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人間いつかは死ぬものです…だったら人生楽しみましょう!良い音楽・笑える漫画・いい女に囲まれて

孫正義正伝 井上篤夫著

2005年05月23日 | オススメ文芸
孫正義正伝

[あらすじ」
ソフトバンク代表孫正義の自伝

少年期の立志編から、2004年ブロードバンド革命あたりまでの
自伝を孫の20年来の付き合いのドキュメンタリー作家井上篤夫
がドラマティックに描く。

佐賀県鳥栖市に在日韓国人3世として生を受け、父親が死に物狂いで極貧から
這い出し、財をなす姿を目の当たりにし自分も立身出世をめざす。

高校一年の時、突然の留学の決意。ビジネスの可能性を模索し、
単身16歳でアメリカに旅たつ。そこからすべてのサクセスが始まる。

大学単位の飛級取得、日本からのゲーム端末の輸入業、音声翻訳機の開発とその成功

そして日本に凱旋、日本ソフトバンクを立ち上げる。

幾多の難関を乗り越え途中、不治の病との闘いも経験し、自分の存在理由を
「世の中のためになるビジネスをする」という決意も。

順風満帆、波乱万丈をジェットコースターのように繰り返す孫の人生は現実の
話ではあるが実にドラスティックに展開していく。

タイトルのごとく孫の志(こころざし)の高さが孫に出会う人々に圧倒的、かつ
情熱的に訴えかける。

日本経済界によみがえった坂本竜馬のごとく、世界を変えていく彼の半生は
ビジネスに従事するすべてのものを魅了する。

[REVIEW]

ここ最近IT関係の社長の報道が盛んです。楽天の三木谷さん、Livedoorのホリエモン
サイバーエージェントの藤田さん、GMOの熊谷さんなどなど
インターネット動乱期を勝ち抜いてきた勇士たちですが
この中にあって、ひとつぬきんでているのは、ひときわ野心家で、
世の大局を高所から見る力のあるのが孫正義である


とにかく「世界をかえてやる」といった、反体制的なイメージが坂本竜馬とかぶる。
(というか孫さん自身、竜馬がゆくを数回読破しており、完全に自分は坂本
竜馬の生まれ変わりと勘違いしてるふしもありますが(笑))

しかし、その情熱の強さ、決めたことへの実行力は本当に圧巻です。
凡人の僕は勝てないと。(泣)

1円の利益にも徹底的にこだわる孫だが反面、義理人情を大切にし、友情などといった
IT関連会社には似つかわしくない言葉が随所にでてきます。
従業員、取引先を大切にし、友人、家族を愛する。
そういった、ベースがしっかりしている大きな器の人間に見えます。
(あくまで作中のなかの話ですよ。実際にあってみないと・・・ね。)


天才、豪傑なのだが、いったん物事に集中して考えると、他のすべてのことを忘れて
没頭してしまう逸話もある、この人の魅力なんだけど、結構マヌケ。


・ビジネスロジックの思考中、考え事をしてて、何度か電柱にぶつかったことがある。
・ビジネスロジックの思考中、靴を履かずに飛行機に乗り込もうとしたことがある。


こういう、魅力がホリエモンにはないんではないか。
人間的な魅力と精密機械のようなのシンキング。こういう
相反する魅力を兼ね備える人間はかなり希少な存在である。

仕事で悩んでいる人、一旗あげてやろうと思う人まず、この人の自伝を読んでからに
してほしい、モチベーションめちゃめちゃあがります。


amazonで購入

吉本ばなな キッチン

2005年04月21日 | オススメ文芸
「TUGUMI」,「白河夜船」など多数のベストセラーを残し、「不倫
と南米」では第10回ドウマゴ文学賞も受賞した作家、よしもとばななさんのデビュー作、
「キッチン」についてお話させていただきたいと思います。

 かなり古い作品ですが、こころに残る作品です

 よしもとばなな 1964年 7月24日 東京生まれ。 A型。 本名吉本真秀子(まほこ)。
 
日本大学芸術学部文藝学科卒業。
1987年11月 小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞し、文壇デビュー。
 1988年1月 「キッチン」で泉鏡花文学賞受賞。
 1988年8月  「うたかた/サンクチュアリ」で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
 1989年3月  「TUGUMI」は140万部を記録し、第2回山本周五郎賞受賞。
 1993年6月  イタリアのスカンノ賞受賞。
 1995年11月  「アムリタ」で第5回紫式部賞受賞。
 1996年3月  イタリアのフェンディッシメ文学賞「UNDER35」受賞。
 1999年11月  イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。
 2000年9月  「不倫と南米」で第10回ドウマゴ賞受賞。
 2002年    ペンネームを「吉本ばなな」から「よしもとばなな」に改める。
          「キッチン」をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

