「3 消化・吸収と栄養素の体内動態」 の 「A 消化器系の構造と機能」, 「C 消化過程の概要」, 「D 管腔内消化の調節」 の解答と解説です.
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3 消化・吸収と栄養素の体内動態 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
A 消化器系の構造と機能
11=(5)
(1) 誤 消化液は, 1日約 8 L 分泌される.
(2) 誤 消化には, 機械的消化, 化学的消化及び生物学的消化がある.
(3) 誤 胃運動は, 迷走神経によって促進され, 交感神経によって抑制される.
(4) 誤 胃の壁は, 三層の筋層から成っている.
(5) 正 消化腺からの消化液の分泌は, 神経性による調節と消化管ホルモンによる調節の両方を受ける.
12=(4)
(1) 誤 食道と胃の境に噴門があり, 胃底から胃体を経て, 幽門より十二指腸に続く.
(2) 誤 十二指腸には, 肝臓からの胆管と膵臓からの膵管が合流して開口している.
(3) 誤 小腸と大腸の壁は, 二層の筋層から成っている.
(4) 正 小腸粘膜には多数の絨毛があり, さらに1つの細胞に多数の微絨毛が存在している.
(5) 誤 小腸壁に広く存在する腸腺が分泌する腸液には, 消化酵素は含まれていない.
13=(5)
(1) 誤 肝細胞に酸素を送っているのは, 固有肝動脈である.
(2) 誤 門脈は, 小腸で吸収した遊離の短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸を直接肝臓に送っている.
(3) 誤 肝臓の右葉は, 左葉より大きい.
(4) 誤 肝臓は横隔膜直下の右上腹部のほとんどを占め, 一部左上腹部にも及ぶ.
(5) 正 肝小葉は, 静脈を中心に肝細胞索が放射状に集まった形をしている.
14=(3)
a 正 肝小葉の中心に存在する中心静脈は合流を重ねて肝静脈となり, 肝臓上部から肝外に出る.
b 誤 肝細胞に囲まれた毛細血管壁にはクッペル (クッパー) 星細胞が存在し, 異物処理を行っている.
c 誤 門脈と肝動脈は洞様毛細血管で合流し, 直接肝小葉に流入する.
d 正 上腸間膜静脈は, 門脈に注ぐ.
15=(2)
(1) 誤 肝臓は, アルブミンを合成する.
(2) 正 肝臓は, 免疫グロブリンを合成しない.
(3) 誤 肝臓は, フィブリノーゲンを合成する.
(4) 誤 肝臓は, プロトロンビンを合成する.
(5) 誤 肝臓は, ビタミンA結合たんぱく質を合成する.
16=(3)
a 正 肝細胞は有毒物などをグルクロン酸やグルタチオンと抱合させ, 無毒化して胆汁中に排泄する.
b 誤 肝細胞は, 脂肪酸, 女性ホルモンなどを分解する.
c 誤 肝臓は, プロトロンビンやフィブリノーゲンなどの血液凝固因子のほか, ヘパリンなどの血液凝固抑制因子を合成する.
d 正 肝臓は, 血液量の調節, 血圧の調節, 抗貧血因子の合成, 鉄の貯蔵などを行っている.
C 消化過程の概要
17=(4)
(1) 誤 だ液によって消化を受ける栄養素は, 主に糖質である.
(2) 誤 胃底部にある主細胞から, ペプシノーゲンが分泌される.
(3) 誤 脂肪の消化に主要な役割を果たすリパーゼは, 膵リパーゼである.
(4) 正 トリプシンの前駆体は, トリプシノーゲンである.
(5) 誤 トリプシンは, たんぱく質をポリペプチドに分解する.
18=(2)
(1) 誤 胆汁には, 消化酵素は含まれていない.
(2) 正 コレステロールの吸収は, 胆汁分泌により促進される.
(3) 誤 脂肪の摂取量が増えると胆汁酸の分泌量が増え, 脂肪の消化・吸収を促進する.
(4) 誤 小腸で吸収のもっとも盛んな部位は, 空腸である.
(5) 誤 ビリルビンは, 腸内細菌によってウロビリノーゲンとなる.
D 管腔内消化の調節
19=(2)
(1) 誤 食物を見たり香りをかぐだけでも消化液の分泌は起こる.
(2) 正 消化液の分泌は, 神経性による調節と消化管ホルモンによる調節の両方を受ける.
