ブランコで天気予報w
私のワクチン 接種後の反応がイマイチ激しくなかったのが、老人臭そうで嫌だとか、そういう話ではたぶん無いと思うんですけど、通常1回目より2回目の方が反応が激しいらしいのに、私の場合2回目の方が反応が鈍かったので、もしかして特異体質?他にもそういう人が居るかな?とか思って、一々ネット上でのお喋りを検索しまくるのもだるいので、子供と大人の免疫機能の違いの方をちょっと調べてみました。
大まかな流れとしては、母親の胎内で受け取った抗体が無くなる頃には本人の免疫が活発に働く状態になって、何百種類もの病原菌などに感染しては治る超早送り状態の幼児期が過ぎて、思春期になっても活発で、それから段々と機能低下していくということらしいのだけど、ちょっと意外なデータ発表を見つけたので、載せてみる。
Effects of Ageing on the Immune System: Infants to Elderly
We retrospectively analysed the data for complete blood count (CBC) and lymphocyte subsets from infant to elderly age groups to determine changes during ageing. Data from dual-platform flow cytometry and CBC were analysed to determine the percentage (%) and absolute cell counts (Abs) of peripheral blood lymphocyte subsets (CD3, CD4, CD8, CD19 and CD56+16+ cells) in infants (1 month to 1 year), children (1 year to 6 years), adolescents (12 years to 18 years), adults (21 years to 50) and elderly (70 years to 92 years).
Differences in plasma cytokine levels in adults and elderly were also analysed using Randox system.
まず初めに、発表者が調べた内容をザックリ言うと、「病院で良くやる血液検査の超詳細版と、なんか凄いハイテクな血液分析用機器を使って、更に一部はRandoxに外注して、幼児・子供・思春期の若者・成年・老人の各年齢群別に、各血液成分の量を調べて比較してみた」ということのようです。
サイトメトリーって機器はこんな感じらしい。
1. はじめに サイトメトリーとは | サイトメトリードットコム
CBC(complete blood count)は「全血球計算」で、よくある血液検査は、その簡易版↓
全血算, CBC
Randox
Randox | Global Healthcare
で、そのまま読み進めると、
Comparisons among age groups from infants through adults revealed progressive declines in the percentage of total lymphocytes and absolute numbers of T and B cells.
リンパ球やT細胞・B細胞が、生まれたてホヤホヤの時が一番多くて、後は減って行くと。ここまでは常識から外れてない。
で、面白いと思ったデータというか本題はコレだ↓
The NK cells declined from infancy to adulthood but increased in elderly participants. The percentages of T cells increased with age from infant to adulthood and then declined. Pro-inflammatory cytokines, TNF-α and IL-6, were higher in elderly people compared to adults. The elderly group had significantly higher levels of monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1) and lower levels of epidermal growth factor (EGF) compared to adults.ナチュラルキラー細胞は幼年期から成年期までは減って行くのに、高齢者群では増えていた。
T細胞は幼年期から成年期まで増加してから減少。
炎症性サイトカインであるTNF-αとIL-6(※注:IL-6は後の引用によると、抗炎症性サイトカインとしても作用するらしい)は、成人より高齢者の方が多かった。
高齢者群では、明らかにMCP-1の量が多かった。
高齢者群では、成人よりEGFの量が多かった。
MCP-1とは、ケモカインの一種だそうで。和訳は「単球走化性タンパク質」。
単球走化性タンパク質-1の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
慢性筋痛における単球走化性タンパク質の役割 - 慢性の痛み情報センター
ケモカインとはなんぞや?サイトカインとは違うの?と思って調べると、こちらに炎症性サイトカインTNF-αとIL-6の説明もまとめてありました↓
サイトカインとは?治療への応用とコロナウイルスとの関係は? – 国際幹細胞普及機構
腫瘍壊死因子(TNF)
炎症の初期に活性化マクロファージや、さまざまな細胞が分泌し、サイトカインや接着分子の発現を促し、慢性炎症、自己免疫疾患、慢性消耗性病態等にも関与しています。