前記の通り「キッチン」はよしもとばなな(当時23歳)のデビュー作。

ウエイトレス生活の中で創作したと発表されています。

最愛の祖母を亡くした主人公、桜井みかげと同じ大学生の田辺雄一とその母、

田辺えり子との交流を描く、とっても暖かくスリリングな人生物語。

唯一の家族をなくしたみかげを本物の優しさと親切さで包みこむ田辺家のちょっとした仕草、

言葉、行動と三人がおりなす人生は、どこを目指し、何を大切にして生きてゆけばよいのか

迷っている人の肩を、いつも、そっと押してくれるように感じます。

この小説「キッチン」は映画化もされていて、この映画で主人公、桜井みかげ役に大抜擢されたのが、

当時まだ無名の川原亜矢子。彼女もまた、「キッチン」で彗星のごとく現れたのでした。




本編「キッチン」の後に収録されている小説「ムーンライト・シャドウ」も本当にすばらしい作品です。

2作とも一生何度もみ返し付き合ってくれる名作です。

よしもとばなな入門の方にもとても良い作品。



『エロティシズム』  澁澤龍彦

2005年03月09日 | オススメ文芸







性を連想させる直接的なメディアは今や日本中に溢れかえっておりますが、

セクシャリティを真剣に捉え、哲学的、社会学的な見地から新たな視点を

提供するような本って、意外と少ないように感じます。


私はあえてここで断言しましょう (またかよ)

妄想力と思索力こそが真のエロティシズムだ!と(精力剤の宣伝みたいですが)

アダルトDVDなんぞは焚書に等しいです。


エロティシズムを広義に取り扱った名著で私が記憶しているのは

松浦理英子の『ポケットフェテッシュ』と稲垣足穂の『A感覚とV感覚』ですが

特に前者については、TシャツのイラストからB級映画のヒロインまで、

ありとあらゆる事象に性的記号を見出し、冷徹な眼差しでもって分析した

平成における性哲学書の筆頭だと思っております。


では昭和を代表する性哲学の名著はなんでしょう?

それはやはり澁澤龍彦の『エロティシズム』なのではないでしょうか。


澁澤龍彦といえば、奇想と陶酔感に溢れる『高丘親王航海記』が有名ですが

忘れてならないのが、この作家の研ぎ澄まされたフェティシズムへの考察力です。


マルキド・サドの邦訳やハンス・ベルメール評論等から窺えるように、この方の

性への考察は倒錯したものに徹底して偏っています。それは最早単純な性礼讃

の次元を超え、むしろ形而上的とも居えるような領域にまで達していると

言えるでしょう。


例えば、「エロティシズムは死にまで至る生の称揚である」という、現代哲学では

最早常識ともいえるバタイユ的エロス観ですが、是を広く世間に広めたのもひとえ

に本書の啓蒙によるところは大きいと思います。

バタイユの代表作といえば『眼球譚』ですが、そこに見られる背徳的な行為の連続は、

下手をすればただのポルノグラフィとしてのみ解釈されてしまいます。

しかし澁澤氏はそこに単純な性的興奮は見出しません。彼はその向こう側にある、

神的なものと精神の対話にまで思いを馳せます。


他にも、三島由紀夫ファンならご存知の『聖セバスチャン殉教図』ですが

そこにみられる狂熱的ともいえるような宗教心に、いわゆる被虐の記号を読み取り

ます。西洋文明の根幹を成すのがキリスト経であることを考えると、

ヨーロッパは随分と深い精神性を持った地域だということなのでしょうね。


中性的な魅力を語る上でツィッギー(50年当時世界的に人気があったモデル)が

紹介されていて、多少時代を感じさせる点や、内容が少々散漫であるという理由で

熱心な澁澤龍彦フォロワーからは余り評価芳しくない点など、決して手放しで

絶賛できる本ではないこの『エロティシズム』ですが、私バイトM、先にも取り上げた

松浦理英子以来久し振りにグッとくる性哲学書に出会えたと感じております。


ひたすら性興奮を煽るだけのものに溢れている今日のこの国ですが、

それらに食傷気味の方に一読をオススメ。



『エロティシズム』  澁澤龍彦

『田宮模型の仕事』

2004年12月26日 | オススメ文芸
花沢 健吾のコミック『ルサンチマン』 と

田宮俊作の『田宮模型の仕事』。

今週は少し欲張って両方紹介しようかな、なんて企んでいた2

冊なんですが、残念ながら前者の『ルサンチマン』、こんな

物悲しい絶望的な漫画を取り上げる勇気は今の私には御座い

ませんでした。 ううっ (つд`)


