食べ物と健康 実戦問題2の解答と解説です.
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2013年度 食べ物と健康 実戦問題 2 解答と解説
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1=(3)
(1) 誤 精白米は水分を除くと炭水化物が非常に多く, たんぱく質がこれに次ぎ, 脂質はごくわずかである.
(2) 誤 もち米はアミロペクチン 100%, うるち米はアミロペクチン約 80% とアミロース約 20% である.
(3) 正 陸稲 (精白米) 100 g 当たりのたんぱく質含量 (9.2 g) は, 水稲 (精白米) 100 g 当たりのたんぱく質含量 (6.1 g) よりも多い.
(4) 誤 精白米 100 g 当たりのたんぱく質含量 (6.8%) は, 小麦粉 (強力粉) 100 g 当たりのたんぱく質含量 (11.7%) よりも少ない.
(5) 誤 精白米のアミノ酸価 (65) は, そば粉 (全層粉) のアミノ酸価 (92) よりも低い.
2=(3)かつ(5)
(1) 誤 果物に含まれる主要な有機酸は, クエン酸, リンゴ酸, 酒石酸などである.
(2) 誤 りんごやなしのビタミンC含量 (数%) は, 柑橘類のビタミンC含量 (数十%) に比べて低い.
(3) 正 りんごは仁果であり, ぶどうは漿果であり, うめは核果である.
(4) 誤 キウイフルーツのアクチニジン, パイナップルのブロメリン, パパイヤのパパインは, いずれもたんぱく質分解酵素である.
(5) 正 日本なしの特有な食感は, 石細胞による.
3=(3)
(1) 誤 牛乳中の飽和脂肪酸含量は, 不飽和脂肪酸より多い.
(2) 誤 牛乳の脂肪には, 短鎖脂肪酸が含まれている.
(3) 正 乳脂肪中の必須脂肪酸の含量は少ない.
(4) 誤 牛乳には, コレステロールが含まれている (12 mg/100 g).
(5) 誤 牛乳のリン脂質は不飽和脂肪酸を比較的多く含むため自動酸化を受けやすく, 酸化臭を生じる原因となる.
4=(2)
(1) 誤 からしは, からし菜の種子を乾燥し粉末にしたものである.
(2) 正 からしの辛味成分は, ミロシナーゼによって生成する.
(3) 誤 黒からしやわさびの辛味成分は, シニグリンから生成するアリルイソチオシアネートである.
(4) 誤 白からしの辛味成分は, シナルビンから生成するヒドロキシアリルイソチオシアネートである.
(5) 誤 白こしょうは, 完熟したこしょうの実を調製したものである.
5=(2)
(1) 誤 でんぷん, ショ糖, ラクトースはエネルギー源として重要であるが, 食物繊維であるセルロースは, エネルギー源としては重要ではない.
(2) 正 ペントースは, 多糖類などの構成成分として含まれることはあっても, 天然に単独で存在することはほとんどない.
(3) 誤 グルコースの甘味度は, スクロースの 0.6~0.7 程度である.
(4) 誤 α-D-グルコピラノースを水に溶かした溶液の旋光度は, 時間と共に変化する.
(5) 誤 糖アルコールは, アミノ・カルボニル反応を起こしにくい.
6=(2)
(1) 誤 ビタミンA (レチノール) は, 反応性に富む共役二重結合により光と酸素に弱く, 空気中では酸化されやすい.
(2) 正 ビタミンAは一般に筋肉には含まれていないが, うなぎ・あなごなどでは筋肉にも多く含まれている.
(3) 誤 肉類でビタミンA (レチノール) 含量 (100 g 当たり) の多い部位は, 肝臓である.
(4) 誤 カロテノイドは, 体内に吸収されてビタミンAとしての効力を示す.
(5) 誤 カロテノイドのうち, β-カロテンはビタミンAとしての効力が最も大きい.
7=(3)
(1) 誤 メトミオグロビンのヘム鉄は, 3価である.
(2) 誤 食肉を加熱した場合にみられる褐変は, メトミオグロビンがさらにメトミオクロモーゲンに変化することによるものである.
(3) 正 食肉に硝酸塩や亜硝酸塩を加えてミオグロビンをニトロソミオグロビンにすると, 加熱しても色調が変化しない.
(4) 誤 ニトロソミオグロビンは, 肉の脂質の酸化には影響しない.
