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管理栄養士国試のための基礎栄養学と生化学

管理栄養士国家試験のための基礎栄養学や生化学について, 勉強していきましょう.

基礎栄養学 28-12

2013年07月05日 | 日記
今夜の 「ドクターG」, 低血糖はすぐにわかったんだけど, 髄膜炎は・・・

さて, 明後日の午後9時からの 「NHKスペシャル」, 遺伝子診断の話のようですよ.

教科書でよく見かける 「テーラーメイド医療 (オーダーメイド医療)」 の話まで発展するかも・・・

では, 「5 糖質の栄養」 の練習問題と解答・解説です.

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5 糖質の栄養 12問 問題
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1 食後・食間期の糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 食後, 膵臓では, グルカゴン分泌が促進される.
(2) 健常人では, 食後15~30分で血糖値が最大値を示し, 1時間後には空腹時のレベルに戻る.
(3) 食後, 筋肉ではグルコースの取り込みが減少する.
(4) インスリン分泌が高まった時には, 脂肪酸がエネルギー源として利用されやすい.
(5) 食後は, 肝臓ではグリコーゲンの合成が亢進する.

2 食後・食間期の糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 食後, 脂肪組織ではグルコースの取り込みが増加する.
(2) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 肝臓ではアミノ酸からのグルコースの産生 (糖新生) が促進される.
(3) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 肝臓でのケトン体の分解が抑制される.
(4) 血糖値が低下すると, グルカゴン分泌が低下する.
(5) 脳や赤血球などにエネルギーを供給するため, 空腹時でも血糖値はほぼ一定に維持されている.

3 脳における糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 脳には, クエン酸回路は存在しない.
(2) 血液中のグルコースは, 脳のエネルギー源として不可欠である.
(3) 脳は, 糖新生で生成したグルコースを利用できない.
(4) 糖質を多く含む食事により, 脳では脂肪酸がエネルギー源として利用される.
(5) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脳ではエネルギー源としてグルコースの利用が増大する.

4 糖質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 赤血球は, 血中の遊離脂肪酸をエネルギー源として利用する.
(2) 赤血球では, グルコースから乳酸が生成する.
(3) 骨格筋は, ケトン体からエネルギーを得ることができる.
(4) 筋肉グリコーゲンは, 嫌気的代謝に利用できない.
(5) 脂肪細胞は, グルコースから脂肪酸を合成できない.

5 糖質代謝の臓器差に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 肝臓のグルコース利用は, 血糖値の影響を受けない.
(2) 貯蔵グリコーゲン濃度は筋肉組織で高いが, 総量としては, 肝臓で多い.
(3) 肝および筋肉の貯蔵グリコーゲンは, 運動時にも消費されることなく常に一定の値を維持する.
(4) 赤血球は, グルコースを唯一のエネルギー源として利用する.
(5) 赤血球のエネルギー産生は, ペントースリン酸回路に依存している.

6 インスリンの作用に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血糖値が上昇すると, 肝臓からインスリンが分泌され, 血糖値を正常値に維持する.
(2) 血清インスリン濃度は, 糖質負荷後10~20分で最大値に達し, 1時間後には負荷前の値に戻る.
(3) 筋肉へのグルコースの取り込みは, インスリンで阻害される.
(4) インスリンは, 脂肪組織へのグルコースの取り込みを促進する.
(5) インスリンは, 骨格筋でグルコース輸送体 (GLUT2) に作用する.

7 インスリンの作用に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血糖値が上がると, 筋肉のグリコーゲンの分解が促進される.
(2) インスリンは, 肝臓へのグルコースの取り込みを促進する.
(3) 食事により血糖値が上昇すると, 体たんぱく質の異化が促進される.
(4) インスリンは, 脂肪組織のトリアシルグリセロールの異化を促進する.
(5) 肥満になると, インスリン抵抗性が低下する.

8 肝臓における糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 体内のグリコーゲン貯蔵総量は, 食事の影響を受けない.
(2) 肝臓のグリコーゲン量は, 湿重量の約 20% である.
(3) グルカゴンやアドレナリンは, 肝臓グリコーゲン分解を促進して血糖値を高める.
(4) 肝臓でのグリコーゲンの利用では, グルコキナーゼによってグルコースが生成する.
(5) 筋肉は, 糖新生を行う.

9 筋肉における糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 筋肉のグリコーゲン量は, 湿重量の約 10% である.
(2) 筋肉グリコーゲンは, グルコースとなって血中に放出される.
(3) 脂質を多く含む食事を摂取した後, 筋肉ではグリコーゲンの合成が促進される.
(4) 筋肉グリコーゲンの分解は, グルカゴンやアドレナリンにより促進される.
(5) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 筋肉では血液中へのアミノ酸の放出が減少する.