この作品については別の機会に熱く熱く語る予定ですので、

今しばらくお待ち下さい。

恐らく来週迄には喪われた私バイトMの勇気も

回復している筈ですので。



なので今週は『田宮模型の仕事』について、少々。



「田宮模型」と云う単語を聞くだけで、胸の奥で微かに何か

が高鳴るのを禁じ得ない、という人は結構居るんじゃないか

と思われますがどうなんでしょう。


実は私もその1人なんです。


ミニ四駆世代とは若干年齢は離れてるのですがそれでもやは

りTAMIYA★☆ロゴを見ると熱くなっちゃうんですよね。

3年間貯めたお年玉で初めて買ったラジコンの事は細部まで記

憶しております。

・・・・・かなりキモイ?

なんのこれしき。


で、今回紹介する『田宮模型の仕事』ですが、これは一言で

纏めるなら「社史」になるのかもしれません。それと同時

に、親父から引き継いだ小さな模型店を発展させた田宮俊作

氏の半自伝でもあります。


まず驚かされたのは

好きな事を仕事にするのがいかに大切であるか、それがどれ

だけ精神的に重要であるか、と云った実例が到る箇所にあっ

たことですね。

田宮俊作氏はまさにその幸運な例を体現している方で、

彼と彼の同僚達の「模型好きエネルギー」が、数々の工夫、

あるいは挑戦として形になってゆくわけです。


時には偏屈な金型職人達に認めて貰う為、朝方まで呑むのに

付き合い、時には戦車のディティールを把握する為に一触即

発のイスラエルまで実物を見に行ったりと、実態はさながら

冒険小説のよう。



当然のことながら上手く運ぶ仕事ばかりではありません。

しかし様々な「模型好きエネルギー」の持ち主が田宮氏の

前に現れ、彼を助けるのです。



最近個人的に「シンクロニシティ」(予定されていた偶然と

でも要約すべきか)という現象が気になっている処だったの

ですが、やはりそういった「共時性」という現象は存在する

のかもしれませんね。

そんな事もふと考えさせられました。



今回採り上げた『田宮模型の仕事』ですが、昔プラモに嵌っ

た方のみならずビジネスの指針を求めている方にもなんらか

の示唆がある、幅の広い本だと思います。一読をオススメ!




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間宮兄弟

2004年11月19日 | オススメ文芸
「格好わるい、気持ちわるい、おたくっぽい、

むさくるしい、(略)恋愛関係には絶対ならない、

男たちなのだ」

女性たちからそんな目で蔑まれながらも

日々健気に、平和に生きる兄弟の、のほほんライフ。


えー、遅ればせながら私バイトM

生まれて初めて江國香織の作品を読んでおります。

タイトルは『間宮兄弟』


正直恋愛小説なんて嫌いなんですけどね、

でもこの作品は侮れない。


考えてみると、男の視点から描かれた物語の

駄目男は多々いれど、女性の視点から描かれた

この手の駄目野郎ってまず見当たらないですよね。

一時期話題になった倉田真由美とかが採り上げる

男どもは外道過ぎると云うか、

カリカチュアライズのフィルターが強すぎるし。

男性ホルモン人並み以下・闘争本能まったく無し系の

だめんずの方が

私の場合は同性として共感できる訳なんですが。


私などは読んでいて

そういった非暴力精神に溢れた無力な駄目野郎たちを

今あえて女性作家が描いたということに重要な意味

があると感じてしまうのです。


やっと等身大の登場人物が現れたな、という感嘆というか。


まだバイトM自身読む途中なんで、

人に奨めるのもどうかとは思われますが

「最近男でいるのしんどいな」とかつい感じてしまう

お疲れ気味の方。

一読をお勧め。


勿論女性も楽しんで読んでください。