「2 食品の分類と食品の成分」 の 「C 動物性食品」 の練習問題と解答・解説です.
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2 食品の分類と食品の成分 C 動物性食品 20問 練習問題
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1 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) と殺直後の骨格筋は, 1~2時間後に死後硬直の過程に入る.
(2) 牛枝肉は, と殺後, 4 ℃ 24~48時間で最大硬直を示す.
(3) 豚は, と殺から3~4時間後に硬くなる.
(4) 死後硬直は, 筋肉中のADPが減少することに起こる.
(5) 死後硬直時には, 筋漿たんぱく質のアクチンとミオシンが強く結合して硬直複合体を形成している.
2 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 肉の熟成中に作用するプロテアーゼは, カテプシンである.
(2) 肉の熟成中に, アクトミオシンがトロポミオシンに分解されて軟化が始まる.
(3) と殺直後の牛枝肉を 4 ℃ においた時, 3~5日で熟成がほぼ完了する.
(4) 食肉の保水性は, 死後硬直完了時が最も良い.
(5) 肉中のATPから酵素の作用により生成した ADP, AMP, イノシン, ヒポキサンチンは, うま味を呈する.
3 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 筋原繊維たんぱく質にはミオグロビン, ヘモグロビンが含まれ, 全たんぱく質の約 30% を占める.
(2) 筋漿たんぱく質にはアクチン, ミオシンが含まれ, 筋収縮に関与する.
(3) 肉基質たんぱく質にはコラーゲン, エラスチンが含まれ, その含量が多いほど肉質は柔らかい.
(4) 家畜の加齢にともなって肉質が硬くなるのは, コラーゲンが不溶化していくためである.
(5) 結合組織のコラーゲンは, 加熱するとポリペプチド鎖がほどけて水溶性のゼラチンに変わり, 冷却すると元のコラーゲンに戻る.
4 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 肉を長時間加水加熱すると, 筋原線維たんぱく質がゼラチンとなる.
(2) 食肉の炭水化物含有量は, 約 10% である.
(3) 豚肉は牛肉に比べ, ビタミンB1含量が多いことが特徴である.
(4) 肉中の蓄積脂質の約 50% がトリアシルグリセロールである.
(5) 牛肉中や豚肉中の脂質では, リノール酸やリノレン酸の含量が多い.
5 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 魚肉では, 死後硬直は起こらない.
(2) 魚の死後硬直に至る時間は獣肉に比べて著しく速く, その持続期間は短かい.
(3) 魚の死後硬直期には乳酸含量が増加し, pHは 2.5 前後にまで低下する.
(4) 死後硬直期の魚肉ではアクトミオシンが減少するので, かまぼこなどの練製品の原料には適さない.
(5) 死後硬直期後の解硬期には, たんぱく質分解酵素が作用して低分子のペプチドや旨味成分が増加し, 肉は軟化する.
6 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 魚肉は畜肉に比べ, 筋原繊維たんぱく質含量が少ない.
(2) 魚肉は畜肉に比べ, 肉基質たんぱく質含量が多い.
(3) 魚の普通肉は, 血合肉よりミオグロビン, 脂質, ビタミンなどの含量が多い.
(4) 魚肉たんぱく質の第1制限アミノ酸は, リシンである.
(5) 魚肉は, 脂質を多く含む赤身魚と, 脂質の少ない白身魚に分けられる.
7 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 赤身魚は, 白身魚よりもグリコーゲンや脂質の含量が少ない.
(2) 赤身魚は白身魚に比べてヒスチジンを多く含むので, アレルギーの原因になりやすい.
(3) 魚類の脂質含量は, 産卵前よりも産卵後の方が高い.
(4) 魚類の一般成分のうち, 季節変動が大きいのはたんぱく質である.
(5) 一般に養殖魚に比べ, 天然魚では脂質含量が多い.
8 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 魚肉中の脂質の大部分はジアシルグリセロールで, 炭素数18個以下の多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
(2) 魚油は, 植物油よりもエイコサペンタエン酸の含有量が少ない.
(3) 魚類のエイコサペンタエン酸の含有量は, 摂取する餌によって左右されない.
(4) まぐろ, ぶりなどの大型魚の脂質含量は, 魚体の背部より腹部で多い.
(5) 一般的に, 底生魚は回遊魚よりも脂質含量が多い.
9 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) さばやまぐろには, n-3 系列より n-9 系列の不飽和脂肪酸が多く含まれる.
(2) えびやかにの殻の主成分は, キトサンである.
(3) タウリンは, いかやたこなどの軟体動物には含まれていない.
(4) 貝類の脂質含量は魚類に比べて多く, また多価不飽和脂肪酸の含量も多い.
(5) 魚卵は, 鶏卵に比べて n-3 系多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
10 乳類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳のたんぱく質含量は, 人乳の約 1/2 である.
(2) 牛乳のカルシウム含量は, 人乳に比べて少ない.
(3) 乳たんぱく質の 75~85% を占めるカゼインは, 乳汁中では安定なカゼインミセルとして存在している.
(4) 牛乳のカゼインミセルは, リポたんぱく質である.
(5) カゼインミセルは, 加熱により凝固して薄膜を形成する.
11 乳類に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳のカゼインは, カルシウムと結合している.
(2) 乳清たんぱく質の主なものは, カゼイン, β-ラクトグロブリンなどである.