(5) 誤 ニトロソミオグロビンに含まれる鉄は, 2価である.
8=(1)
(1) 正 カラギーナンは, 熱可逆性のゲルを形成する.
(2) 誤 乳化作用をもつ物質の分子構造は, 親水性基と共に疎水性基を併わせ持っている.
(3) 誤 エマルションは, コロイド粒子の径が小さいほど安定化する.
(4) 誤 マヨネーズの粘度は, コロイドの平均粒子径が大きいほど低い.
(5) 誤 バターやマーガリンは, 油中に水が分散した油中水滴型 (W/O型) エマルションである.
9=(2)かつ(5)
(1) 誤 一定温度で元の微生物数を 1/10 に減少させるのに要する加熱時間をD値という.
(2) 正 缶詰食品が腐敗しないのは, 加熱による殺菌と酵素の失活によるものである.
(3) 誤 食品の乾燥によって保蔵性が増すのは, 自由水を奪うことによる.
(4) 誤 ソーセージなどの加熱食肉製品については, 食品衛生法で 「製品の中心部の温度を 63 ℃, 30分以上加熱する方法, またはこれと同等以上の効力を有する方法で加熱殺菌すること」 と定められている.
(5) 正 サラミソーセージのような乾燥食肉製品, 生ハムのような非加熱食肉製品, ローストビーフのような特定加熱食肉製品は, 食品衛生法では 「製品の中心部の温度を 63 ℃, 30分以上加熱する方法, またはこれと同等以上の効力を有する方法で加熱殺菌すること」 とは定められていない.
10=(3)
(1) 誤 揮発性塩基窒素量は, サメやエイなど以外のたんぱく質食品 (魚介類, 肉類等) の鮮度指標に用いる.
(2) 誤 生鮮食品の一般生菌数 (細菌数) は, 衛生指標となる.
(3) 正 初期腐敗とみなすのは, 食品 1 g 中の生菌数が10^7~10^8個に達したときである.
(4) 誤 一般細菌数 (生菌数) は, 好気的条件で増殖する中温細菌数を計測して求める.
(5) 誤 大腸菌群は, 加熱不十分や調理後の不適切な取り扱いなどによる汚染の指標菌として使用できる.
11=(1)
(1) 正 腸炎ビブリオの原因細菌が産生する毒素には, 耐熱性溶血毒がある.
(2) 誤 ウェルシュ菌による食中毒は, 食肉, 魚介類の調理品が原因食品となる.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌の毒素 (エンテロトキシン) は, 100 ℃ 30 分の加熱では分解されない.
(4) 誤 ボツリヌス菌は, 嫌気性菌 (偏性嫌気性のグラム陽性桿菌) である.
(5) 誤 腸管出血性大腸菌O-157による感染では, 1996年には全国で10名以上の死者がでている.
12=(5)
(1) 誤 冷凍処理 (-20 ℃ 以下) は, アニサキスに対し有効である.
(2) 誤 アニサキスは, 魚介類 (さば, にしん, たら, するめいかなど) を介する.
(3) 誤 アニサキスは, 海獣類から排出された虫卵が幼虫に発育する.
(4) 誤 有線顎口虫は, 第2中間宿主のうち淡水魚が人へのおもな感染源となるので, 野菜は関連食品とはならない.
(5) 正 肝吸虫は, 淡水魚から感染する.
13=(3)
(1) 誤 食品添加物は, 食品衛生法に基づいている.
(2) 誤 生鮮食品であっても, 用いられた食品添加物は表示しなければならない.
(3) 正 食品添加物は, 食品衛生法において, 指定添加物, 既存添加物, 天然香料, 一般飲食物添加物の4種類に分類される.
(4) 誤 指定添加物は, 厚生労働大臣が指定する.
(5) 誤 指定添加物の多くのものについては, 対象食品および使用量の制限が定められている.
14=(4)
(1) 正 JASマークのついた食品には, 品質基準が定められている.
(2) 正 JASマークのついた食品は, JAS指定機関により抜き取り検査されている.
(3) 正 JASマークのついていない食品も流通している.
(4) 誤 JASマークをつけることができる食品は, 輸入品にも適用されている.
(5) 正 JASマークのついた食品, 品名, 原材料名, 内容量等の表示が義務づけられている.
15=(1)
(1) 正 1日当たりの摂取目安量は, 栄養機能食品の表示項目に含まれる.
