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宝田さんの韓国だより

2022-01-04 16:41:00 | 全国会員

 ソウル在住の宝田さんが、13通会会員の皆さんに送られた「新年のご挨拶」の記事を頂きましたので、以下紹介します。

 「新年のご挨拶」

隊員の皆様およびご家族、並びに13通会会員の皆様、明けましておめでとうございます。
 一昨年に続き昨年も新型コロナウイルスに迄Mされた一年でした。一時は収束の気配がみえたかと思いましたが、海外で再び拡大し、またオミクロン株が新たに発生したため、予断を許さない状況が続いております。こういう中にあって、隊員皆様には、日夜たゆみなく訓練にいそしまれ国民の負託に応えられている姿に心から敬意と感謝を申し上げます。
 さて、私は韓国で一年以上を過ごし外から日本を見ていますと、今まで気付かなかった日本が見えてくるようになりました。
 以前は、ノーベル賞の受賞者を毎年のように輩出する日本は、科学先進国だと思っていましたが、これは、過去の研究成果を現在評価されているだけであって、現在の科学力は決して高くないということを思い知らされています。コロナ対策だけみても、特別定額給付金の支給に膨大な手間と時間を要し、また、コロナワクチンについても自国開発ができず米国や英国を頼りにしなければなりませんでした。デジタル化に至っては、韓国より周回遅れ以上の遅れがあると思っています。マイナンバーを有効に使うことで効率化を促進できるのに、その便利さを認識しようとしない国民とアプリの開発をなかなか進めることができない中央政府の姿には苛立ちさえ感じています。違う言い方をするならば、現在の日本社会は、現状に安住し将来を見通す力が弱く、変化に対応するスピード感が著しく欠けているように思います。
 東アジア情勢は、中国の覇権的拡張主義、北朝鮮の核問題、韓国のあいまいな外交・安全保障政策など不安定要素が数多く存在する中、中央の政治の場で軍事上の諸課題が真剣に討議されたという形跡が伝わってきません。昨夏のカブール救出作戦においても、韓国が計画的に行動し救出に成功したのに比べ、日本のもたもたした経緯には、韓国の地で本当に悔しい思いをしました。政治の中枢におられる方は、この思いをどれだけ認識されたのでしょうか。
 自衛隊のおかれた立場は、国外の厳しい環境のみならず、国内においても法整備が十分でない中で活動しなければなりません。とは申せ、国家国民の生命財産を守ることほど崇高な使命はありません。隊員皆様には、様々な制約がありますが、誇りを持って、この一年を健康で訓練に精励されることを切に期待しております。コロナが一刻も早く終息することを願いつつ。

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