(3) β-ラクトグロブリンは, システインを含むため加熱臭の原因となる.
(4) 牛乳の主な炭水化物は, ラクトースである.
(5) 牛乳中の脂質の大部分は, トリアシルグリセロールの脂肪球としてコロイド状に分散して存在している.
12 乳類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳中の飽和脂肪酸含量は, 不飽和脂肪酸より少ない.
(2) 牛乳の脂肪には, 短鎖脂肪酸は含まれていない.
(3) 乳脂肪中の必須脂肪酸の含量は少ない.
(4) 牛乳には, コレステロールは含まれていない.
(5) 牛乳のリン脂質は飽和脂肪酸を比較的多く含むため自動酸化を受けやすく, 酸化臭を生じる原因となる.
13 乳類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳の均質化処理では, カゼインミセルが崩壊する.
(2) 牛乳の均質化処理では, クリーム層が分離する.
(3) 牛乳には, ビタミンB2よりもビタミンB1が多く含まれる.
(4) 牛乳中のカルシウムは, 不溶性より可溶性が少ない.
(5) 牛乳の無機質含量は, カルシウムよりも鉄が多い.
14 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵は産卵後, 気孔から二酸化炭素が抜け出るため, pHが低下する.
(2) 鶏卵のアミノ酸スコアは 100 である.
(3) 全卵のコレステロール含量は, 牛肉 (脂身つき) のコレステロール含量よりも少ない.
(4) コレステロール含量は, 無精卵と比べて有精卵のほうが少ない.
(5) 卵黄は, エイコサペンタエン酸のよい供給源である.
15 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) pHの値は, 卵白よりも卵黄の方が高い.
(2) 起泡性は, 卵黄よりも卵白の方が大きい.
(3) たんぱく質含量は, 卵黄と比べて卵白に多い.
(4) 卵黄は, 卵白よりアレルギーを起こしやすい.
(5) 卵の脂溶性ビタミンは卵黄に, 水溶性ビタミンは卵白に含まれている.
16 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ビタミンB2含量は, 卵白と比べて卵黄に少ない.
(2) ビタミンCは, 卵黄には全く含まれていないが, 卵白に含まれている.
(3) カルシウムとリン含量は, 卵白と比べて卵黄に少ない.
(4) 水分の含量は, 卵黄よりも卵白の方が多い.
(5) 卵黄のたんぱく質のうち, 含有量が最も多いのはHDL (高密度リポたんぱく質) である.
17 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵黄の脂質は, リン脂質が主成分である.
(2) 卵黄の脂質は, オレイン酸やリノール酸の含量が多い.
(3) 卵黄のコレステロール含量は, 新鮮卵中 10~15% である.
(4) 卵白の鉄含量は, 卵黄より多い.
(5) 卵の乳化力は, 主に卵白に多く含まれるレシチンによるものである.
18 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵が古くなると, 卵黄膜の強度が低下して卵黄係数が上昇する.
(2) ホスビチンは, 卵白成分である.
(3) オボムシンは, 卵白たんぱく質の大部分を占めるたんぱく質である.
(4) 卵白に含まれているオボアルブミンは, リン酸基と糖鎖をもつたんぱく質である.
(5) ゆで卵の卵黄の表面が暗緑色になるのは, 卵黄から遊離した鉄や銅と卵白から遊離レたリン酸が結合してリン酸鉄などを生成するためである.
19 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) オボムコイドは, ゆで加熱により凝固する.
(2) 卵白のオボムコイドは, 卵中のアレルゲン物質である.
(3) オボムコイドは, トリプシンの働きを強める.
(4) 卵白に含まれるトリプシン阻害物質は, 胃液中でも加熱によっても安定である.
(5) 卵白のオボムチンは, 泡沫安定性に寄与する.
20 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) オボムチンは, 濃厚卵白より水様性卵白に多く含まれる.
(2) 卵白のオボムコイドは, ビオチンと結合してその利用性を著しく妨げる.
(3) 卵白成分であるリゾチームは, 優れた抗菌力を有している.
(4) アビジンは細菌の細胞壁を分解する活性のある酵素であり, 卵の腐敗防止に役立っている.
(5) 卵白には, 遊離の糖質が含まれない.
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2 食品の分類と食品の成分 C 動物性食品 20問 解答と解説
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1=(2)
(1) 誤 と殺直後の骨格筋は, 直ちに死後硬直の過程に入る.
(2) 正 牛枝肉は, と殺後, 4 ℃ 24~48時間で最大硬直を示す.
(3) 誤 豚は, と殺から約12時間後に硬くなる.
(4) 誤 死後硬直は, 乳酸が蓄積することやATPが減少することに起こる.
(5) 誤 死後硬直時には, 筋原繊維たんぱく質のアクチンとミオシンが強く結合して硬直複合体を形成している.
2=(1)
(1) 正 肉の熟成中に作用するプロテアーゼは, カテプシンである.
(2) 誤 肉の熟成中に, 自己消化, アクトミオシンの脆弱化などにより軟化が始まる.
(3) 誤 死後硬直した食肉を低温で熟成させる時, 80% 程度解硬するのに牛で10日, 豚で5日, 鶏で半日かかる.
(4) 誤 食肉の保水性は, と殺直後が最も良く, 死後硬直完了時点で最低になり, その後熟成によって一部回復する.
(5) 誤 肉中のATPから酵素の作用により生成したIMP (イノシン酸) は, うま味を呈する.
