。上への階段がある。駆け登る。パネルを開けたら、別の空タンクの中に出た。)
羽鳥。出入り口が分かるか。
リリ。あっちよ。
(羽鳥がドアを開く。と、ライオンが入ってきた。2頭とも。とっさに空木と羽鳥が小銃を構える。
ところが、ライオンは急に動かなくなり、その場でゆっくり転がり始めた。)
伊勢。リリ、鎮静剤投与。
リリ。了解。
(リリが鎮静剤を打つ。しばらくしたら、ライオンは眠った。)
羽鳥。何か使ったなっ!。
伊勢。秘密。
森本。マタタビだ。あるいは類似物。
釜本。どこから出てきたのよ。
森本。詮索しない方がいいようだ。
(外に出る。後から司令たちがやってきたけど、眠っているライオンにびっくりして、なかなか近づけないようだ。警察は来ていた。イチたちも。羽鳥がゲートを開け、中に誘導する。永田がいた。)
伊勢。永田さん、わざわざ来てくださったの?。
永田。興味深い一件なので。
(銃声。司令の部下がライオンを撃ったらしい。)
羽鳥。出てくるぞ、司令たちが。行ってくる。
永田。気をつけて。
(羽鳥が正面に立つ。万一に備え、リリと伊勢が射程範囲に近づく。志摩と空木が回り込む。イチたちも待機。3人が出てきた。)
司令。そんなところにいたのか。なぜ早く逃げない。
羽鳥。投降しろ。おまえたちは終わりだ。
司令。どうする気だ。
(永田が合図。警察官が集まってくる。司令は形勢不利と判断して、タンクに逃げ込もうとするが、志摩と空木が立っている。司令たちは危険と判断して立ち止まる。
警察官が駆け寄る。部下たちはおとなしく警察官に小銃を渡す。
地下基地には20人ほどがいたが、他は技術者や専門家だった。武器は持っていなかったらしい。簡単に地下基地は制圧された。羽鳥は永田といっしょに現場の検証に付き合う。
残りのメンバーはモグにて再出発。イチたちは東京に戻す。)
釜本。土本さん、大丈夫?。いっしょに帰ろうか。
土本。あなたたち、ただ者ではない。冷静な行動。
釜本。あなたは落ち着いていた。助かったわ。
土本。いったい、相手は何者だったの?。
釜本。知らない方がいい。もう、政府が対応している。大丈夫。
土本。政府と対立する大きな組織。あんなのがいるんだ。
釜本。めったにないわよ。
(こちらでは、伊勢がリリと三郎をよしよししている。)
土本。自動人形も恐かったんだ。
釜本。そうなの?。
伊勢。ええ。行動は人工知能が決定してしまう。自分たちは起こったことを、ただ感じるのみ。
土本。なんだか哀れ。
伊勢。さあ、どうだか。
リリ。私たちは、今が幸せ。うまく使ってくれる。
三郎。ここは特別な地。来てよかった。
土本。この子たちのためにもがんばらなきゃ。
釜本。何をするの?。
土本。私のできることを。