(2) 誤 バランスの取れた食生活普及啓発を図る文言は, 栄養機能食品の表示として義務づけられている.
(3) 誤 消費者庁の許可を示す証票は, 栄養機能食品の表示項目には含まれていない.
(4) 誤 栄養機能食品として販売するとき, 規格基準を満たしていれば国への届け出を必要としない.
(5) 誤 栄養機能食品は, 形状に特に指定はない.
16=(4)
(1) 誤 凝固剤として 「すまし粉」 のかわりに 「グルコノ-δ-ラクトン」 を用いると, カルシウム含量の低い豆腐ができる.
(2) 誤 大豆たんぱく質のグリシニンはカルシウムなどの金属塩によって凝固する性質があり, これを利用して豆腐が作られる.
(3) 誤 豆乳から豆腐への凝固は, 酸変性によるものである.
(4) 正 木綿豆腐と絹ごし豆腐の主な違いは, 用いる豆乳の濃度と固め方の違いである.
(5) 誤 大豆たんぱく質を凝固させるのにCa2+やMg2+を加えるのは, それぞれのポリペプチド鎖のカルボキシ基どうしを結びつけるためである.
17=(5)
(1) 誤 飲用乳には牛乳, 部分脱脂乳などがあり, 無脂乳固形分はいずれも 8% 以上である.
(2) 誤 加工乳と乳飲料には, 乳脂肪分と比重についての規制がない.
(3) 誤 乳飲料には, ビタミンDが添加されている.
(4) 誤 コーヒー牛乳は, 「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」 では乳飲料に分類される.
(5) 正 ロングライフミルク (LL牛乳) は, 室温で2~3カ月保存できる牛乳である.
18=(4)かつ(5)
(1) 誤 発酵パンの多くは, 小麦粉に水と酵母を加え, 砂糖などの副原料を加えてこねた生地を発酵させて膨化させ, 焼成してつくられる.
(2) 誤 漬け物の製造では, 主として乳酸菌が酸を生成し, 腐敗菌の増殖を抑制する.
(3) 誤 粕漬けと総称されるものは, 酒粕に漬けたものである.
(4) 正 味噌製造に用いられる麹はカビが中心であるが, 熟成中には酵母や乳酸菌も関与する.
(5) 正 米みそは大豆と米麹と食塩を用いて作り, 食塩濃度は一般的に約 12% である.
19=(4)
(1) 誤 茶葉のカテキン類がポリフェノールオキシダーゼによって酸化されると, 紅茶色素テアフラビンになる.
(2) 誤 さつまいもやごぼうの切口が褐変するのは, ポリフェノールオキシダーゼによる酵素的褐変反応による.
(3) 誤 ジャガイモを切ると, 中のチロシンがチロシナーゼの作用で酸化され, 褐色のメラニンを生成する.
(4) 正 冷凍エビの黒変は, 殻中のチロシンがチロシナーゼにより酸化されてメラニン色素を生成するためである.
(5) 誤 皮をむいたリンゴやジャガイモが褐変するのは, クロロゲン酸やチロシンがそれぞれポリフェノールオキシダーゼやチロシナーゼによって酸化されるためである.
20=(4)
(1) 誤 ポリエチレンテレフタレートは, 熱可塑性樹脂である.
(2) 誤 フェノール樹脂は, 熱硬化性樹脂である.
(3) 誤 ビスフェノールAとホスゲンは, ポリカーボネートの原材料である.
(4) 正 ラミネートフィルムは, 各種のプラスチックやアルミ箔などを貼り合わせ, それぞれの欠点を補ったフィルムである.
(5) 誤 レトルト食品の包材には, ラミネートフィルムが使われる.
21=(1)
(1) 正 伝導熱は, 焼く, 炒める, 煎る調理で利用されている.
(2) 誤 対流伝熱, 伝導伝熱, 放射伝熱は, スチームコンベクションオーブン調理で利用されている.
(3) 誤 自然対流式オーブンでは, 放射による伝熱の割合が多い.
(4) 誤 ガスコンロは, 対流伝熱や伝導伝熱加熱に適している.
(5) 誤 アルミ鍋は, ステンレス鍋よりも熱伝導率が高い.
22=(1)
(1) 正 あんかけのとろみには, コーンスターチが適する.
(2) 誤 いかを開いて加熱すると, 表皮側に収縮する.
