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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

基礎栄養学 27-38

2013年02月22日 | 日記
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基礎栄養学 実戦問題2 問題
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1 栄養学の歴史に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) ラボアジェは, 呼吸が燃焼と同じ現象であることを見出した.
(2) ローズは, 必須脂肪酸を実験的に証明した.
(3) 高木兼寛は航海中の食事改善で脚気を激減させ, チアミン発見の糸口をつけた.
(4) 鈴木梅太郎はカルシウム投与がテタニーを改善することを発見し, その必須性を明らかにした.
(5) 高木兼寛は, インスリンの抽出と結晶化に貢献した.

2 日内リズムと栄養補給に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) サーカディアンリズムは, 約1か月周期で繰り返されるリズムである.
(2) 体温は, 一般に午後1~2時に最も高くなる.
(3) 夜行性動物は, 昼間に酸素消費量が増加する.
(4) 食事の回数は, 消化酵素のサーカディアンリズムの形成に影響をもたらす.
(5) 時差ボケは, セロトニンの分泌異常によるものである.

3 消化管の外分泌に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) アセチルコリンは, ペプシノーゲンの分泌を抑制する.
(2) 胃液は, ガストリン受容体を介して分泌される.
(3) 塩酸は, 副細胞から分泌される.
(4) 粘液は, 胃腺の主細胞から分泌される.
(5) 膵液の分泌は, 摂食によって亢進する.

4 脳相・胃相・腸相に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 食物を見ただけでは, 消化液の分泌は起こらない.
(2) 味覚の刺激による胃液の分泌を, 脳相という.
(3) 食物が胃に入ることによって胃液分泌が亢進することを, 胃相という.
(4) 胃相による胃液分泌量は, 1日に分泌される胃液分泌量の数%程度である.
(5) 胃内容物が十二指腸に達することによってガストリンが分泌されることを, 腸相という.

5 膜消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ガラクトースは, スクラーゼによる加水分解反応の生成物である.
(2) アミノペプチダーゼは, ペプチド鎖のC末端から順次アミノ酸を遊離させる.
(3) エンテロキナーゼは, エキソ型酵素である.
(4) 単純拡散は, エネルギーを消費する膜輸送形態である.
(5) 水の吸収は, グルコースを一緒に摂取することにより促進される.

6 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 摂取する糖質の中で量的に最も多いのは, 多糖類のでんぷんである.
(2) トリアシルグリセロールは, グリセロールと脂肪酸に分解されて吸収される.
(3) ビタミンB12の吸収は, 胃液の分泌とは無関係である.
(4) カルシウムの吸収率は, エストロゲンによって低下する.
(5) 腸管から吸収されたジペプチドは, キロミクロンを形成してリンパ管へ運ばれる.

7 ある食品中のたんぱく質の生物価を求めるために, 無たんぱく質食で一定期間飼育したラットに被検食品を与えたところ, 次の結果を得た. 被検食品の生物価として最もふさわしい値はどれか. 1つ選べ.
生物価=(体内保留窒素量/吸収窒素量)×100
被検食品を介した摂取窒素量=400 mg
被検食品摂取時の糞中窒素量=110 mg
無たんぱく質食摂取時の糞中窒素量=10 mg
被検食品摂取時の尿中窒素量=35 mg
無たんぱく質食摂取時の尿中窒素量=5 mg
(1) 0.9 (2) 10 (3) 30 (4) 60 (5) 90

8 たんぱく質の代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 食後, 筋肉ではたんぱく質の分解が促進される.
(2) 筋肉たんぱく質の分解産物である 3-メチルヒスチジンは, 便中に排泄される.
(3) 骨格筋のたんぱく質の平均半減期は, 血清アルブミンの半減期よりも短い.
(4) 血清アルブミンの半減期は, ヘモグロビンの半減期よりも長い.
(5) たんぱく質の代謝回転は, 骨格筋よりも消化管の方が速い.

9 糖質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 脳には, クエン酸回路は存在しない.
(2) 飢餓時には, 脳内で糖新生が活発に進行する.
(3) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脳ではエネルギー源としてグルコースの利用が増大する.
(4) 骨格筋は, グルコース以外に脂肪酸やケトン体からもエネルギーを得ることができる.
(5) 貯蔵グリコーゲン総量は肝臓で高いが, 濃度としては, 筋肉組織で多い.

10 リポたんぱく質に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) VLDLは食事由来の脂肪を運搬するリポたんぱく質であり, 食後に増加する.
(2) 肝臓で合成されたトリアシルグリセロールは, VLDLにより運搬される.
(3) VLDLのトリアシルグリセロールは, そのままの形で脂肪細胞に取り込まれる.
(4) LDLは, トリアシルグリセロールを含有していない.
(5) 食事由来の短鎖脂肪酸は, キロミクロンに取り込まれて輸送される.

11 ビタミンAに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 可視光線は, オプシンの一次構造を変化させる.
(2) ビタミンAの欠乏によって, 感染に対する抵抗力が低下する.
(3) ビタミンAが欠乏すると, 頭蓋内圧が亢進する.
(4) リコペンはプロビタミンA活性を持つ.
(5) β-カロテンの欠乏は, 溶血性貧血を引き起こす.

