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戦力外通告~響き悲しい年の瀬

2021-12-29 | 日記
命短し。
野球に限らずプロのアスリートの年の瀬は厳しい。
毎年つらい番組をみてしまう。
TBS系「戦力外通告」が28日深夜、放送された。
例年は、もう少し早い時間帯だったような気がする。

プロ野球選手と言えば、野球少年のあこがれであり、超エリート、セレブだ。
元侍ジャパン守護神で37歳のアンダースロー牧田和久(元楽天)が、番組で取り上げられていた。
11年、西武でパ新人王、後にMLBパドレス入り後、楽天で日本復帰。
日米プロ通算55勝(52敗)27セーブ78ホールド。
申し分のない実績だ。
晩年になると、つっけんどうだった多くの選手は丸くなる。
就職活動をし始めるのだ。
だが、この牧田は一匹狼を貫く。
各球団がベテランを欲しがるのは、実力もさりながら、若手への指導力、影響力だ。
今季、牧田は1軍での実績は奮わなかったが、2軍では防御率0・33と格の違いを見せた。
年齢もある、年俸の高さ(推定1億円超)もある。
が、各球団が二の足を踏むのは複雑な情況が横たわる。
トライアウトは受けなかった。
1歳半の娘を持つ元侍ジャパンが、宙ぶらりんの正月を迎える。
幼い頃から脇目も振らず、切磋琢磨してきたのは牧田に限らない。

文武両道はプロ野球選手にとって、理想だが、そんな人物は一握り。
肉体が衰え、フルパフォーマンスが出来なくなったら、20代でも30代でもポイ捨ての世界。
野球以外の世界を若くして、放り出されたら路頭に迷う。
現役の頃は「野球だけに心身を砕け!」といわれる。
また、そうでなければ、超エリート集団の中で、レギュラーを長年張れない。
子供の頃から、彼らは村の、町の、郷土のヒーロー。
ほんの一握りの人間だけが、プロの世界でスポットを浴びる。
だが、どんなスーパースターでも人生の半ばで、引き際を考えざるを得ない。
イチローでも、松坂でも、例外はない。
景気のいい時代なら、一線で活躍していた選手は、どこかしこに所属し、評論が出来た。
新聞、テレビなどのスポーツメディアは、もう昔のように誰でもいい、という余裕などない。
受け皿は極端に狭くなった。
独立リーグ、社会人野球…。
といっても、独立リーグの給料は多くて月給10万円(年間ではなくシーズン中だけ)。
野球が好きだから、続けられる。
が、家族友人知人の支援なしには無理だ。
生活費を稼ぐため、バイトしながら夢を追う。
ウーバーイーツのバイトをしていた選手が、とんでもない、わいせつ事件を起こした。
プロ野球でも、160キロ左腕の希望の星が、球団内で窃盗事件を起こして、将来を棒に振った。
残念ながら、特別なことではない。
これまでは「内密」のまま消えていった選手はいた。
今では、あっという間にネットで拡散される。
球団も、今の時代、隠し通せない。
隠し通せば、球団関係者自体の引責問題に発展してしまう。

野球というスポーツは人生そのものだ(長嶋茂雄)
MLBをめざす鈴木誠也(広島)のような選手もいる。
ピークの短いプロ野球界は、社会の光と影を映し出す。






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