(3) 誤 あらいでは, 魚肉を氷水中で洗うことにより肉が収縮し, 弾力が増す.
(4) 誤 濃厚卵白は, 水様卵白に比べて泡立ちにくい.
(5) 誤 卵黄の完全凝固温度 (約 70 ℃) は, 卵白の完全凝固温度 (約 80 ℃) より低い.
23=(1)かつ(3)
(1) 正 肉をしょうが汁に浸漬すると, プロテアーゼの作用により軟化する.
(2) 誤 たけのこをゆでる場合, あくを除くために米ぬかを加える.
(3) 正 牛乳を加えた卵液の加熱ゲルは, だし汁を加えたものより硬い.
(4) 誤 紅茶にミルクを加えると, 紅茶のタンニンとミルクのたんぱく質が結合して渋味が弱まる.
(5) 誤 オレンジ果汁添加では, ゲル化阻害は起こらない.
24=(3)
(1) 誤 魚肉に 1~2% の食塩を加えて混ぜ合わせると, ねばりが出る.
(2) 誤 魚肉にレモンや酢を加えると, アミン類が酸と結合して魚臭が失われる.
(3) 正 魚介類は加熱によりたんぱく質の凝固と同時に脱水が起こり, 小魚, 切身は 20~25%, いか, たこは 30~40% 脱水する.
(4) 誤 塩じめした魚は, 肉中の水分, エキス分が除去されて固くなり, 再び水で塩抜きしても肉質はもとに戻らない.
(5) 誤 いか肉に布目の切り込みを入れると, 調味料の浸透が速くなる.
25=(2)
(1) 正 日本人の日常献立には, 和・洋・中の調理技術が取り込まれている.
(2) 誤 治療の目的で作る特別食では, 喫食者の嗜好をできるだけ反映できるように努力し提供する.
(3) 正 日本人の食生活には, 簡便化, 高級化及び多様化が共存している.
(4) 正 若年層が新しい調理済食品を受け入れて成長する結果, 食嗜好は変動する.
(5) 正 生活文化に基づく価値観が変わらない限り, 伝統的な古い調理法も廃れることはない.
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次回は, 食べ物と健康 実戦問題3の問題です.
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2013年度 食べ物と健康 実戦問題 2 解答と解説
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1=(3)
(1) 誤 精白米は水分を除くと炭水化物が非常に多く, たんぱく質がこれに次ぎ, 脂質はごくわずかである.
(2) 誤 もち米はアミロペクチン 100%, うるち米はアミロペクチン約 80% とアミロース約 20% である.
(3) 正 陸稲 (精白米) 100 g 当たりのたんぱく質含量 (9.2 g) は, 水稲 (精白米) 100 g 当たりのたんぱく質含量 (6.1 g) よりも多い.
(4) 誤 精白米 100 g 当たりのたんぱく質含量 (6.8%) は, 小麦粉 (強力粉) 100 g 当たりのたんぱく質含量 (11.7%) よりも少ない.
(5) 誤 精白米のアミノ酸価 (65) は, そば粉 (全層粉) のアミノ酸価 (92) よりも低い.
2=(3)かつ(5)
(1) 誤 果物に含まれる主要な有機酸は, クエン酸, リンゴ酸, 酒石酸などである.
(2) 誤 りんごやなしのビタミンC含量 (数%) は, 柑橘類のビタミンC含量 (数十%) に比べて低い.
(3) 正 りんごは仁果であり, ぶどうは漿果であり, うめは核果である.
(4) 誤 キウイフルーツのアクチニジン, パイナップルのブロメリン, パパイヤのパパインは, いずれもたんぱく質分解酵素である.
(5) 正 日本なしの特有な食感は, 石細胞による.
3=(3)
(1) 誤 牛乳中の飽和脂肪酸含量は, 不飽和脂肪酸より多い.
(2) 誤 牛乳の脂肪には, 短鎖脂肪酸が含まれている.
(3) 正 乳脂肪中の必須脂肪酸の含量は少ない.
(4) 誤 牛乳には, コレステロールが含まれている (12 mg/100 g).
(5) 誤 牛乳のリン脂質は不飽和脂肪酸を比較的多く含むため自動酸化を受けやすく, 酸化臭を生じる原因となる.
4=(2)
(1) 誤 からしは, からし菜の種子を乾燥し粉末にしたものである.