12 補酵素に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ビタミンB1の補酵素型は, 脱炭酸反応に関与する.
(2) FADは, メチル基転移反応に関与する楠酵素である.
(3) ビタミンCは, 生体内ではメチルコバラミンとして作用する.
(4) ナイアシンの補酵素型であるNADH+H+は, 脂肪酸やコレステロールの生合成などで水素供与体として作用する.
(5) テトラヒドロ葉酸は, アシル基転移反応に関与する補酵素である.

13 鉄に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 体内総鉄量の半分は, 貯蔵鉄として存在する.
(2) ミオグロビンは, 鉄 (Fe3+) を含むたんぱく質である.
(3) 貯蔵鉄は, トランスフェリンと結合して存在する.
(4) 鉄欠乏の中期では, 血清鉄飽和度が低下した後に非貯蔵性組織鉄が減少する.
(5) 血液中の鉄が少なくなると, 肝臓, 脾臓, 骨髄中の貯蔵鉄が動員される.

14 エネルギー代謝量に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 安静時においてもエネルギー代謝は亢進し, その代謝量は基礎代謝量の約 140% になる.
(2) 安静時のエネルギー消費量は, 発熱により減少する.
(3) 睡眠時ではエネルギー代謝は低下し, その代謝量は基礎代謝量と同じになる.
(4) 成人の推定エネルギー必要量 (EER) は, 基礎代謝量と身体活動レベルから算定できる.
(5) 「食事摂取基準 (2010年版)」 では, 激しいトレーニングを行っている人の身体活動レベルを3とした.
※アラビア数字で表記
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基礎栄養学 実戦問題2 解答と解説
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1=(1)かつ(3)
(1) 正 ラボアジェは, 呼吸が燃焼と同じ現象であることを見出した.
(2) 誤 ローズは必須アミノ酸を実験的に証明し, 8種類のアミノ酸の必要量を決定した.
(3) 正 高木兼寛は航海中の食事改善で脚気を激減させ, ビタミンB1発見の糸口をつけた.
(4) 誤 鈴木梅太郎は, 米ぬかから抗脚気成分を抽出し, オリザニンと名づけた.
(5) 誤 高峯譲吉は, アドレナリンの抽出と結晶化や, タカジアスターゼの抽出に貢献した.

2=(4)
(1) 誤 サーカディアンリズムは, 約1日周期で繰り返されるリズムである.
(2) 誤 体温は, 一般に午後4~6時に最も高くなる.
(3) 誤 夜行性動物は, 夜間に酸素消費量が増加する.
(4) 正 食事の回数は, 消化酵素のサーカディアンリズムの形成に影響をもたらす.
(5) 誤 時差ボケは時差によるものであり, その地域の時刻に合わせた規則正しい食事によって回復が早められる.

3=(2)かつ(5)
(1) 誤 アセチルコリンは, ペプシノーゲンの分泌を促進する.
(2) 正 胃液は, ガストリン受容体, ヒスタミンH2受容体, アセチルコリンM3受容体を介して分泌される.
(3) 誤 塩酸は, 壁細胞から分泌される.
(4) 誤 胃の副細胞から, 粘液 (ムチン) が分泌される.
(5) 正 膵液の分泌は, 摂食によって亢進する.

4=(2)かつ(3)
(1) 誤 食物を見たり香りをかいだりすると胃酸分泌が亢進することを, 頭相 (脳相) という.
(2) 正 五感の刺激により, 迷走神経を介して胃酸分泌が亢進することを, 頭相 (脳相) という.
(3) 正 食物が胃に入ることによって胃壁の伸展などによりガストリン分泌が亢進し, 胃液分泌が亢進することを, 胃相という.
(4) 誤 胃相による胃液分泌量は, 1日に分泌される胃液分泌量の大半を占める.
(5) 誤 胃内で生じた酸性粥が十二指腸に達し, 十二指腸壁が刺激されてコレシストキニンとセクレチンが分泌されることを, 腸相という.

5=(5)
(1) 誤 スクラーゼは, スクロース (ショ糖) をグルコースとフルクトース に分解する.
(2) 誤 アミノペプチダーゼは, ペプチド鎖のN末端から順次アミノ酸を遊離させる.
(3) 誤 エンテロキナーゼは, エンド型酵素である.
(4) 誤 単純拡散は, エネルギーを消費しない膜輸送形態である.
(5) 正 水の吸収は, グルコースを一緒に摂取することにより促進される.

6=(1)
(1) 正 摂取する糖質の中で量的に最も多いのは, 多糖類のでんぷんである.
(2) 誤 トリアシルグリセロールは, 2-モノアシルグリセロールと脂肪酸に分解されて吸収される.
(3) 誤 胃液には内因子が含まれているので, 胃液の分泌はビタミンB12の吸収に必要である.
(4) 誤 カルシウムの吸収率は, エストロゲンによって上昇する.
(5) 誤 腸管から吸収されたジペプチドは, 門脈へ運ばれる.

