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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

人体 28-16

2013年05月22日 | 日記
「5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構」 の練習問題と解答・解説です.

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5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構 15問 問題
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1 細胞間の情報伝達に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) アドレナリンは, セカンドメッセンジャーである.
(2) グルタミン酸は, 神経伝達物質である.
(3) エイコサノイドは, 局所ホルモンである.
(4) 受容体は, 情報伝達物質に存在する.
(5) ステロイドホルモンの受容体は, 細胞膜上に存在する.

2 細胞間の情報伝達に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 免疫グロブリンは, 細胞膜を7回貫通する構造をもつ.
(2) Gたんぱく質 (GTP結合たんぱく質) は, アドレナリン (エピネフリン) の作用発現に関与する.
(3) グルカゴン受容体は, チロシンキナーゼ活性をもつ.
(4) インスリン受容体は, 7つの膜貫通領域をもつ.
(5) グルカゴンの受容体は, 細胞内 (核内) に存在する.

3 細胞内シグナル伝達に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) Gたんぱく質は細胞内に存在し, ホルモンと結合することによって作用を発揮する.
(2) アデニル酸シクラーゼは, サイクリックAMP (cAMP) の分解酵素である.
(3) cAMPは, セカンドメッセンジャーとして細胞核内で働く.
(4) ホスホジエステラーゼは, ATPを基質としてcAMP (環状ATP) を合成する.
(5) サイクリックAMP (cAMP) は, プロテインキナーゼAを活性化する働きをもつ.

4 細胞内シグナル伝達に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) たんぱく質リン酸化酵素 (プロテインキナーゼ) は, 無機リン酸をたんぱく質に結合させる.
(2) 活性化されたプロテインキナーゼAは, グリコーゲン合成を促進する.
(3) 活性化されたプロテインキナーゼAは, 体脂肪分解を促進する.
(4) サイクリックGMP (cGMP) がセカンドメッセンジャーとして働くシステムは存在しない.
(5) カルモジュリンは, K+をセカンドメッセンジャーとする情報伝達系に関与する.

5 恒常性とフィードバック機構に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ある代謝経路の生成物が, その経路の上流の特定の酵素を制御する仕組みを, フィードフォワード制御という.
(2) ピルビン酸脱水素酵素は, グルコース 6-リン酸によるフィードバック制御を受ける.
(3) 循環血液量が減少すると, レニンの分泌が抑制される.
(4) 代謝性アシドーシスでは, 呼吸数が増加する.
(5) 血中Ca2+濃度が上昇すると, カルシトニンにより骨吸収が促進され, 血中カルシウム濃度が低下する.

6 体温の調節に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 体温調節の中枢は, 大脳皮質前頭葉に局在する.
(2) 健常女性の基礎体温は, 卵胞期より黄体期が低い.
(3) 体温の日内変動をみると, 午前10時ころに最高値を示す.
(4) 直腸温は, 腋窩 (腋下) 温よりも高い.
(5) 発熱時には, エネルギー代謝は低下している.

7 体温の調節に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 体温は, 飢餓状態下で上昇する.
(2) 環境温度が低下すると, 皮膚血管は拡張する.
(3) 汗の食塩濃度は, 高温馴化により低下する.
(4) 汗に含まれているカリウム濃度は, 内分泌により調整をうけない.
(5) 精神的発汗は, 全身に起こる.

8 体温の調節に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 温熱発汗は, 手掌や腋窩で特に顕著である.
(2) エクリン汗腺は腋窩に集まり, アポクリン汗腺は全身に分布している.
(3) 安静時熱喪失の約 60% が放射によるものである.
(4) 運動時の熱の放散は, 幅射によるものが最も多い.
(5) 高温多湿の環境では, 発汗は有効な体温調節手段である.

9 体温の調節に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 運動や発熱による発汗は, エクリン腺からの分泌によるものである.
(2) 汗腺は, 表皮基底層に毛根, 皮脂腺などと共に存在している.
(3) 基礎代謝は, 体重に比例している.
(4) 体熱の産生が増しても, 皮膚の血流量は変わらない.
(5) 発汗しない状態では, 気化熱はうばわれない.