3=(4)
(1) 誤 筋漿たんぱく質にはミオグロビン, ヘモグロビンが含まれ, 全たんぱく質の約 30% を占める.
(2) 誤 筋原繊維たんぱく質にはアクチン, ミオシンが含まれ, 筋収縮に関与する.
(3) 誤 肉基質たんぱく質にはコラーゲン, エラスチンが含まれ, その含量が多いほど肉質は硬い.
(4) 正 家畜の加齢にともなって肉質が硬くなるのは, コラーゲンの分子内, 分子間架橋が増加して不溶化していくためである.
(5) 誤 結合組織のコラーゲンは, 加熱するとポリペプチド鎖がほどけて水溶性のゼラチンに変わり, 冷却するとゲル化する.
4=(3)
(1) 誤 肉を長時間加水加熱すると, 肉基質たんぱく質がゼラチンとなる.
(2) 誤 食肉の炭水化物含有量は約 1% 以下であり, 主成分は, グリコーゲンである.
(3) 正 豚肉は牛肉に比べ, ビタミンB1含量が多いことが特徴である.
(4) 誤 肉中の蓄積脂質の約 90% がトリアシルグリセロールである.
(5) 誤 牛肉中や豚肉中の脂質では, オレイン酸やパルミチン酸, ステアリン酸の含量が多い.
5=(2)かつ(5)
(1) 誤 魚肉でもアクトミオシンは生成するので, 死後硬直は起こる.
(2) 正 魚の死後硬直に至る時間は獣肉に比べて著しく速く, その持続期間は短かい.
(3) 誤 魚の死後硬直期には乳酸含量が増加し, pHは 5.5 前後にまで低下する.
(4) 誤 死後硬直期の魚肉ではアクトミオシンが増加するので, かまぼこなどの練製品の原料には適する.
(5) 正 死後硬直期後の解硬期には, たんぱく質分解酵素が作用して低分子のペプチドや旨味成分が増加し, 肉は軟化する.
6=(5)
(1) 誤 魚肉は畜肉に比べ, 筋原繊維たんぱく質が多く, 肉基質たんぱく質含量が少ない.
(2) 誤 魚肉は畜肉に比べ, 肉基質たんぱく質含量が少ない.
(3) 誤 魚の体側筋の血合肉は, 普通肉に比べて脂質, ミオグロビン, チトクロム, ビタミン, ミネラルの含有量が高い.
(4) 誤 魚肉たんぱく質のアミノ酸スコアは畜肉たんぱく質のアミノ酸スコアと大差なく, ほとんどが 100 である.
(5) 正 魚肉は, 脂質を多く含む赤身魚と, 脂質の少ない白身魚に分けられる.
7=(2)
(1) 誤 赤身魚は, 白身魚よりも筋原繊維たんぱく質やミオグロビン, グリコーゲン, 脂質の含量が多い.
(2) 正 赤身魚は白身魚に比べてヒスチジンを多く含むので, アレルギーの原因になりやすい.
(3) 誤 魚類の脂質含量は魚の生育期間や部位により変動し, 産卵後よりも産卵前の方が高い.
(4) 誤 魚類の一般成分のうち, 季節変動が大きいのは水分と脂質である.
(5) 誤 一般に養殖魚に比べ, 天然魚では脂質含量が少ない.
8=(4)
(1) 誤 魚肉中の脂質の大部分はトリアシルグリセロールで, 炭素数20個以上の多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
(2) 誤 魚油は, 植物油よりもエイコサペンタエン酸の含有量が多い.
(3) 誤 魚類のエイコサペンタエン酸の含有量は, 摂取する餌によって左右される.
(4) 正 まぐろ, ぶりなどの大型魚の脂質含量は, 魚体の背部より腹部で多い.
(5) 誤 一般的に, 底生魚 (まだい, ひらめ, かれいなど) は回遊魚 (さんま, まぐろ, かつおなど) よりも脂質含量が少ない.
9=(5)
(1) 誤 さばやまぐろには, n-6 系列より n-3 系列の不飽和脂肪酸が多く含まれる.
(2) 誤 甲殻類の殻の主成分は, キチンである.
(3) 誤 タウリンは, いかやたこなどの軟体動物に多く含まれている.
(4) 誤 貝類の脂質含量は魚類に比べて少なく, また多価不飽和脂肪酸の含量も少ない.
(5) 正 魚卵は, 鶏卵に比べて n-3 系多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
10=(3)
(1) 誤 牛乳のたんぱく質含量 (3.2 g/100 g (ホルスタイン種)) は, 人乳 (1.1 g/100 g) の約3倍である.
(2) 誤 牛乳のカルシウム含量 (110 mg/100 g (ホルスタイン種)) は, 人乳 (27 mg/100 g) に比べて多い.
(3) 正 乳たんぱく質の 75~85% を占めるカゼインは, 乳汁中では安定なカゼインミセルとして存在している.
(4) 誤 牛乳のカゼインミセルは, リンたんぱく質である.
(5) 誤 乳清たんぱく質は, 加熱により凝固して薄膜を形成する.
11=(2)
(1) 正 牛乳のカゼインは, カルシウムと結合してカゼインカルシウムとなっている.
(2) 誤 乳清たんぱく質の主なものは, β-ラクトグロブリン, α-ラクトアルブミンなどである.