10 筋肉や脂肪組織における糖質代謝に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 糖質を過剰摂取し続けると, グリコーゲンの蓄積量は脂肪の蓄積量より多くなる.
(2) 無酸素運動時には, 筋肉内ではピルビン酸が酸化されて乳酸となる.
(3) 筋肉内で産生された乳酸は, 筋肉内でグルコースに転換される.
(4) 筋肉たんぱく質から生じたアラニンやグルタミンは, 肝臓でグルコースの生成に利用される.
(5) 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脂肪組織ではグリコーゲンの合成が増大する.

11 糖質の栄養に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 激しい運動時に肝臓細胞で生成した乳酸は, 筋肉細胞に運ばれてグルコースに再生される.
(2) コリ回路で生成したグルコースは, 筋肉で利用されない.
(3) 肝グリコーゲンが枯渇すると, 副腎皮質ホルモンによる筋肉たんぱく質の異化が亢進する.
(4) 筋肉たんぱく質の分解による乳酸は, 肝臓に送られ, 糖新生によってグルコースとなる.
(5) グルコース・アラニン回路によるグルコースの生成は, 空腹時に減少する.

12 糖質の栄養に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 糖質の摂取量が少ないと, たんぱく質はエネルギー源として利用される割合が低下する.
(2) 肝グリコーゲンが枯渇すると, 血糖を維持するために貯蔵脂肪の異化が亢進して糖新生が起こる.
(3) 糖質は, エネルギー源として利用されるとともに, 一部のアミノ酸や脂肪にも変換される.
(4) 脂肪組織には, ペントースリン酸回路は存在しない.
(5) 糖質の摂取量が多いと, ビタミンB1の必要量が増す.

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5 糖質の栄養 12問 解答と解説
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1=(5)
(1) 誤 食後, 膵臓では, 上昇した血糖値を下降させるために, インスリン分泌が促進される.
(2) 誤 血糖値は食後30~60分間で最高値に達し, 2時間後にはほぼ元のレベルに戻る.
(3) 誤 食後のインスリン分泌の上昇により, 筋肉組織や脂肪組織へのグルコースの取り込みが増加する.
(4) 誤 インスリン分泌が高まった時 (食直後) には, 脂肪酸がエネルギー源となることはない.
(5) 正 食後は, 肝臓や筋肉ではグリコーゲンの合成や脂肪酸合成が亢進する.

2=(1)かつ(5)
(1) 正 食後のインスリン分泌の上昇により, 筋肉組織や脂肪組織へのグルコースの取り込みが増加する.
(2) 誤 食後は, 肝臓では糖新生が抑制される.
(3) 誤 糖質を多く含む食事を摂取すると, 肝臓でのケトン体の産生が抑制される.
(4) 誤 血糖値が低下すると, グルカゴン分泌が亢進する.
(5) 正 脳や赤血球などにエネルギーを供給するため, 空腹時でも血糖値はほぼ一定に維持されている.

3=(2)
(1) 誤 脳にも, クエン酸回路が存在する.
(2) 正 血液中のグルコースは, 脳のエネルギー源として不可欠である.
(3) 誤 脳は, 食事由来のグルコースや糖新生で生成したグルコースを利用できる.
(4) 誤 脳は, 脂肪酸をエネルギー源として利用できない.
(5) 誤 糖質を多く含む食事を摂取した後でも, 脳ではエネルギー源としてのグルコースの利用は変化しない.

4=(2)かつ(3)
(1) 誤 赤血球は, グルコースを唯一のエネルギー源として利用する.
(2) 正 赤血球は, 解糖系でグルコースを乳酸まで代謝する.
(3) 正 骨格筋は, グルコース以外に脂肪酸やケトン体からもエネルギーを得ることができる.
(4) 誤 筋肉グリコーゲンは, 嫌気的代謝に利用できる.
(5) 誤 脂肪細胞は, グルコースから脂肪酸を合成できる.

5=(4)
(1) 誤 肝臓のグルコース利用は, 血糖値の影響を受ける.
(2) 誤 貯蔵グリコーゲン濃度は肝臓で高いが, 総量としては, 筋肉組織で多い.
(3) 誤 肝および筋肉の貯蔵グリコーゲンは, 運動時には消費されて低値となる.
(4) 正 赤血球はミトコンドリアを持っていないので, グルコースをエネルギー源として利用している.
(5) 誤 赤血球のエネルギー産生は, 解糖系に依存している.