7=(5)
吸収窒素量は摂取窒素量から糞中窒素量を差し引いた値であり, 糞中窒素量は被検食品摂取時の糞中窒素量から無たんぱく質食摂取時の糞中窒素量を差し引いた値である.
したがって, 吸収窒素量は, 400 mg - (110 mg -10 mg) =300 mg.
体内保留窒素量は, 吸収窒素量から尿中窒素量を差し引いた値であり, 尿中窒素量は被検食品摂取時の尿中窒素量から無たんぱく質食摂取時の尿中窒素量を差し引いた値である.
したがって, 体内保留窒素量は, 300 mg- (35 mg -5 mg) =270 mg.
以上より, 生物価は, (270 mg/300 mg) × 100 = 90 となる.

8=(5)
(1) 誤 食後, 筋肉では, インスリンにより, たんぱく質合成が促進される.
(2) 誤 筋肉たんぱく質の分解産物である 3-メチルヒスチジンは, 尿中に排泄される.
(3) 誤 骨格筋のたんぱく質の平均半減期 (約180日) は, 肝臓で合成されるアルブミンの半減期 (21日) よりも長い.
(4) 誤 血清アルブミンの半減期 (21日) は, ヘモグロビンの半減期 (約30日) よりも短い.
(5) 正 たんぱく質の代謝回転は, 骨格筋よりも消化管の方が速い.

9=(4)
(1) 誤 脳にも, クエン酸回路が存在する.
(2) 誤 飢餓時には, 肝臓で糖新生が活発に進行する.
(3) 誤 糖質を多く含む食事を摂取した後でも, 脳ではエネルギー源としてのグルコースの利用は変化しない.
(4) 正 骨格筋は, グルコース以外に脂肪酸やケトン体からもエネルギーを得ることができる.
(5) 誤 貯蔵グリコーゲン濃度は肝臓で高いが, 総量としては, 筋肉組織で多い.

10=(2)
(1) 誤 キロミクロンは食事由来の脂肪を運搬するリポたんぱく質であり, 食後に増加する.
(2) 正 VLDLは肝臓で合成された脂質を運搬するリポたんぱく質で, トリアシルグリセロールを多く含む.
(3) 誤 キロミクロンやVLDLのトリアシルグリセロールは, リポたんぱく質リパーゼによって分解される.
(4) 誤 LDLは, トリアシルグリセロールを含有している.
(5) 誤 食事由来の短鎖, 中鎖脂肪酸は, 吸収後, 直接門脈血中に移行して肝臓に輸送される.

11=(2)
(1) 誤 可視光線は, レチナールの構造異性化を介してオプシンの高次構造を変化させる.
(2) 正 ビタミンAの欠乏によって, 夜盲症やドライアイ, 感染に対する抵抗力の低下などが起こってくる.
(3) 誤 ビタミンAを過剰摂取すると肝臓に蓄積し, 過剰症 (頭蓋内圧亢進など) を引き起こす.
(4) 誤 リコペンは, プロビタミンA活性を持たない.
(5) 誤 β-カロテンの欠乏は, 夜盲症や角膜乾燥症など (ビタミンA欠乏の症状) を引き起こす.

12=(1)
(1) 正 ビタミンB1の補酵素型であるチアミン二リン酸 (TDP) は, 脱炭酸反応に関与する.
(2) 誤 ビタミンB2の補酵素型であるFMNやFADは, 酸化還元反応に関与する.
(3) 誤 ビタミンB12は, 生体内ではメチルコバラミンやアデノシルコバラミンとして作用する.
(4) 誤 ナイアシンの補酵素型であるNADPH+H+は, 脂肪酸やコレステロールの生合成などで水素供与体として作用する.
(5) 誤 葉酸の補酵素型であるテトラヒドロ葉酸は, メチル基やメチレン基など活性C1単位の移動に関与する.

13=(5)
(1) 誤 体内の鉄の 2/3 が機能鉄 (ほとんどがヘモグロビン) で, 1/3 が貯蔵鉄 (フェリチンやヘモジデリンなど) である.
(2) 誤 ヘモグロビン, ミオグロビンなどは, ヘム鉄 (Fe2+) を含む.
(3) 誤 鉄 (非ヘム鉄, Fe3+) は, アポフェリチンと結合したフェリチンのかたちで肝臓や骨髄に貯蔵される.
(4) 誤 鉄欠乏の中期では, 血中ヘモグロビン値が低下する前に血清鉄飽和度が低下する.
(5) 正 血液中の鉄が少なくなると, 肝臓, 脾臓, 骨髄中の貯蔵鉄が動員される.

14=(3)かつ(4)
(1) 誤 安静時のエネルギー消費量は, 基礎代謝よりも約 20% 高い.
(2) 誤 安静時のエネルギー消費量は, 発熱により増加する.
(3) 正 睡眠時のエネルギ一代謝量は, 基礎代謝量と等しい.
(4) 正 成人の推定エネルギー必要量 (EER) は, 基礎代謝量と身体活動レベルから算定できる.
(5) 誤 食事摂取基準では, 激しいトレーニングを行っている人等を除外して身体活動3を定めた.
※アラビア数字で表記
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次回は, 基礎栄養学 実戦問題3です.

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