(3) 正 β-ラクトグロブリンは, システインを含むため加熱臭の原因となる.
(4) 正 牛乳の主な炭水化物は, ラクトースである.
(5) 正 牛乳中の脂質の大部分は, トリアシルグリセロールの脂肪球としてコロイド状に分散して存在している.
12=(3)
(1) 誤 牛乳中の飽和脂肪酸含量は, 不飽和脂肪酸より多い.
(2) 誤 牛乳の脂肪には, 短鎖脂肪酸が含まれている.
(3) 正 乳脂肪中の必須脂肪酸の含量は少ない.
(4) 誤 牛乳には, コレステロールが含まれている (12 mg/100 g).
(5) 誤 牛乳のリン脂質は不飽和脂肪酸を比較的多く含むため自動酸化を受けやすく, 酸化臭を生じる原因となる.
13=(4)
(1) 誤 牛乳の均質化処理では, 脂肪球が細分化する.
(2) 誤 牛乳の均質化処理では, クリーム層の分離が起こりにくくなる.
(3) 誤 牛乳には, ビタミンB1よりもビタミンB2が多く含まれる.
(4) 正 牛乳中のカルシウムは, 不溶性 (2/3) より可溶性 (1/3) が少ない.
(5) 誤 牛乳の無機質含量は, カルシウムよりも鉄が少ない.
14=(2)
(1) 誤 卵は産卵後, 気孔から二酸化炭素が抜け出るため, pHが上昇する.
(2) 正 鶏卵のアミノ酸スコアは 100 である.
(3) 誤 全卵のコレステロール含量 (420 mg) は, 牛肉 (脂身つき) のコレステロール含量 (64~98 mg) よりも多い.
(4) 誤 有精卵と無精卵とでコレステロール含量に差はない.
(5) 誤 一般的な鶏卵からは, エイコサペンタエン酸は検出されない.
15=(2)
(1) 誤 pHの値は, 卵黄よりも卵白の方が高い.
(2) 正 起泡性は, 卵黄よりも卵白の方が大きい.
(3) 誤 たんぱく質含量は, 卵白 (10.5%) と比べて卵黄 (16.5%) に多い.
(4) 誤 卵黄は, 卵白よりアレルギーを起こしにくい.
(5) 誤 卵の脂溶性ビタミンは卵黄に, 水溶性ビタミンは卵黄・卵白の両方に含まれている.
16=(4)
(1) 誤 ビタミンB2含量は, 卵白 (0.39 mg/100 g) と比べて卵黄 (0.52 mg/100 g) に多い.
(2) 誤 ビタミンCは, 卵黄にも卵白にも全く含まれていない.
(3) 誤 カルシウムとリン含量は, 卵白 (Ca=0.006%, P=0.011%) と比べて卵黄 (Ca=0.15%, P=0.57%) に多い.
(4) 正 水分の含量は, 卵黄よりも卵白の方が多い.
(5) 誤 卵黄のたんぱく質のうち, 含有量が最も多いのはLDL (低密度リポたんぱく質) である.
17=(2)
(1) 誤 卵黄の脂質は, トリアシルグリセロールが主成分である.
(2) 正 卵の中の脂質の大部分は卵黄中にリポたんぱく質として存在し, オレイン酸やリノール酸の含量が多い.
(3) 誤 卵黄のステロールの大部分はコレステロールで, その含量は新鮮卵中 1.2~1.5% である.
(4) 誤 鉄は, 卵黄には含まれているが卵白には含まれていない.
(5) 誤 卵の乳化力は, 主に卵黄に多く含まれるレシチンによるものである.
18=(4)
(1) 誤 卵が古くなると, 卵黄膜の強度が低下して卵黄係数が低下する.
(2) 誤 ホスビチンは, 卵黄成分である.
(3) 誤 卵白たんぱく質のなかで最も多く含まれるのは, オボアルブミンである.
(4) 正 卵白に含まれているオボアルブミンは, リン酸基と糖鎖をもつたんぱく質である.
(5) 誤 ゆで卵の卵黄の表面が暗緑色になるのは, 卵黄から遊離した鉄と含硫アミノ酸から生成した硫化水素が反応して黒変するためである.
19=(2)かつ(5)
(1) 誤 卵白のオボムコイドは熱安定性が高く, 凝固しない.
(2) 正 卵白のオボムコイドは, 卵中のアレルゲン物質である.
(3) 誤 卵白のオボムコイドは, トリプシン阻害活性を持つ.
(4) 誤 卵白に含まれるトリプシン阻害物質は, 加熱や胃液中のペプシンによって失活する.
(5) 正 卵白のオボムチンは, 泡沫安定性に寄与する.
20=(3)
(1) 誤 オボムチンは, 水様性卵白より濃厚卵白に多く含まれる.
(2) 誤 卵白のアビジンは, ビオチンと結合してその利用性を著しく妨げる.
(3) 正 卵白のリゾチームは, 優れた抗菌力を有している.
(4) 誤 リゾチームは細菌の細胞壁を分解する活性のある酵素であり, 卵の腐敗防止に役立っている.
(5) 誤 卵白には, 遊離の糖質が 0.4~0.5% 含まれる.
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次回は, 「2 食品の分類と食品の成分」 の 「D 油脂, 調味料, 香辛料, 嗜好飲料」, 「E 微生物利用食品」, 「F 食品成分表の理解」 の穴埋め問題と正文集をお送りします.
