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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

基礎栄養学 28-22

2013年07月15日 | 日記
「10 エネルギー代謝」 の練習問題と解答・解説です.

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10 エネルギー代謝 11問 問題
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1 エネルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 1 g の水 (14.5 ℃) の温度を 1 ℃ 上げるのに必要なエネルギー量は, 1 kcal である.
(2) 食物のもつ熱エネルギーは, 体内で化学エネルギーや運動エネルギーなどに変換される.
(3) ボンブ熱量計で計測したたんぱく質の物理的燃焼値に比べ, 生理的燃焼値は低値を示す.
(4) たんぱく質の生体利用エネルギー量は, ボンブ熱量計で測定した値に等しい.
(5) 糖質と脂質の生理的燃焼値は, 物理的燃焼値に等しい.

2 エネルギーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 糖質の重量あたりに発生するエネルギー量は, 脂肪より大きい.
(2) FAO/WHOは, アルコールのエネルギー換算係数を 1 g 当たり 7.1 kcal としている.
(3) 外界から取り入れた熱は, 身体活動のためのエネルギーとして利用することができる.
(4) 呼吸熱量計は, ヒトの直接的エネルギー測定法の一つである.
(5) 二重標識水法では, 呼気ガス分析によりエネルギー消費量を算出する.

3 基礎代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 基礎代謝量は, 座位で測定する.
(2) 基礎代謝の測定は, 食後に行う.
(3) 体重あたりの基礎代謝量は, 学童期に最大となる.
(4) 基礎代謝量は, 幼児期で最大となる.
(5) 基礎代謝は, 体重よりも体表面積に比例する.

4 基礎代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 基礎代謝量は, 体脂肪率に比例する.
(2) 加齢に伴う基礎代謝量の低下には, 除脂肪体重の減少が関与する.
(3) 体重当たりの基礎代謝量は, 同じ年齢の男性に比べて女性の方が高い.
(4) 個々人の基礎代謝量は, 性別, 年齢および日常の身体活動レベルが同一ならば同じ値となる.
(5) 基礎代謝量のうち, 脂肪組織で費やされるエネルギー量が最も大きい部分を占める.

5 基礎代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 基礎代謝量は, 甲状腺ホルモンの影響を受ける.
(2) 基礎代謝量は, 発熱時に低下する.
(3) 基礎代謝は, 低栄養状態で増加する.
(4) 外気温が体温より離れるほど, 基礎代謝量は亢進する.
(5) 身体活動レベルⅠでは, 基礎代謝量は全エネルギー消費量のうち約 40% を占めている.

6 安静時代謝量, 睡眠時代謝量, 活動時代謝量に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 安静時のエネルギー代謝量は, 基礎代謝量より低い.
(2) 安静時のエネルギー消費量は, 発熱により減少する.
(3) 睡眠時におけるエネルギー代謝量は, 基礎代謝量よりも 20% 程度低い.
(4) 成人の推定エネルギー必要量 (EER) は, 基礎代謝量と身体活動レベルから算定できる.
(5) 「食事摂取基準 (2010年版)」 では, 激しいトレーニングを行っている人の身体活動レベルはⅢである.

7 エネルギー消費量に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 1 メッツは, 酸素摂取量で約 1.05 mL/kg/分に相当する.
(2) メッツ (METs) は, 身体活動時の全エネルギー消費量が安静時代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
(3) 動作強度 (Af) とは, 安静時代謝量をエネルギー消費量で除したものである.
(4) 身体活動レベル (PAL) は, 1日のエネルギー消費量を1日当たりの安静時代謝量で除したものである.
(5) エネルギー代謝率 (RMR) は, 身体活動に必要なエネルギー量が安静時代謝量の何倍かを示す値である.

8 食事誘発性熱産生に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 食物摂取によりエネルギー代謝が亢進し, 体温が上昇する現象を食事誘発性産熱 (DIT) という.
(2) 食事誘発性熱産生によるエネルギー代謝量は, 総エネルギー摂取量の約 40% である.
(3) 食事誘発性熱産生 (DIT) は, たんぱく質よりも脂肪を摂取した場合が大きい.
(4) 食事誘発性熱産生で発生したエネルギーは, 運動に利用できる.
(5) 脂肪は, 単位グラム当りのエネルギー量は多いが, 食事誘発性熱産生は小さい.