(3) 誤 胃運動は迷走神経によって促進され, 交感神経によって抑制される.
(4) 誤 ガストリンは, 胃のG細胞から分泌される.
(5) 誤 セクレチンは, 十二指腸のS細胞から分泌される.
20=(3)
a 正 胃におけるたんぱく質の消化は, ガストリンによって促進される.
b 誤 セクレチンは, 胃酸分泌を抑制する.
c 誤 十二指腸に分泌されたコレシストキニンは, 脂肪の分解を促進する.
d 正 インクレチンは, 血糖値依存的に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進する.
21=(2)
a 正 胃酸分泌は, ガストリン分泌の亢進により促進される.
b 誤 セクレチンは, 胃の運動を低下させる.
c 正 コレシストキニンは, 胆のう収縮を促進する.
d 誤 コレシストキニンは, 膵酵素の分泌を促進する.
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引き続き, 「3 消化・吸収と栄養素の体内動態」 の 「E 膜消化, 吸収」, 「F 栄養素別の消化・吸収」, 「G 栄養素の体内動態」, 「H 食物繊維・難消化性糖質の作用」, 「I 生物学的利用度 (生物学的有効性)」 の問題です. 10問です.
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E 膜消化, 吸収
22 膜消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) スクラーゼは, スクロース (ショ糖) をガラクトースとグルコースに分解する.
(2) マルターゼは, マルトースをグルコースとフルクトースに分解する.
(3) ラクターゼは, ラクトース (乳糖) を2分子のグルコースに分解する.
(4) アミノペプチダーゼは, たんぱく質をポリペプチドに分解する.
(5) 小腸上皮細胞では, 細胞内外のNa+の濃度勾配を利用してグルコースやアミノ酸が輸送される.
F 栄養素別の消化・吸収
23 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) でんぷんがα-アミラーゼによって消化されると, グルコースが生じる.
(2) 小腸においては, グルコースよりもスクロースの方が速やかに吸収される.
(3) たんぱく質は, 小腸において膵液由来のトリプシンによりアミノ酸に分解される.
(4) ジペプチドは, 小腸上皮細胞のK+依存性ペプチド輸送担体などによりそのままの形で吸収される.
(5) 中鎖脂肪酸で構成されたトリアシルグリセロールも, 膵リパーゼによってモノアシルグリセロールと脂肪酸に分解されて吸収される.
24 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) たんぱく質は消化され, すべてアミノ酸として吸収される.
(2) 小腸では, 単糖類は吸収されるが, 二糖類は吸収されない.
(3) 摂取する糖質の中で量的に最も多いのは, 多糖類のグリコーゲンである.
(4) リパーゼは, トリアシルグリセロールを脂肪酸とグリセロールに分解する.
(5) 脂肪の消化の大部分は, 大腸において行われる.
25 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) でんぷんの消化は, 胃内で完了する.
(2) 糖質は消化により単糖類まで分解され, 小腸でグリセロールエステルを形成し吸収される.
(3) 消化により生じた長鎖の脂肪酸は, 小腸上皮細胞でトリアシルグリセロールに再合成される.
(4) 食事から吸収された脂肪はキロミクロンを形成し, 門脈に取り込まれる.
(5) 脂溶性ビタミンであるビタミンDの吸収は, 食事中の脂質の影響を受けない.
26 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 脂質の吸収は, 糖質を多く含む食品を同時に摂取すると増大する.
(2) 中鎖トリアシルグリセロールは, 長鎖トリアシルグリセロールに比べて消化吸収されやすい.
(3) ビタミンEの吸収率は, 胆汁の分泌が障害されても低下しない.
(4) 穀類などに多く含まれているフィチン酸は, 鉄や亜鉛の吸収率を上昇させる.
(5) カルシウムの吸収は, 能動輸送によって行われる.
27 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) カルシウムの吸収率は, 年齢, 摂取量や生体の要求量, 他の食物成分等に影響される.
(2) 高齢者は若年者に比較して, 腸管からのカルシウム吸収率が高い.
(3) カルシウムの吸収はカルパインなどによって促進され, 門脈に入る.
(4) カルシウムの吸収率は, エストロゲンによって上昇する.
(5) 鉄の吸収は, 飲食物中の2価鉄イオンが胃酸によって3価鉄イオンとなって吸収される.