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2 食品の分類と食品の成分 C 動物性食品 20問 練習問題
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1 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) と殺直後の骨格筋は, 1~2時間後に死後硬直の過程に入る.
(2) 牛枝肉は, と殺後, 4 ℃ 24~48時間で最大硬直を示す.
(3) 豚は, と殺から3~4時間後に硬くなる.
(4) 死後硬直は, 筋肉中のADPが減少することに起こる.
(5) 死後硬直時には, 筋漿たんぱく質のアクチンとミオシンが強く結合して硬直複合体を形成している.
2 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 肉の熟成中に作用するプロテアーゼは, カテプシンである.
(2) 肉の熟成中に, アクトミオシンがトロポミオシンに分解されて軟化が始まる.
(3) と殺直後の牛枝肉を 4 ℃ においた時, 3~5日で熟成がほぼ完了する.
(4) 食肉の保水性は, 死後硬直完了時が最も良い.
(5) 肉中のATPから酵素の作用により生成した ADP, AMP, イノシン, ヒポキサンチンは, うま味を呈する.
3 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 筋原繊維たんぱく質にはミオグロビン, ヘモグロビンが含まれ, 全たんぱく質の約 30% を占める.
(2) 筋漿たんぱく質にはアクチン, ミオシンが含まれ, 筋収縮に関与する.
(3) 肉基質たんぱく質にはコラーゲン, エラスチンが含まれ, その含量が多いほど肉質は柔らかい.
(4) 家畜の加齢にともなって肉質が硬くなるのは, コラーゲンが不溶化していくためである.
(5) 結合組織のコラーゲンは, 加熱するとポリペプチド鎖がほどけて水溶性のゼラチンに変わり, 冷却すると元のコラーゲンに戻る.
4 肉類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 肉を長時間加水加熱すると, 筋原線維たんぱく質がゼラチンとなる.
(2) 食肉の炭水化物含有量は, 約 10% である.
(3) 豚肉は牛肉に比べ, ビタミンB1含量が多いことが特徴である.
(4) 肉中の蓄積脂質の約 50% がトリアシルグリセロールである.
(5) 牛肉中や豚肉中の脂質では, リノール酸やリノレン酸の含量が多い.
5 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 魚肉では, 死後硬直は起こらない.
(2) 魚の死後硬直に至る時間は獣肉に比べて著しく速く, その持続期間は短かい.
(3) 魚の死後硬直期には乳酸含量が増加し, pHは 2.5 前後にまで低下する.
(4) 死後硬直期の魚肉ではアクトミオシンが減少するので, かまぼこなどの練製品の原料には適さない.
(5) 死後硬直期後の解硬期には, たんぱく質分解酵素が作用して低分子のペプチドや旨味成分が増加し, 肉は軟化する.
6 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 魚肉は畜肉に比べ, 筋原繊維たんぱく質含量が少ない.
(2) 魚肉は畜肉に比べ, 肉基質たんぱく質含量が多い.
(3) 魚の普通肉は, 血合肉よりミオグロビン, 脂質, ビタミンなどの含量が多い.
(4) 魚肉たんぱく質の第1制限アミノ酸は, リシンである.
(5) 魚肉は, 脂質を多く含む赤身魚と, 脂質の少ない白身魚に分けられる.
7 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 赤身魚は, 白身魚よりもグリコーゲンや脂質の含量が少ない.
(2) 赤身魚は白身魚に比べてヒスチジンを多く含むので, アレルギーの原因になりやすい.
(3) 魚類の脂質含量は, 産卵前よりも産卵後の方が高い.
(4) 魚類の一般成分のうち, 季節変動が大きいのはたんぱく質である.
(5) 一般に養殖魚に比べ, 天然魚では脂質含量が多い.
8 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 魚肉中の脂質の大部分はジアシルグリセロールで, 炭素数18個以下の多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
(2) 魚油は, 植物油よりもエイコサペンタエン酸の含有量が少ない.
(3) 魚類のエイコサペンタエン酸の含有量は, 摂取する餌によって左右されない.
(4) まぐろ, ぶりなどの大型魚の脂質含量は, 魚体の背部より腹部で多い.
(5) 一般的に, 底生魚は回遊魚よりも脂質含量が多い.
9 魚介類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) さばやまぐろには, n-3 系列より n-9 系列の不飽和脂肪酸が多く含まれる.
(2) えびやかにの殻の主成分は, キトサンである.
(3) タウリンは, いかやたこなどの軟体動物には含まれていない.
(4) 貝類の脂質含量は魚類に比べて多く, また多価不飽和脂肪酸の含量も多い.
(5) 魚卵は, 鶏卵に比べて n-3 系多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
10 乳類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳のたんぱく質含量は, 人乳の約 1/2 である.
(2) 牛乳のカルシウム含量は, 人乳に比べて少ない.
(3) 乳たんぱく質の 75~85% を占めるカゼインは, 乳汁中では安定なカゼインミセルとして存在している.
(4) 牛乳のカゼインミセルは, リポたんぱく質である.
(5) カゼインミセルは, 加熱により凝固して薄膜を形成する.
11 乳類に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳のカゼインは, カルシウムと結合している.
(2) 乳清たんぱく質の主なものは, カゼイン, β-ラクトグロブリンなどである.
(3) β-ラクトグロブリンは, システインを含むため加熱臭の原因となる.