(2) 正 からしの辛味成分は, ミロシナーゼによって生成する.
(3) 誤 黒からしやわさびの辛味成分は, シニグリンから生成するアリルイソチオシアネートである.
(4) 誤 白からしの辛味成分は, シナルビンから生成するヒドロキシアリルイソチオシアネートである.
(5) 誤 白こしょうは, 完熟したこしょうの実を調製したものである.
5=(2)
(1) 誤 でんぷん, ショ糖, ラクトースはエネルギー源として重要であるが, 食物繊維であるセルロースは, エネルギー源としては重要ではない.
(2) 正 ペントースは, 多糖類などの構成成分として含まれることはあっても, 天然に単独で存在することはほとんどない.
(3) 誤 グルコースの甘味度は, スクロースの 0.6~0.7 程度である.
(4) 誤 α-D-グルコピラノースを水に溶かした溶液の旋光度は, 時間と共に変化する.
(5) 誤 糖アルコールは, アミノ・カルボニル反応を起こしにくい.
6=(2)
(1) 誤 ビタミンA (レチノール) は, 反応性に富む共役二重結合により光と酸素に弱く, 空気中では酸化されやすい.
(2) 正 ビタミンAは一般に筋肉には含まれていないが, うなぎ・あなごなどでは筋肉にも多く含まれている.
(3) 誤 肉類でビタミンA (レチノール) 含量 (100 g 当たり) の多い部位は, 肝臓である.
(4) 誤 カロテノイドは, 体内に吸収されてビタミンAとしての効力を示す.
(5) 誤 カロテノイドのうち, β-カロテンはビタミンAとしての効力が最も大きい.
7=(3)
(1) 誤 メトミオグロビンのヘム鉄は, 3価である.
(2) 誤 食肉を加熱した場合にみられる褐変は, メトミオグロビンがさらにメトミオクロモーゲンに変化することによるものである.
(3) 正 食肉に硝酸塩や亜硝酸塩を加えてミオグロビンをニトロソミオグロビンにすると, 加熱しても色調が変化しない.
(4) 誤 ニトロソミオグロビンは, 肉の脂質の酸化には影響しない.
(5) 誤 ニトロソミオグロビンに含まれる鉄は, 2価である.
8=(1)
(1) 正 カラギーナンは, 熱可逆性のゲルを形成する.
(2) 誤 乳化作用をもつ物質の分子構造は, 親水性基と共に疎水性基を併わせ持っている.
(3) 誤 エマルションは, コロイド粒子の径が小さいほど安定化する.
(4) 誤 マヨネーズの粘度は, コロイドの平均粒子径が大きいほど低い.
(5) 誤 バターやマーガリンは, 油中に水が分散した油中水滴型 (W/O型) エマルションである.
9=(2)かつ(5)
(1) 誤 一定温度で元の微生物数を 1/10 に減少させるのに要する加熱時間をD値という.
(2) 正 缶詰食品が腐敗しないのは, 加熱による殺菌と酵素の失活によるものである.
(3) 誤 食品の乾燥によって保蔵性が増すのは, 自由水を奪うことによる.
(4) 誤 ソーセージなどの加熱食肉製品については, 食品衛生法で 「製品の中心部の温度を 63 ℃, 30分以上加熱する方法, またはこれと同等以上の効力を有する方法で加熱殺菌すること」 と定められている.
(5) 正 サラミソーセージのような乾燥食肉製品, 生ハムのような非加熱食肉製品, ローストビーフのような特定加熱食肉製品は, 食品衛生法では 「製品の中心部の温度を 63 ℃, 30分以上加熱する方法, またはこれと同等以上の効力を有する方法で加熱殺菌すること」 とは定められていない.
10=(3)
(1) 誤 揮発性塩基窒素量は, サメやエイなど以外のたんぱく質食品 (魚介類, 肉類等) の鮮度指標に用いる.
(2) 誤 生鮮食品の一般生菌数 (細菌数) は, 衛生指標となる.
(3) 正 初期腐敗とみなすのは, 食品 1 g 中の生菌数が10^7~10^8個に達したときである.
(4) 誤 一般細菌数 (生菌数) は, 好気的条件で増殖する中温細菌数を計測して求める.
(5) 誤 大腸菌群は, 加熱不十分や調理後の不適切な取り扱いなどによる汚染の指標菌として使用できる.