G 栄養素の体内動態
28 栄養素の体内動態に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 長鎖脂肪酸はリンパ管経由で吸収され, 中鎖脂肪酸は門脈経由で肝臓に取り込まれる.
b でんぷんは消化されてマルトースとなり, 門脈に入る.
c 脂肪は消化されてモノアシルグリセロールと脂肪酸となり, 再度トリアシルグリセロールを形成して乳び管 (リンパ管) に入る.
d たんぱく質は消化されてすべてアミノ酸となり, 門脈に入る.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
H 食物繊維・難消化性糖質の作用
29 食物繊維に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 食物繊維は, 植物性食品に存在する非消化性多糖類である.
b レジスタントスターチのエネルギー利用効率の評価では, 発酵・吸収を考慮する必要がある.
c 腸内細菌による発酵により, 食物繊維のエネルギー利用効率は 1~2 kcal/g となる.
d 水溶性食物織維は便量増加効果や排便促進効果が強いのに対し, 不溶性食物繊維は血糖上昇抑制効果が強い.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
30 難消化性糖類に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 難消化吸収性の糖アルコールやオリゴ糖は, 発酵・吸収によって利用される.
b 難消化性糖アルコールは, 腸内細菌によって短鎖脂肪酸に代謝され, 利用される.
c 消化吸収されにくいオリゴ糖は, 大量摂取すると低浸透圧性の下痢を生じる.
d 食物繊維は腸内細菌により短鎖脂肪酸となり, 大腸から吸収されて乳び管 (リンパ管) に入る.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
I 生物学的利用度 (生物学的有効性)
31 消化吸収率に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 消化吸収率とは, 摂取した栄養素の中から吸収されたものの割合 (%) を示す.
b 見かけの消化吸収率は, 真の消化吸収率よりも高い値を示す.
c 無たんぱく質食を摂取した場合には, 糞便中に窒素化合物は排泄されない.
d 真の消化吸収率は, 糞中排泄量を考慮して算出する.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
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次回は, 「3 消化・吸収と栄養素の体内動態」 の 「E 膜消化, 吸収」, 「F 栄養素別の消化・吸収」, 「G 栄養素の体内動態」, 「H 食物繊維・難消化性糖質の作用」, 「I 生物学的利用度 (生物学的有効性)」 の解答と解説です.
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3 消化・吸収と栄養素の体内動態 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
A 消化器系の構造と機能
11=(5)
(1) 誤 消化液は, 1日約 8 L 分泌される.
(2) 誤 消化には, 機械的消化, 化学的消化及び生物学的消化がある.
(3) 誤 胃運動は, 迷走神経によって促進され, 交感神経によって抑制される.
(4) 誤 胃の壁は, 三層の筋層から成っている.
(5) 正 消化腺からの消化液の分泌は, 神経性による調節と消化管ホルモンによる調節の両方を受ける.
12=(4)
(1) 誤 食道と胃の境に噴門があり, 胃底から胃体を経て, 幽門より十二指腸に続く.
(2) 誤 十二指腸には, 肝臓からの胆管と膵臓からの膵管が合流して開口している.
(3) 誤 小腸と大腸の壁は, 二層の筋層から成っている.
(4) 正 小腸粘膜には多数の絨毛があり, さらに1つの細胞に多数の微絨毛が存在している.
(5) 誤 小腸壁に広く存在する腸腺が分泌する腸液には, 消化酵素は含まれていない.
13=(5)
(1) 誤 肝細胞に酸素を送っているのは, 固有肝動脈である.
(2) 誤 門脈は, 小腸で吸収した遊離の短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸を直接肝臓に送っている.
(3) 誤 肝臓の右葉は, 左葉より大きい.
(4) 誤 肝臓は横隔膜直下の右上腹部のほとんどを占め, 一部左上腹部にも及ぶ.
(5) 正 肝小葉は, 静脈を中心に肝細胞索が放射状に集まった形をしている.
14=(3)
a 正 肝小葉の中心に存在する中心静脈は合流を重ねて肝静脈となり, 肝臓上部から肝外に出る.
b 誤 肝細胞に囲まれた毛細血管壁にはクッペル (クッパー) 星細胞が存在し, 異物処理を行っている.
c 誤 門脈と肝動脈は洞様毛細血管で合流し, 直接肝小葉に流入する.
d 正 上腸間膜静脈は, 門脈に注ぐ.
15=(2)
(1) 誤 肝臓は, アルブミンを合成する.
(2) 正 肝臓は, 免疫グロブリンを合成しない.