6=(4)
(1) 誤 血糖値が上昇すると, 膵臓からインスリンが分泌され, 血糖値を正常値に維持する.
(2) 誤 血清インスリン濃度は, 糖質負荷後30~60分で最大値に達し, 2時間後には負荷前の値に戻る.
(3) 誤 筋肉へのグルコースの取り込みは, インスリンで促進される.
(4) 正 インスリンは, 脂肪組織へのグルコースの取り込みを促進する.
(5) 誤 インスリンは, 骨格筋や脂肪組織でグルコース輸送体 (GLUT4) に作用し, グルコースの細胞膜透過を亢進させる.

7=(2)
(1) 誤 インスリンは, 筋肉や肝臓のグリコーゲン合成を促進する.
(2) 正 インスリンは肝臓へのグルコースの取り込みを促進し, 肝臓でのグリコーゲンの合成はインスリンによって促進される.
(3) 誤 インスリンは, 筋肉でのたんぱく質の合成を促進する.
(4) 誤 インスリンは, 脂肪組織のトリアシルグリセロールの合成を促進する.
(5) 誤 肥満になるとインスリン感受性が低下し, 細胞へのグルコースの取り込みが抑制される.

8=(3)
(1) 誤 肝臓のグリコーゲン合成は食事の影響を受け, 門脈中のグルコース濃度の上昇によって促進される.
(2) 誤 肝臓のグリコーゲン量は, 湿重量の約 5% 程度である.
(3) 正 グルカゴンやアドレナリンは, 肝臓グリコーゲン分解を促進して血糖値を高める.
(4) 誤 肝臓でのグリコーゲンの利用では, グルコース-6-ホスファターゼによってグルコースが生成する.
(5) 誤 糖新生は, 肝臓で行われる.

9=(5)
(1) 誤 筋肉のグリコーゲン量は, 湿重量の約 0.5% である.
(2) 誤 筋肉に貯蔵されたグリコーゲンはグルコース (血糖) にはならず, 筋肉のエネルギー源として利用される.
(3) 誤 糖質の摂取量が多いと筋肉ではグリコーゲンの合成が亢進し, グリコーゲン含量が増大する.
(4) 誤 筋肉グリコーゲンの分解はアドレナリンにより促進されるが, グルカゴンでは促進されない.
(5) 正 糖質を多く含む食事を摂取した後では糖新生の必要がなくなるため, 筋肉では血液中へのアミノ酸の放出が減少する.

10=(4)
(1) 誤 糖質を過剰摂取し続けても, グリコーゲンの蓄積量は脂肪の蓄積量より多くなることはない.
(2) 誤 無酸素運動時には, 筋肉内ではピルビン酸が還元されて乳酸となる.
(3) 誤 筋肉内に生成した乳酸は肝臓に送られ, ピルビン酸を経て糖新生によってグルコースとなる.
(4) 正 筋肉たんぱく質から生じたアラニンやグルタミンは, 肝臓でグルコースの生成に利用される.
(5) 誤 糖質を多く含む食事を摂取した後, 脂肪組織ではトリアシルグリセロールの合成が増大する.

11=(3)
(1) 誤 激しい運動時に筋肉細胞で生成した乳酸は, 肝臓細胞に運ばれてグルコースに再生される.
(2) 誤 コリ回路で生成したグルコースは, 筋肉で利用される.
(3) 正 肝グリコーゲンが枯渇すると, 副腎皮質ホルモンによる筋肉たんぱく質の異化が亢進する.
(4) 誤 筋肉たんぱく質の分解によるアラニンは, 肝臓に送られ, 糖新生によってグルコースとなる.
(5) 誤 グルコース・アラニン回路によるグルコースの生成は, 空腹時に増加する.

12=(3)かつ(5)
(1) 誤 糖質や脂質からのエネルギー供給が少ないと, 同時に摂取したたんぱく質はエネルギー源として利用されやすい.
(2) 誤 空腹時や飢餓時に肝グリコーゲンが枯渇しても, 脂肪 (脂肪酸) から糖新生が起こることはない.
(3) 正 糖質は, エネルギー源として利用されるとともに, 一部のアミノ酸や脂肪にも変換される.
(4) 誤 脂肪組織には, 脂質合成に必要なNADPH+H+を供給するためペントースリン酸回路が存在する.
(5) 正 グルコース代謝ではビタミンB1の補酵素型を要求する反応があるため, 糖質の摂取量が多いとビタミンB1の必要量が増す.

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次回は, 「6 脂質の栄養」 の穴埋め問題と正文集です.

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