ハリエット嬢(96)
Miss Harriet
Maupassant
.———————【96】——————————
Elle semblait confite dans une
innocence surie ; mais elle avait
gardé au cœur quelque chose de
très jeune, d'enflammé. Elle aimait
la nature et les bêtes, de l'amour
exalté, fermenté comme une boisson
trop vieille, de l'amour sensuel
qu'elle n'avait point donné aux
hommes.
..———————(訳)————————————
ハリエットさんは無邪気が漬物になったよ
うな気質の人でした: しかし彼女の心には
何かとても若い燃えるようなものが残ってい
たのです.彼女は自然を愛し、動物たちを愛
しました.それはあまりにも熟成された酒の
ように高揚し沸き立つもので、彼女が少しも
男には与えたことのない愛でした.
.———————⦅語句⦆————————————
confit, e:(形、過去分詞) 漬けた
<confire (他)[古風] 漬ける
ひたりきった、没頭した、とりすました
être confit en dévotion / 信心に凝り固まっている
innocence:[イノサンス](f) ①無罪、無実、潔白;
❷無邪気、無垢
suri, e:(形) すっぱくなった
enflammé:燃えている (形、過去分詞)
<enflammer [アンフラメ](他)
garder:(他)残す、保存する、失わずにいる
(感情などを)持ち続ける
bête [ベット]:(f) (人間以外の)動物
exalté, e:(形) 高揚した、興奮した
fermenté, e:(形) 発酵した;
boisson fermenté / 発酵飲料
< fermenter
fermenter:(自) ❶ 発酵する、
❷(心などが)沸き立つ、
興奮する、立ち騒ぐ
boisson:(f) 飲み物、酒、アルコール飲料
vieille:(形、女性形) (ワインなどが) 熟成した
<vieux
sensuel, le [サンスュエル]:(形) 官能的な、肉体的な
ne ... point:少しも…でない
.
.—————————≪解釈≫—————————————
Elle semblait confite dans une innocence surie:
彼女は無邪気の酢に漬けられた漬物みたい
だった.
↓
彼女の性質は無邪気を漬物にしたような感じ
だった.
(乙女の無邪気が、50歳の女になっても、
その甘い香りの無邪気さは、酢漬けされて
保存されており、すっぱいものの、失われ
ていなかった、と言っています.)
ときどきいますよね.そういう可愛い女性!
何十いくつになっても恋ができそうな女性.
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