(4) 牛乳の主な炭水化物は, ラクトースである.
(5) 牛乳中の脂質の大部分は, トリアシルグリセロールの脂肪球としてコロイド状に分散して存在している.
12 乳類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳中の飽和脂肪酸含量は, 不飽和脂肪酸より少ない.
(2) 牛乳の脂肪には, 短鎖脂肪酸は含まれていない.
(3) 乳脂肪中の必須脂肪酸の含量は少ない.
(4) 牛乳には, コレステロールは含まれていない.
(5) 牛乳のリン脂質は飽和脂肪酸を比較的多く含むため自動酸化を受けやすく, 酸化臭を生じる原因となる.
13 乳類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 牛乳の均質化処理では, カゼインミセルが崩壊する.
(2) 牛乳の均質化処理では, クリーム層が分離する.
(3) 牛乳には, ビタミンB2よりもビタミンB1が多く含まれる.
(4) 牛乳中のカルシウムは, 不溶性より可溶性が少ない.
(5) 牛乳の無機質含量は, カルシウムよりも鉄が多い.
14 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵は産卵後, 気孔から二酸化炭素が抜け出るため, pHが低下する.
(2) 鶏卵のアミノ酸スコアは 100 である.
(3) 全卵のコレステロール含量は, 牛肉 (脂身つき) のコレステロール含量よりも少ない.
(4) コレステロール含量は, 無精卵と比べて有精卵のほうが少ない.
(5) 卵黄は, エイコサペンタエン酸のよい供給源である.
15 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) pHの値は, 卵白よりも卵黄の方が高い.
(2) 起泡性は, 卵黄よりも卵白の方が大きい.
(3) たんぱく質含量は, 卵黄と比べて卵白に多い.
(4) 卵黄は, 卵白よりアレルギーを起こしやすい.
(5) 卵の脂溶性ビタミンは卵黄に, 水溶性ビタミンは卵白に含まれている.
16 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ビタミンB2含量は, 卵白と比べて卵黄に少ない.
(2) ビタミンCは, 卵黄には全く含まれていないが, 卵白に含まれている.
(3) カルシウムとリン含量は, 卵白と比べて卵黄に少ない.
(4) 水分の含量は, 卵黄よりも卵白の方が多い.
(5) 卵黄のたんぱく質のうち, 含有量が最も多いのはHDL (高密度リポたんぱく質) である.
17 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵黄の脂質は, リン脂質が主成分である.
(2) 卵黄の脂質は, オレイン酸やリノール酸の含量が多い.
(3) 卵黄のコレステロール含量は, 新鮮卵中 10~15% である.
(4) 卵白の鉄含量は, 卵黄より多い.
(5) 卵の乳化力は, 主に卵白に多く含まれるレシチンによるものである.
18 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 卵が古くなると, 卵黄膜の強度が低下して卵黄係数が上昇する.
(2) ホスビチンは, 卵白成分である.
(3) オボムシンは, 卵白たんぱく質の大部分を占めるたんぱく質である.
(4) 卵白に含まれているオボアルブミンは, リン酸基と糖鎖をもつたんぱく質である.
(5) ゆで卵の卵黄の表面が暗緑色になるのは, 卵黄から遊離した鉄や銅と卵白から遊離レたリン酸が結合してリン酸鉄などを生成するためである.
19 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) オボムコイドは, ゆで加熱により凝固する.
(2) 卵白のオボムコイドは, 卵中のアレルゲン物質である.
(3) オボムコイドは, トリプシンの働きを強める.
(4) 卵白に含まれるトリプシン阻害物質は, 胃液中でも加熱によっても安定である.
(5) 卵白のオボムチンは, 泡沫安定性に寄与する.
20 卵類に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) オボムチンは, 濃厚卵白より水様性卵白に多く含まれる.
(2) 卵白のオボムコイドは, ビオチンと結合してその利用性を著しく妨げる.
(3) 卵白成分であるリゾチームは, 優れた抗菌力を有している.
(4) アビジンは細菌の細胞壁を分解する活性のある酵素であり, 卵の腐敗防止に役立っている.
(5) 卵白には, 遊離の糖質が含まれない.
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2 食品の分類と食品の成分 C 動物性食品 20問 解答と解説
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1=(2)
(1) 誤 と殺直後の骨格筋は, 直ちに死後硬直の過程に入る.
(2) 正 牛枝肉は, と殺後, 4 ℃ 24~48時間で最大硬直を示す.
(3) 誤 豚は, と殺から約12時間後に硬くなる.
(4) 誤 死後硬直は, 乳酸が蓄積することやATPが減少することに起こる.
(5) 誤 死後硬直時には, 筋原繊維たんぱく質のアクチンとミオシンが強く結合して硬直複合体を形成している.
2=(1)
(1) 正 肉の熟成中に作用するプロテアーゼは, カテプシンである.
(2) 誤 肉の熟成中に, 自己消化, アクトミオシンの脆弱化などにより軟化が始まる.
(3) 誤 死後硬直した食肉を低温で熟成させる時, 80% 程度解硬するのに牛で10日, 豚で5日, 鶏で半日かかる.
(4) 誤 食肉の保水性は, と殺直後が最も良く, 死後硬直完了時点で最低になり, その後熟成によって一部回復する.
(5) 誤 肉中のATPから酵素の作用により生成したIMP (イノシン酸) は, うま味を呈する.
