球根よりの使者

春を待つのをやめた僕は

たくさんの球根草を買った

もちろん華やかさはない

でもこれから次第に伸びる茎

それに伴い膨らむ蕾

そんな日々の成長を見ようと

たくさんの球根を買った

春を待つのをやめた僕、

これからは春まで育つんだ。

たくさんの球根は

まるまると

ころころと

今日も店先で並んでる。

まるで赤子のようだ。





チューリップ



ムスカリ



ヒヤシンス



アマリリス



ラナンキュラス




そしてカップルが足を止めた

こんな会話は聞こえてきた。

彼「ヒヤシンスとか、懐かしいね。たまには花とか育てよっか～？」

彼女「え～、ヒヤシンスとかって超くっせ～じゃ～ん。」

春を待つのをやめた僕に、

その瞬間、春は訪れた。

そんなデリカシーのない彼女に喰らわす。

球根爆弾。

弾けたらどうなるか分からない。

球根爆弾。

泣いても許してあげない。

球根爆弾。



弾道ミサイルにだってなる。

的確にあなただけを狙う。



魚雷にだってほら。

どこまでも追いかける。



原子力にだってなる。

エネルギーはいつだって満タンだ。



戦う準備は出来てるさ。

春の球根爆弾。

バンバンバン！！








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