10 生体リズムに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ヒトのサーカディアンリズムは, 20時間の周期である.
(2) サーカディアンリズムは, 明暗の刺激により変化する.
(3) サーカディアンリズムは, 下垂体で調節されている.
(4) 概日リズム (サーカディアンリズム) の形成には, 遺伝子は関与しない.
(5) 松果体からのメラトニンの分泌は, 日中に上昇し, 夜間に低下する日内リズムを示す.

11 生体リズムに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 体温は, 一般に午後1~2時に最も高くなる.
(2) 夜行性動物は, 昼間に高く夜間に低い酸素消費の概日リズムを示す.
(3) 食事の回数や時間は, 消化酵素の概日リズムの形成に影響をもたらす.
(4) 血中コルチゾールの濃度は日内変動し, 朝目ざめた直後に最低値を示す.
(5) 海外旅行した時にみられる時差ボケは, セロトニンの分泌異常によるものである.

12 ストレスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ストレス学説は, ラボアジェにより提唱された学説である.
(2) ストレスとは, 生体に加えられた侵襲に対する反応状態のうち心理的な原因によるものをいう.
(3) ストレス刺激に抵抗している時には, 副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) の分泌が低下する.
(4) ストレスに曝露されると, 糖質コルチコイド分泌が高まる.
(5) ストレス応答の抵抗期には, 副交感神経の活動が亢進する.

13 ストレスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 慢性のストレス状態に適応しきれなくなると, 副腎皮質機能の低下がおこる.
(2) ストレスに曝露されると, 副腎皮質中のコレステロール含量が増加する.
(3) ストレス応答の抵抗期には, 血清ビタミンC値が上昇する.
(4) ストレス応答の疲はい期には, 全身の同化反応が亢進する.
(5) やけど, 手術などのストレス状態では, 体たんぱく質の同化が亢進する.

14 ストレスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ストレスにより, 消化管の運動は亢進する.
(2) ストレスによって分泌が高まったグルココルチコイドは, 骨格筋細胞内のプロテアーゼを活性化する.
(3) 窒素出納は, ストレスの影響をうけない.
(4) ストレス応答の抵抗期には, 尿中窒素排泄量が減少する.
(5) ストレスにより, たんぱく質の必要量は増加する.

15 ストレスに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ストレス応答の抵抗期には, グルココルチコイドの分泌が低下する.
(2) 手術や外傷により糖の利用が低下し, 高血糖となる.
(3) ストレス応答の抵抗期には, エネルギー必要量が増大する.
(4) ストレス性の消化性潰瘍は, 膵液の分泌過多によって生じる.
(5) ストレス応答の抵抗期には, 血中遊離脂肪酸値が低下する.

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5 個体の恒常性 (ホメオスタシス) とその調節機構 15問 解答と解説
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1=(2)かつ(3)
(1) 誤 ホルモンや神経伝達物質など, 細胞外で作用する情報伝達物質は, ファーストメッセンジャーである.
(2) 正 グルタミン酸, グリシン, γ-アミノ酪酸 (GABA), アセチルコリン, エンドルフィンなどは, 神経伝達物質である.
(3) 正 エイコサノイドは, 合成した細胞自身や近接した細胞に作用する局所ホルモンである.
(4) 誤 受容体は, 情報伝達物質の標的細胞に存在する.
(5) 誤 ペプチドホルモンなど, 水溶性情報伝達物質の受容体は, 主に細胞膜上に存在する.