11=(1)
(1) 正 腸炎ビブリオの原因細菌が産生する毒素には, 耐熱性溶血毒がある.
(2) 誤 ウェルシュ菌による食中毒は, 食肉, 魚介類の調理品が原因食品となる.
(3) 誤 黄色ブドウ球菌の毒素 (エンテロトキシン) は, 100 ℃ 30 分の加熱では分解されない.
(4) 誤 ボツリヌス菌は, 嫌気性菌 (偏性嫌気性のグラム陽性桿菌) である.
(5) 誤 腸管出血性大腸菌O-157による感染では, 1996年には全国で10名以上の死者がでている.
12=(5)
(1) 誤 冷凍処理 (-20 ℃ 以下) は, アニサキスに対し有効である.
(2) 誤 アニサキスは, 魚介類 (さば, にしん, たら, するめいかなど) を介する.
(3) 誤 アニサキスは, 海獣類から排出された虫卵が幼虫に発育する.
(4) 誤 有線顎口虫は, 第2中間宿主のうち淡水魚が人へのおもな感染源となるので, 野菜は関連食品とはならない.
(5) 正 肝吸虫は, 淡水魚から感染する.
13=(3)
(1) 誤 食品添加物は, 食品衛生法に基づいている.
(2) 誤 生鮮食品であっても, 用いられた食品添加物は表示しなければならない.
(3) 正 食品添加物は, 食品衛生法において, 指定添加物, 既存添加物, 天然香料, 一般飲食物添加物の4種類に分類される.
(4) 誤 指定添加物は, 厚生労働大臣が指定する.
(5) 誤 指定添加物の多くのものについては, 対象食品および使用量の制限が定められている.
14=(4)
(1) 正 JASマークのついた食品には, 品質基準が定められている.
(2) 正 JASマークのついた食品は, JAS指定機関により抜き取り検査されている.
(3) 正 JASマークのついていない食品も流通している.
(4) 誤 JASマークをつけることができる食品は, 輸入品にも適用されている.
(5) 正 JASマークのついた食品, 品名, 原材料名, 内容量等の表示が義務づけられている.
15=(1)
(1) 正 1日当たりの摂取目安量は, 栄養機能食品の表示項目に含まれる.
(2) 誤 バランスの取れた食生活普及啓発を図る文言は, 栄養機能食品の表示として義務づけられている.
(3) 誤 消費者庁の許可を示す証票は, 栄養機能食品の表示項目には含まれていない.
(4) 誤 栄養機能食品として販売するとき, 規格基準を満たしていれば国への届け出を必要としない.
(5) 誤 栄養機能食品は, 形状に特に指定はない.
16=(4)
(1) 誤 凝固剤として 「すまし粉」 のかわりに 「グルコノ-δ-ラクトン」 を用いると, カルシウム含量の低い豆腐ができる.
(2) 誤 大豆たんぱく質のグリシニンはカルシウムなどの金属塩によって凝固する性質があり, これを利用して豆腐が作られる.
(3) 誤 豆乳から豆腐への凝固は, 酸変性によるものである.
(4) 正 木綿豆腐と絹ごし豆腐の主な違いは, 用いる豆乳の濃度と固め方の違いである.
(5) 誤 大豆たんぱく質を凝固させるのにCa2+やMg2+を加えるのは, それぞれのポリペプチド鎖のカルボキシ基どうしを結びつけるためである.
17=(5)
(1) 誤 飲用乳には牛乳, 部分脱脂乳などがあり, 無脂乳固形分はいずれも 8% 以上である.
(2) 誤 加工乳と乳飲料には, 乳脂肪分と比重についての規制がない.
(3) 誤 乳飲料には, ビタミンDが添加されている.
(4) 誤 コーヒー牛乳は, 「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」 では乳飲料に分類される.
(5) 正 ロングライフミルク (LL牛乳) は, 室温で2~3カ月保存できる牛乳である.
18=(4)かつ(5)
(1) 誤 発酵パンの多くは, 小麦粉に水と酵母を加え, 砂糖などの副原料を加えてこねた生地を発酵させて膨化させ, 焼成してつくられる.
(2) 誤 漬け物の製造では, 主として乳酸菌が酸を生成し, 腐敗菌の増殖を抑制する.
(3) 誤 粕漬けと総称されるものは, 酒粕に漬けたものである.