(3) 誤 肝臓は, フィブリノーゲンを合成する.
(4) 誤 肝臓は, プロトロンビンを合成する.
(5) 誤 肝臓は, ビタミンA結合たんぱく質を合成する.
16=(3)
a 正 肝細胞は有毒物などをグルクロン酸やグルタチオンと抱合させ, 無毒化して胆汁中に排泄する.
b 誤 肝細胞は, 脂肪酸, 女性ホルモンなどを分解する.
c 誤 肝臓は, プロトロンビンやフィブリノーゲンなどの血液凝固因子のほか, ヘパリンなどの血液凝固抑制因子を合成する.
d 正 肝臓は, 血液量の調節, 血圧の調節, 抗貧血因子の合成, 鉄の貯蔵などを行っている.
C 消化過程の概要
17=(4)
(1) 誤 だ液によって消化を受ける栄養素は, 主に糖質である.
(2) 誤 胃底部にある主細胞から, ペプシノーゲンが分泌される.
(3) 誤 脂肪の消化に主要な役割を果たすリパーゼは, 膵リパーゼである.
(4) 正 トリプシンの前駆体は, トリプシノーゲンである.
(5) 誤 トリプシンは, たんぱく質をポリペプチドに分解する.
18=(2)
(1) 誤 胆汁には, 消化酵素は含まれていない.
(2) 正 コレステロールの吸収は, 胆汁分泌により促進される.
(3) 誤 脂肪の摂取量が増えると胆汁酸の分泌量が増え, 脂肪の消化・吸収を促進する.
(4) 誤 小腸で吸収のもっとも盛んな部位は, 空腸である.
(5) 誤 ビリルビンは, 腸内細菌によってウロビリノーゲンとなる.
D 管腔内消化の調節
19=(2)
(1) 誤 食物を見たり香りをかぐだけでも消化液の分泌は起こる.
(2) 正 消化液の分泌は, 神経性による調節と消化管ホルモンによる調節の両方を受ける.
(3) 誤 胃運動は迷走神経によって促進され, 交感神経によって抑制される.
(4) 誤 ガストリンは, 胃のG細胞から分泌される.
(5) 誤 セクレチンは, 十二指腸のS細胞から分泌される.
20=(3)
a 正 胃におけるたんぱく質の消化は, ガストリンによって促進される.
b 誤 セクレチンは, 胃酸分泌を抑制する.
c 誤 十二指腸に分泌されたコレシストキニンは, 脂肪の分解を促進する.
d 正 インクレチンは, 血糖値依存的に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進する.
21=(2)
a 正 胃酸分泌は, ガストリン分泌の亢進により促進される.
b 誤 セクレチンは, 胃の運動を低下させる.
c 正 コレシストキニンは, 胆のう収縮を促進する.
d 誤 コレシストキニンは, 膵酵素の分泌を促進する.
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引き続き, 「3 消化・吸収と栄養素の体内動態」 の 「E 膜消化, 吸収」, 「F 栄養素別の消化・吸収」, 「G 栄養素の体内動態」, 「H 食物繊維・難消化性糖質の作用」, 「I 生物学的利用度 (生物学的有効性)」 の問題です. 10問です.
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E 膜消化, 吸収
22 膜消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) スクラーゼは, スクロース (ショ糖) をガラクトースとグルコースに分解する.
(2) マルターゼは, マルトースをグルコースとフルクトースに分解する.
(3) ラクターゼは, ラクトース (乳糖) を2分子のグルコースに分解する.
(4) アミノペプチダーゼは, たんぱく質をポリペプチドに分解する.
(5) 小腸上皮細胞では, 細胞内外のNa+の濃度勾配を利用してグルコースやアミノ酸が輸送される.
F 栄養素別の消化・吸収
23 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) でんぷんがα-アミラーゼによって消化されると, グルコースが生じる.
(2) 小腸においては, グルコースよりもスクロースの方が速やかに吸収される.
(3) たんぱく質は, 小腸において膵液由来のトリプシンによりアミノ酸に分解される.
(4) ジペプチドは, 小腸上皮細胞のK+依存性ペプチド輸送担体などによりそのままの形で吸収される.
(5) 中鎖脂肪酸で構成されたトリアシルグリセロールも, 膵リパーゼによってモノアシルグリセロールと脂肪酸に分解されて吸収される.
24 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) たんぱく質は消化され, すべてアミノ酸として吸収される.