3=(4)
(1) 誤 筋漿たんぱく質にはミオグロビン, ヘモグロビンが含まれ, 全たんぱく質の約 30% を占める.
(2) 誤 筋原繊維たんぱく質にはアクチン, ミオシンが含まれ, 筋収縮に関与する.
(3) 誤 肉基質たんぱく質にはコラーゲン, エラスチンが含まれ, その含量が多いほど肉質は硬い.
(4) 正 家畜の加齢にともなって肉質が硬くなるのは, コラーゲンの分子内, 分子間架橋が増加して不溶化していくためである.
(5) 誤 結合組織のコラーゲンは, 加熱するとポリペプチド鎖がほどけて水溶性のゼラチンに変わり, 冷却するとゲル化する.
4=(3)
(1) 誤 肉を長時間加水加熱すると, 肉基質たんぱく質がゼラチンとなる.
(2) 誤 食肉の炭水化物含有量は約 1% 以下であり, 主成分は, グリコーゲンである.
(3) 正 豚肉は牛肉に比べ, ビタミンB1含量が多いことが特徴である.
(4) 誤 肉中の蓄積脂質の約 90% がトリアシルグリセロールである.
(5) 誤 牛肉中や豚肉中の脂質では, オレイン酸やパルミチン酸, ステアリン酸の含量が多い.
5=(2)かつ(5)
(1) 誤 魚肉でもアクトミオシンは生成するので, 死後硬直は起こる.
(2) 正 魚の死後硬直に至る時間は獣肉に比べて著しく速く, その持続期間は短かい.
(3) 誤 魚の死後硬直期には乳酸含量が増加し, pHは 5.5 前後にまで低下する.
(4) 誤 死後硬直期の魚肉ではアクトミオシンが増加するので, かまぼこなどの練製品の原料には適する.
(5) 正 死後硬直期後の解硬期には, たんぱく質分解酵素が作用して低分子のペプチドや旨味成分が増加し, 肉は軟化する.
6=(5)
(1) 誤 魚肉は畜肉に比べ, 筋原繊維たんぱく質が多く, 肉基質たんぱく質含量が少ない.
(2) 誤 魚肉は畜肉に比べ, 肉基質たんぱく質含量が少ない.
(3) 誤 魚の体側筋の血合肉は, 普通肉に比べて脂質, ミオグロビン, チトクロム, ビタミン, ミネラルの含有量が高い.
(4) 誤 魚肉たんぱく質のアミノ酸スコアは畜肉たんぱく質のアミノ酸スコアと大差なく, ほとんどが 100 である.
(5) 正 魚肉は, 脂質を多く含む赤身魚と, 脂質の少ない白身魚に分けられる.
7=(2)
(1) 誤 赤身魚は, 白身魚よりも筋原繊維たんぱく質やミオグロビン, グリコーゲン, 脂質の含量が多い.
(2) 正 赤身魚は白身魚に比べてヒスチジンを多く含むので, アレルギーの原因になりやすい.
(3) 誤 魚類の脂質含量は魚の生育期間や部位により変動し, 産卵後よりも産卵前の方が高い.
(4) 誤 魚類の一般成分のうち, 季節変動が大きいのは水分と脂質である.
(5) 誤 一般に養殖魚に比べ, 天然魚では脂質含量が少ない.
8=(4)
(1) 誤 魚肉中の脂質の大部分はトリアシルグリセロールで, 炭素数20個以上の多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
(2) 誤 魚油は, 植物油よりもエイコサペンタエン酸の含有量が多い.
(3) 誤 魚類のエイコサペンタエン酸の含有量は, 摂取する餌によって左右される.
(4) 正 まぐろ, ぶりなどの大型魚の脂質含量は, 魚体の背部より腹部で多い.
(5) 誤 一般的に, 底生魚 (まだい, ひらめ, かれいなど) は回遊魚 (さんま, まぐろ, かつおなど) よりも脂質含量が少ない.
9=(5)
(1) 誤 さばやまぐろには, n-6 系列より n-3 系列の不飽和脂肪酸が多く含まれる.
(2) 誤 甲殻類の殻の主成分は, キチンである.
(3) 誤 タウリンは, いかやたこなどの軟体動物に多く含まれている.
(4) 誤 貝類の脂質含量は魚類に比べて少なく, また多価不飽和脂肪酸の含量も少ない.
(5) 正 魚卵は, 鶏卵に比べて n-3 系多価不飽和脂肪酸の含量が多い.
10=(3)
(1) 誤 牛乳のたんぱく質含量 (3.2 g/100 g (ホルスタイン種)) は, 人乳 (1.1 g/100 g) の約3倍である.
(2) 誤 牛乳のカルシウム含量 (110 mg/100 g (ホルスタイン種)) は, 人乳 (27 mg/100 g) に比べて多い.
(3) 正 乳たんぱく質の 75~85% を占めるカゼインは, 乳汁中では安定なカゼインミセルとして存在している.
(4) 誤 牛乳のカゼインミセルは, リンたんぱく質である.
(5) 誤 乳清たんぱく質は, 加熱により凝固して薄膜を形成する.
11=(2)
(1) 正 牛乳のカゼインは, カルシウムと結合してカゼインカルシウムとなっている.
(2) 誤 乳清たんぱく質の主なものは, β-ラクトグロブリン, α-ラクトアルブミンなどである.