TNFα, TRAIL(TNF-related apoptosis-inducing ligand), RANKL (receptor activator of NF-κB ligand)などがあります。
インターロイキン(IL)
白血球が分泌し免疫系の調節に関与し、30種以上報告されています。
IL-1(種々の白血球や内皮細胞を刺激する炎症誘導性のサイトカイン、発熱、食欲にも関与)、IL-10(サイトカイン産生の抑制)、IL-6(炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの両方として作用する)などがあります。
ケモカイン
ケモカインは感染や炎症の際に、白血球やリンパ球など細胞を組織へ遊走させることを主な機能とするサイトカインで、システイン(アミノ酸の1種)配列の違いによりCC、CXC、C、CX3Cの4種類に分類されます。感染部位における免疫応答の活性化、免疫細胞の発生・分化や免疫機能の維持にも寄与しています。これまでに50種類以上のケモカインが同定されています。
EGC(上皮増殖因子)についても上記サイト内に解説がありました。
増殖因子(グロスファクター)とは?主な増殖因子を紹介! – 国際幹細胞普及機構
まずは増殖因子全体の解説。それから上皮増殖因子の説明。
増殖因子(Growth Factor)とは各所で分泌され近所か局所で作用するのね。
増殖因子(グロースファクター、英: Growth factor)とは、生体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称です。
成長因子、細胞増殖因子(さいぼうぞうしょくいんし)などともいう。
様々な細胞学的・生理学的過程の調節に働いており、目的とする標的細胞の表面の受容体タンパク質に特異的に結合することにより、細胞間のシグナル伝達物質として働く。
増殖因子(または成長因子)とサイトカインは、発見の経緯が異なるがしばしば同義語のように扱われる。すなわち、サイトカインは造血系や免疫系での体液を介した細胞間情報伝達の実体として明らかにされ、増殖因子は固形組織の研究から明らかにされたが、実態として多くのサイトカインは増殖因子としての側面があります。
ホルモン(成長ホルモン、インスリン、甲状腺ホルモンなど)との違いは、ホルモンが特定の臓器(下垂体、膵臓、甲状腺など)から産生され、血流を介して全身的に作用するのに対し、増殖因子は様々な細胞で分泌され、その分泌細胞の近くあるいは局所で作用することです。しかし、明確に区別できない場合もあります。
上皮増殖因子(epidermal growth factor; EGF)
EGFは様々な細胞で増殖促進作用、胚発生で上皮増殖とケラチン化(角化)を促す。損傷を受けた上皮の修復にも関与。極めて多様な生理作用をもちます。
上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor; EGFR)は、細胞の増殖や成長を制御する上皮成長因子 (EGF) を認識し、シグナル伝達を行う受容体です。EGFRの発現は多様な細胞でみられ、細胞膜上にあるこの受容体に上皮成長因子 (EGF) が結合すると、受容体は活性化し、細胞を分化、増殖させます。
正常組織において細胞の分化、発達、増殖、維持の調節に重要な役割を演じているが、このEGFRに遺伝子増幅や遺伝子変異、構造変化が起きると、発癌、および癌の増殖、浸潤、転移などに関与するようになります。
上皮っつっても所謂皮膚以外でも働くみたい。
TNF-αとIL-6に関しては別の研究発表も。
この二つがセットで破骨細胞と骨芽細胞の働きのバランスを保っているという話と、リウマチ性関節炎や閉経後の骨粗しょう症との関連の話の中で、簡単な説明があった。
Proinflammatory cytokines, such as tumor necrosis factor-alpha (TNF-α) and interleukin-6 (IL-6) play important roles in immune responses and bone metabolism. TNF-α and IL-6 enhance macrophage activation and antigen presentation, as well as regulating immunity through different mechanisms.免疫応答および骨代謝において、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-a)やインターロイキン-6 (IL-6)などの炎症性サイトカインが重要な役割を果たしている。TNFとIL-6は、マクロファージの活性化と抗原提示を高め、異なるメカニズムを介して免疫を調節する。
※抗原提示:T細胞が抗原として認識できるようにすること。
つまり、高齢者は...
・百戦錬磨で多種多様な細菌・ウイルスなどへの抗体だらけ→悪いヤツはだいたい知ってる
・細胞やウィルスを事前に認識させておく必要がないナチュラルキラー細胞が多い!→色んなタイプの悪いヤツに柔軟に素早く対応?
・でも、抗原提示細胞から抗原情報を受け取り免疫機能の調節をする T細胞が少ない!→免疫が暴走しやすい?
・炎症性サイトカインTNFとIL-6が多い!→サイトカインストームが起こりやすそう?でも免疫を調整してくれるかも?
・走化性があるMCP-1が多い!→効率よく狙い撃ち?局所で暴走?
・上皮増殖因子EGFが少ない!→回復が遅い?
まとめると...
・高齢者は、体力があれば意外と若者よりかかりにくても、かかると弱い部分が一気にヤバい感じになりそう?
・ワクチンの効果は、もしかすると抗体が出来るより先にナチュラルキラー細胞さんが処分しちゃって低いかも?
・でもTNFとIL-6さんが抗原提示を急いでくれたらそれより先に何とか抗体作れるかも?
・外傷からの感染に強くて接種部位で「感染部位における免疫応答の活性化」に走っちゃうMCP-1さんは、ナチュキラさんとサイカイちゃん達のどっちが好きなんだろう?!🤔