2=(2)
(1) 誤 グルカゴン受容体, アドレナリン受容体など, Gたんぱく質に結合している受容体は, 7つの膜貫通領域をもつ.
(2) 正 Gたんぱく質 (GTP結合たんぱく質) は, アドレナリン (エピネフリン) の作用発現に関与する.
(3) 誤 インスリン受容体はチロシンキナーゼ関連受容体であり, 細胞内のたんぱく質のチロシン残基をリン酸化する.
(4) 誤 インスリン受容体は, 細胞膜を1回貫通する受容体である.
(5) 誤 ステロイドホルモン, 甲状腺ホルモン, 脂溶性ビタミンなど, 脂溶性情報伝達物質の受容体は, 細胞内 (核内) に存在する.

3=(5)
(1) 誤 水溶性情報伝達物質の情報は, 細胞膜上の受容体とそれに続くセカンドメッセンジャーによって細胞内に伝えられる.
(2) 誤 サイクリックAMP (cAMP) は, ATPからアデニル酸シクラーゼによって合成される.
(3) 誤 サイクリックAMP (cAMP) は, 細胞内情報伝達をつかさどるセカンドメッセンジャーとして細胞質内で働く.
(4) 誤 サイクリックAMP (cAMP) は, ホスホジエステラーゼによってAMPとなる.
(5) 正 サイクリックAMP (cAMP) は, プロテインキナーゼAを活性化する働きをもつ.

4=(3)
(1) 誤 たんぱく質リン酸化酵素 (プロテインキナーゼ) は, 有機リン酸をたんぱく質に結合させる.
(2) 誤 活性化されたプロテインキナーゼAは, グリコーゲン分解を促進する.
(3) 正 活性化されたプロテインキナーゼAは, 体脂肪分解を促進する.
(4) 誤 一酸化窒素 (NO) は, グアニル酸シクラーゼを活性化させ, サイクリックGMPを生成させる.
(5) 誤 カルモジュリンは, 細胞内Ca2+濃度をセカンドメッセンジャーとする情報伝達系に関与する.

5=(4)
(1) 誤 ある代謝経路の生成物が, その経路の上流の特定の酵素を制御する仕組みを, フィードバック制御という.
(2) 誤 ピルビン酸脱水素酵素は, アセチルCoAによるフィードバック制御を受ける.
(3) 誤 循環血液量が減少すると, レニンの分泌が促進される.
(4) 正 代謝性アシドーシスでは, 呼吸数が増加する.
(5) 誤 血中Ca2+濃度が上昇すると, カルシトニンにより骨形成が促進され, 血中カルシウム濃度が低下する.

6=(4)
(1) 誤 体温調節の中枢は, 間脳の視床下部にある.
(2) 誤 健常女性の基礎体温は, 卵胞期より黄体期が高い.
(3) 誤 体温の日内変動をみると, 夕方 (午後4時~6時) に最高値を示す.
(4) 正 直腸温は, 腋窩 (腋下) 温よりも高い.
(5) 誤 発熱時には, エネルギー代謝は上昇している (13%/℃).

7=(3)
(1) 誤 体温は, 飢餓状態下で低下する. 骨格筋量の低下や食事誘発性体熱産生の低下などが考えられる.
(2) 誤 環境温度が低下すると, 皮膚血管は収縮する.
(3) 正 汗の食塩濃度は, 高温馴化により低下する.
(4) 誤 汗に含まれているカリウム濃度は, 内分泌により調整をうけるものと考えられる.
(5) 誤 精神的発汗は, 手掌や腋窩で特に顕著である.

8=(3)
(1) 誤 温熱発汗は, 全身に起こる.
(2) 誤 アポクリン汗腺は腋窩に集まり, エクリン汗腺は全身に分布している.
(3) 正 安静時熱喪失の約 60% が放射によるものである.
(4) 誤 運動時の熱の放散は, 発汗によるものが最も多い.
(5) 誤 高温多湿の環境では, 発汗による体温調節は期待できない.

9=(1)
(1) 正 運動や発熱による発汗は, エクリン腺からの分泌によるものである.
(2) 誤 汗腺の腺体は, 真皮の深層または皮下組織に存在する.
(3) 誤 基礎代謝は, 体表面積に比例している.
(4) 誤 体熱の産生が増すと, 皮膚の血流量は増加する.
(5) 誤 発汗しなくても, 気化熱をうばわれる.