9 臓器別のエネルギー代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 1日のエネルギー消費量は, 脂肪組織より骨格筋の方が大きい.
(2) 骨格筋のエネルギー代謝量は, 運動中は変化しない.
(3) 単位重量あたりのエネルギー代謝量が最も大きいのは, 脂肪組織である.
(4) 脳のエネルギー消費量は, 安静時の全エネルギー消費量の約 50% を占める.
(5) 精神労働の負荷では, エネルギー消費量は顕著に増加する.

10 呼吸商に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 呼吸商は, 酸素消費量を二酸化炭素産生量で除した値である.
(2) 脂肪の燃焼では, 消費する酸素と発生する二酸化炭素のモル数は同じである.
(3) 糖質の呼吸商は, 脂質の呼吸商より大きい.
(4) 運動時の呼吸商は常に 0.7~1.0 の間にあり, これを超えることはない.
(5) 飢餓状態の呼吸商 (RQ) は, ほぼ 1 に等しい.

11 呼吸商に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 尿中窒素量は, エネルギー代謝測定には用いられない.
(2) 非たんぱく質呼吸商は, 糖質の燃焼割合が高いほど小さくなる.
(3) 非たんぱく質呼吸商から, 糖質と脂質の燃焼比率を求めることはできない.
(4) たんぱく質の燃焼量は, 呼吸商から求めることはできない.
(5) 酸素消費量は, 運動負荷により減少する.

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10 エネルギー代謝 11問 解答と解説
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1=(3)かつ(5)
(1) 誤 1 kg の水 (14.5 ℃) の温度を 1 ℃ 上げるのに必要なエネルギー量は, 1 kcal である.
(2) 誤 食物のもつ化学エネルギーは体内で熱エネルギーや運動エネルギーなどに変換され, 体組成の合成にも利用される.
(3) 正 消化吸収率などにより, 食品の生理的燃焼値は物理的燃焼値に比べて低値を示す.
(4) 誤 栄養素の物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は,たんぱく質で最も大きい.
(5) 正 糖質と脂質の生理的燃焼値は, 物理的燃焼値に近い.

2=(2)
(1) 誤 糖質の重量あたりに発生するエネルギー量 (4 kcal/g) は, 脂肪 (9 kcal/g) より小さい.
(2) 正 FAO/WHOは, アルコールのエネルギー換算係数を 1 g 当たり 7.1 kcal としている.
(3) 誤 外界から取り入れた熱は, 身体活動のためのエネルギーとして利用することはできない.
(4) 誤 呼吸熱量計は, ヒトの間接的エネルギー測定法の一つである.
(5) 誤 ヒトの間接的エネルギー測定法の一つである二重標識水法では, 2H218Oを用いて, 体内での希釈法でエネルギー消費量を測定する.

3=(5)
(1) 誤 基礎代謝量は, 早朝空腹時に, 仰臥安静・覚醒状態で, 快適な室温で測定したものである.
(2) 誤 基礎代謝量は, 早朝空腹時に, 仰臥安静・覚醒状態で, 快適な室温で測定したものである.
(3) 誤 基礎代謝基準値 (体重あたりの基礎代謝量) は, 1~2歳で最大となり, 加齢により低下する.
(4) 誤 個体当りの基礎代謝量は, 男性は16-17歳で, 女性は13-14歳で最大となる.
(5) 正 基礎代謝は, 体重よりも体表面積に比例する.

4=(2)
(1) 誤 基礎代謝量は, 除脂肪体重に比例して高くなる.
(2) 正 加齢に伴う基礎代謝量の低下には, 除脂肪体重の減少が関与する.
(3) 誤 女性は一般に体格が小さく, 体脂肪率が高いため, 基礎代謝量は男性よりも少ない.
(4) 誤 個々人の基礎代謝量は, 性別, 年齢および日常の身体活動レベルが同一でも体組成が異なると異なる値となる.
(5) 誤 基礎代謝量のうち, 骨格筋で費やされるエネルギー量が最も大きい部分を占める.

5=(1)
(1) 正 甲状腺ホルモンは, 基礎代謝量を増加させる.
(2) 誤 基礎代謝量は, 発熱時に増加する (13%/℃).
(3) 誤 基礎代謝は, 低栄養状態で低下する.
(4) 誤 外気温の低下で基礎代謝量が増加し, 外気温の上昇で基礎代謝量が減少する.
(5) 誤 身体活動レベルⅠでは, 基礎代謝量は全エネルギー消費量のうち約 67% を占めている.