(4) 正 味噌製造に用いられる麹はカビが中心であるが, 熟成中には酵母や乳酸菌も関与する.
(5) 正 米みそは大豆と米麹と食塩を用いて作り, 食塩濃度は一般的に約 12% である.
19=(4)
(1) 誤 茶葉のカテキン類がポリフェノールオキシダーゼによって酸化されると, 紅茶色素テアフラビンになる.
(2) 誤 さつまいもやごぼうの切口が褐変するのは, ポリフェノールオキシダーゼによる酵素的褐変反応による.
(3) 誤 ジャガイモを切ると, 中のチロシンがチロシナーゼの作用で酸化され, 褐色のメラニンを生成する.
(4) 正 冷凍エビの黒変は, 殻中のチロシンがチロシナーゼにより酸化されてメラニン色素を生成するためである.
(5) 誤 皮をむいたリンゴやジャガイモが褐変するのは, クロロゲン酸やチロシンがそれぞれポリフェノールオキシダーゼやチロシナーゼによって酸化されるためである.
20=(4)
(1) 誤 ポリエチレンテレフタレートは, 熱可塑性樹脂である.
(2) 誤 フェノール樹脂は, 熱硬化性樹脂である.
(3) 誤 ビスフェノールAとホスゲンは, ポリカーボネートの原材料である.
(4) 正 ラミネートフィルムは, 各種のプラスチックやアルミ箔などを貼り合わせ, それぞれの欠点を補ったフィルムである.
(5) 誤 レトルト食品の包材には, ラミネートフィルムが使われる.
21=(1)
(1) 正 伝導熱は, 焼く, 炒める, 煎る調理で利用されている.
(2) 誤 対流伝熱, 伝導伝熱, 放射伝熱は, スチームコンベクションオーブン調理で利用されている.
(3) 誤 自然対流式オーブンでは, 放射による伝熱の割合が多い.
(4) 誤 ガスコンロは, 対流伝熱や伝導伝熱加熱に適している.
(5) 誤 アルミ鍋は, ステンレス鍋よりも熱伝導率が高い.
22=(1)
(1) 正 あんかけのとろみには, コーンスターチが適する.
(2) 誤 いかを開いて加熱すると, 表皮側に収縮する.
(3) 誤 あらいでは, 魚肉を氷水中で洗うことにより肉が収縮し, 弾力が増す.
(4) 誤 濃厚卵白は, 水様卵白に比べて泡立ちにくい.
(5) 誤 卵黄の完全凝固温度 (約 70 ℃) は, 卵白の完全凝固温度 (約 80 ℃) より低い.
23=(1)かつ(3)
(1) 正 肉をしょうが汁に浸漬すると, プロテアーゼの作用により軟化する.
(2) 誤 たけのこをゆでる場合, あくを除くために米ぬかを加える.
(3) 正 牛乳を加えた卵液の加熱ゲルは, だし汁を加えたものより硬い.
(4) 誤 紅茶にミルクを加えると, 紅茶のタンニンとミルクのたんぱく質が結合して渋味が弱まる.
(5) 誤 オレンジ果汁添加では, ゲル化阻害は起こらない.
24=(3)
(1) 誤 魚肉に 1~2% の食塩を加えて混ぜ合わせると, ねばりが出る.
(2) 誤 魚肉にレモンや酢を加えると, アミン類が酸と結合して魚臭が失われる.
(3) 正 魚介類は加熱によりたんぱく質の凝固と同時に脱水が起こり, 小魚, 切身は 20~25%, いか, たこは 30~40% 脱水する.
(4) 誤 塩じめした魚は, 肉中の水分, エキス分が除去されて固くなり, 再び水で塩抜きしても肉質はもとに戻らない.
(5) 誤 いか肉に布目の切り込みを入れると, 調味料の浸透が速くなる.
25=(2)
(1) 正 日本人の日常献立には, 和・洋・中の調理技術が取り込まれている.
(2) 誤 治療の目的で作る特別食では, 喫食者の嗜好をできるだけ反映できるように努力し提供する.
(3) 正 日本人の食生活には, 簡便化, 高級化及び多様化が共存している.
(4) 正 若年層が新しい調理済食品を受け入れて成長する結果, 食嗜好は変動する.
(5) 正 生活文化に基づく価値観が変わらない限り, 伝統的な古い調理法も廃れることはない.
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次回は, 食べ物と健康 実戦問題3の問題です.