10=(2)
(1) 誤 サーカディアンリズムとは, 約1日 (24時間) 周期の生体リズムである.
(2) 正 サーカディアンリズムは, 主に明暗の刺激により形成される.
(3) 誤 サーカディアンリズムは, 視床下部の視交叉上核で調節されている.
(4) 誤 概日リズム (サーカディアンリズム) の形成には, 遺伝子 (時計遺伝子) が関与する.
(5) 誤 松果体からのメラトニンの分泌は, 明暗周期に依存して, 日中に低下し夜間に上昇する日内リズムを示す.

11=(3)
(1) 誤 体温は一般に, 午後4~6時に最も高くなる.
(2) 誤 ラットなど夜行性動物における酸素消費量は, 昼間に低く夜間に高くなる.
(3) 正 消化酵素の活性は, 明暗よりも食事時間に同調して日内変動する.
(4) 誤 血中コルチゾールの濃度は規則正しい摂食サイクルによって形成されて日内変動し, 朝目ざめた直後に最高値を示す.
(5) 誤 時差ボケは時差によるものであり, その地域の時刻に合わせた規則正しい食事によって回復が早められる.

12=(4)
(1) 誤 ストレス学説は, ハンス・セリエにより提唱された学説である.
(2) 誤 生体に加えられた侵襲に対する生体反応をストレスといい, その初期段階は, 警告反応期である.
(3) 誤 ストレス負荷により, 下垂体から副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) やβ-エンドルフィンの分泌が亢進する.
(4) 正 ストレス負荷による副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) により, 副腎皮質からのグルココルチコイドの分泌が高まる.
(5) 誤 ストレスは交感神経を興奮させ, 副腎髄質からのカテコールアミン (アドレナリン, ノルアドレナリン) の分泌を高める.

13=(1)
(1) 正 慢性のストレス状態に適応しきれなくなると, 副腎皮質中のビタミンCやコレステロール含量の減少, 副腎皮質機能の低下がおこる.
(2) 誤 慢性のストレス状態に適応しきれなくなると, 副腎皮質中のビタミンCやコレステロール含量の減少, 副腎皮質機能の低下がおこる.
(3) 誤 ストレスにより, 副腎皮質機能を維持するビタミンCの消費量が増え, 血中ビタミンC濃度が低下する.
(4) 誤 ストレス応答の疲はい期には, 全身の異化反応が亢進する.
(5) 誤 ストレスによって分泌が高まったグルココルチコイドにより, 体たんぱく質の異化が亢進する.

14=(5)
(1) 誤 ストレスにより, 消化管の運動は低下する.
(2) 誤 ストレスによって分泌が高まったグルココルチコイドは, 骨格筋細胞内のDNAに作用し, プロテアーゼを誘導する.
(3) 誤 ストレスにより体たんぱく質の異化が亢進し, 窒素出納が負に傾く.
(4) 誤 ストレス応答の抵抗期には, 尿中窒素排泄量が増加する.
(5) 正 ストレスにより, たんぱく質の必要量が増加する.

15=(3)
(1) 誤 ストレス応答の抵抗期には, グルココルチコイドの分泌が高まる.
(2) 誤 ストレスにより体たんぱく質の異化が亢進し, アミノ酸からの糖新生が亢進するため, 血糖値が上昇する.
(3) 正 ストレス応答の抵抗期にはエネルギー代謝が亢進し, エネルギー必要量が増大する.
(4) 誤 ストレスにより, 胃酸分泌の亢進と胃粘膜からの粘液分泌の抑制が起こる.
(5) 誤 ストレス応答の抵抗期にはアドレナリンが分泌され, ホルモン感受性リパーゼにより体脂肪分解が亢進するため, 血中遊離脂肪酸値が 上昇する.

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次回は, 「6 加齢・疾患に伴う変化」 の穴埋め問題と正文集です.

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