6=(4)
(1) 誤 安静時のエネルギー消費量は, 基礎代謝よりも約 20% 高い.
(2) 誤 安静時のエネルギー消費量は, 発熱により増加する.
(3) 誤 睡眠時のエネルギ一代謝量は, 基礎代謝量と等しい.
(4) 正 成人の推定エネルギー必要量 (EER) は, 基礎代謝量と身体活動レベルから算定できる.
(5) 誤 「食事摂取基準 (2010年版)」 では, 激しいトレーニングを行っている人等を除外して身体活動Ⅲを定めた.

7=(2)
(1) 誤 1 メッツは, 酸素摂取量で約 3.5 mL/kg/分に相当する.
(2) 正 メッツ (METs) は, 身体活動時の全エネルギー消費量が安静時代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
(3) 誤 動作強度 (Af) は, 各種動作のエネルギー消費量が基礎代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
(4) 誤 身体活動レベル (PAL) は, 1日のエネルギー消費量が1日当たりの基礎代謝量の何倍にあたるかを示したものである.
(5) 誤 エネルギー代謝率 (RMR) は, ある身体活動に必要なエネルギー量が基礎代謝量の何倍にあたるかを示したものである.

8=(1)かつ(5)
(1) 正 食物摂取によりエネルギー代謝が亢進し, 体温が上昇する現象を食事誘発性産熱 (DIT) という.
(2) 誤 食事誘発性熱産生によるエネルギー代謝量は, 総エネルギー摂取量の約 10% である.
(3) 誤 食事誘発性熱産生 (DIT) は, たんぱく質を摂取した場合が最も大きい.
(4) 誤 食物摂取により発生した熱エネルギーは, 運動に利用できない.
(5) 正 脂肪は, 単位グラム当りのエネルギー量は多いが, 食事誘発性熱産生は小さい.

9=(1)
(1) 正 安静状態における単位重量当たりのエネルギー消費量は, 心臓>骨格筋>脂肪組織である.
(2) 誤 骨格筋のエネルギー代謝量は, 運動中は著しく増加する.
(3) 誤 単位重量あたりのエネルギー代謝量が最も小さいのは, 脂肪組織である.
(4) 誤 脳のエネルギー消費量は安静時の全エネルギー消費量の約 15~20% を占める.
(5) 誤 精神労働 (頭脳労働) の負荷では, エネルギー消費量は微増するのみである.

10=(3)
(1) 誤 消費した酸素量と排泄された二酸化炭素量の容積比 (CO2/O2) を, 呼吸商 (RQ) という.
(2) 誤 糖質が燃焼した時の呼吸商は約 1.0, たんぱく質が燃焼した時の呼吸商は約 0.8, 脂肪が燃焼した時の呼吸商は約 0.7 である.
(3) 正 糖質が燃焼した時の呼吸商は約 1.0, たんぱく質が燃焼した時の呼吸商は約 0.8, 脂肪が燃焼した時の呼吸商は約 0.7 である.
(4) 誤 運動時の呼吸商は 0.7~1.0 であるが, これを超える場合もある (酸素負債).
(5) 誤 絶食や飢餓状態の呼吸商 (RQ) は, 約 0.7 である.

11=(4)
(1) 誤 エネルギー代謝量は, 酸素消費量, 二酸化炭素排出量, 尿中窒素排泄量から計算できる.
(2) 誤 非たんぱく質呼吸商は, 糖質の燃焼割合が高いほど大きくなる.
(3) 誤 非たんぱく質呼吸商から, 糖質と脂質の燃焼比率を求めることができる.
(4) 正 たんぱく質の燃焼量は, 呼吸商から求めることはできない.
(5) 誤 酸素消費量は, 運動負荷により増加する.

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今回をもって, 「基礎栄養学」 の穴埋め問題・正文集・練習問題・解答と解説をすべて終了とします.

次回からは, 新シリーズ 「食べ物と健康」 の正文集と問題演習をお送りします.

次回は, 「1 人間と食品 (食べ物)」 および 「2 食品の分類と食品の成分」 の 「B 植物性食品」 の穴埋め問題と正文集です.
※ 「2 食品の分類と食品の成分」 の 「A 分類の種類」 に該当すると思われる選択肢は, これまで出題されていません.

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