(2) 小腸では, 単糖類は吸収されるが, 二糖類は吸収されない.
(3) 摂取する糖質の中で量的に最も多いのは, 多糖類のグリコーゲンである.
(4) リパーゼは, トリアシルグリセロールを脂肪酸とグリセロールに分解する.
(5) 脂肪の消化の大部分は, 大腸において行われる.
25 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) でんぷんの消化は, 胃内で完了する.
(2) 糖質は消化により単糖類まで分解され, 小腸でグリセロールエステルを形成し吸収される.
(3) 消化により生じた長鎖の脂肪酸は, 小腸上皮細胞でトリアシルグリセロールに再合成される.
(4) 食事から吸収された脂肪はキロミクロンを形成し, 門脈に取り込まれる.
(5) 脂溶性ビタミンであるビタミンDの吸収は, 食事中の脂質の影響を受けない.
26 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) 脂質の吸収は, 糖質を多く含む食品を同時に摂取すると増大する.
(2) 中鎖トリアシルグリセロールは, 長鎖トリアシルグリセロールに比べて消化吸収されやすい.
(3) ビタミンEの吸収率は, 胆汁の分泌が障害されても低下しない.
(4) 穀類などに多く含まれているフィチン酸は, 鉄や亜鉛の吸収率を上昇させる.
(5) カルシウムの吸収は, 能動輸送によって行われる.
27 栄養素の消化と吸収に関する記述である. 正しいのはどれか.
(1) カルシウムの吸収率は, 年齢, 摂取量や生体の要求量, 他の食物成分等に影響される.
(2) 高齢者は若年者に比較して, 腸管からのカルシウム吸収率が高い.
(3) カルシウムの吸収はカルパインなどによって促進され, 門脈に入る.
(4) カルシウムの吸収率は, エストロゲンによって上昇する.
(5) 鉄の吸収は, 飲食物中の2価鉄イオンが胃酸によって3価鉄イオンとなって吸収される.
G 栄養素の体内動態
28 栄養素の体内動態に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 長鎖脂肪酸はリンパ管経由で吸収され, 中鎖脂肪酸は門脈経由で肝臓に取り込まれる.
b でんぷんは消化されてマルトースとなり, 門脈に入る.
c 脂肪は消化されてモノアシルグリセロールと脂肪酸となり, 再度トリアシルグリセロールを形成して乳び管 (リンパ管) に入る.
d たんぱく質は消化されてすべてアミノ酸となり, 門脈に入る.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
H 食物繊維・難消化性糖質の作用
29 食物繊維に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 食物繊維は, 植物性食品に存在する非消化性多糖類である.
b レジスタントスターチのエネルギー利用効率の評価では, 発酵・吸収を考慮する必要がある.
c 腸内細菌による発酵により, 食物繊維のエネルギー利用効率は 1~2 kcal/g となる.
d 水溶性食物織維は便量増加効果や排便促進効果が強いのに対し, 不溶性食物繊維は血糖上昇抑制効果が強い.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
30 難消化性糖類に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 難消化吸収性の糖アルコールやオリゴ糖は, 発酵・吸収によって利用される.
b 難消化性糖アルコールは, 腸内細菌によって短鎖脂肪酸に代謝され, 利用される.
c 消化吸収されにくいオリゴ糖は, 大量摂取すると低浸透圧性の下痢を生じる.
d 食物繊維は腸内細菌により短鎖脂肪酸となり, 大腸から吸収されて乳び管 (リンパ管) に入る.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
I 生物学的利用度 (生物学的有効性)
31 消化吸収率に関する記述である. 正しいものの組合せはどれか.
a 消化吸収率とは, 摂取した栄養素の中から吸収されたものの割合 (%) を示す.
b 見かけの消化吸収率は, 真の消化吸収率よりも高い値を示す.
c 無たんぱく質食を摂取した場合には, 糞便中に窒素化合物は排泄されない.
d 真の消化吸収率は, 糞中排泄量を考慮して算出する.
(1) aとb (2) aとc (3) aとd (4) bとc (5) cとd
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回は, 「3 消化・吸収と栄養素の体内動態」 の 「E 膜消化, 吸収」, 「F 栄養素別の消化・吸収」, 「G 栄養素の体内動態」, 「H 食物繊維・難消化性糖質の作用」, 「I 生物学的利用度 (生物学的有効性)」 の解答と解説です.