(3) 正 β-ラクトグロブリンは, システインを含むため加熱臭の原因となる.
(4) 正 牛乳の主な炭水化物は, ラクトースである.
(5) 正 牛乳中の脂質の大部分は, トリアシルグリセロールの脂肪球としてコロイド状に分散して存在している.
12=(3)
(1) 誤 牛乳中の飽和脂肪酸含量は, 不飽和脂肪酸より多い.
(2) 誤 牛乳の脂肪には, 短鎖脂肪酸が含まれている.
(3) 正 乳脂肪中の必須脂肪酸の含量は少ない.
(4) 誤 牛乳には, コレステロールが含まれている (12 mg/100 g).
(5) 誤 牛乳のリン脂質は不飽和脂肪酸を比較的多く含むため自動酸化を受けやすく, 酸化臭を生じる原因となる.
13=(4)
(1) 誤 牛乳の均質化処理では, 脂肪球が細分化する.
(2) 誤 牛乳の均質化処理では, クリーム層の分離が起こりにくくなる.
(3) 誤 牛乳には, ビタミンB1よりもビタミンB2が多く含まれる.
(4) 正 牛乳中のカルシウムは, 不溶性 (2/3) より可溶性 (1/3) が少ない.
(5) 誤 牛乳の無機質含量は, カルシウムよりも鉄が少ない.
14=(2)
(1) 誤 卵は産卵後, 気孔から二酸化炭素が抜け出るため, pHが上昇する.
(2) 正 鶏卵のアミノ酸スコアは 100 である.
(3) 誤 全卵のコレステロール含量 (420 mg) は, 牛肉 (脂身つき) のコレステロール含量 (64~98 mg) よりも多い.
(4) 誤 有精卵と無精卵とでコレステロール含量に差はない.
(5) 誤 一般的な鶏卵からは, エイコサペンタエン酸は検出されない.
15=(2)
(1) 誤 pHの値は, 卵黄よりも卵白の方が高い.
(2) 正 起泡性は, 卵黄よりも卵白の方が大きい.
(3) 誤 たんぱく質含量は, 卵白 (10.5%) と比べて卵黄 (16.5%) に多い.
(4) 誤 卵黄は, 卵白よりアレルギーを起こしにくい.
(5) 誤 卵の脂溶性ビタミンは卵黄に, 水溶性ビタミンは卵黄・卵白の両方に含まれている.
16=(4)
(1) 誤 ビタミンB2含量は, 卵白 (0.39 mg/100 g) と比べて卵黄 (0.52 mg/100 g) に多い.
(2) 誤 ビタミンCは, 卵黄にも卵白にも全く含まれていない.
(3) 誤 カルシウムとリン含量は, 卵白 (Ca=0.006%, P=0.011%) と比べて卵黄 (Ca=0.15%, P=0.57%) に多い.
(4) 正 水分の含量は, 卵黄よりも卵白の方が多い.
(5) 誤 卵黄のたんぱく質のうち, 含有量が最も多いのはLDL (低密度リポたんぱく質) である.
17=(2)
(1) 誤 卵黄の脂質は, トリアシルグリセロールが主成分である.
(2) 正 卵の中の脂質の大部分は卵黄中にリポたんぱく質として存在し, オレイン酸やリノール酸の含量が多い.
(3) 誤 卵黄のステロールの大部分はコレステロールで, その含量は新鮮卵中 1.2~1.5% である.
(4) 誤 鉄は, 卵黄には含まれているが卵白には含まれていない.
(5) 誤 卵の乳化力は, 主に卵黄に多く含まれるレシチンによるものである.
18=(4)
(1) 誤 卵が古くなると, 卵黄膜の強度が低下して卵黄係数が低下する.
(2) 誤 ホスビチンは, 卵黄成分である.
(3) 誤 卵白たんぱく質のなかで最も多く含まれるのは, オボアルブミンである.
(4) 正 卵白に含まれているオボアルブミンは, リン酸基と糖鎖をもつたんぱく質である.
(5) 誤 ゆで卵の卵黄の表面が暗緑色になるのは, 卵黄から遊離した鉄と含硫アミノ酸から生成した硫化水素が反応して黒変するためである.
19=(2)かつ(5)
(1) 誤 卵白のオボムコイドは熱安定性が高く, 凝固しない.
(2) 正 卵白のオボムコイドは, 卵中のアレルゲン物質である.
(3) 誤 卵白のオボムコイドは, トリプシン阻害活性を持つ.
(4) 誤 卵白に含まれるトリプシン阻害物質は, 加熱や胃液中のペプシンによって失活する.
(5) 正 卵白のオボムチンは, 泡沫安定性に寄与する.
20=(3)
(1) 誤 オボムチンは, 水様性卵白より濃厚卵白に多く含まれる.
(2) 誤 卵白のアビジンは, ビオチンと結合してその利用性を著しく妨げる.
(3) 正 卵白のリゾチームは, 優れた抗菌力を有している.
(4) 誤 リゾチームは細菌の細胞壁を分解する活性のある酵素であり, 卵の腐敗防止に役立っている.
(5) 誤 卵白には, 遊離の糖質が 0.4~0.5% 含まれる.
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次回は, 「2 食品の分類と食品の成分」 の 「D 油脂, 調味料, 香辛料, 嗜好飲料」, 「E 微生物利用食品」, 「F 食品成分表の理解」 の穴埋め問題と正文集をお送りします.