僕は露天風呂にいます。
透き通った水に
太陽の光がうつり
揺らめいています
底の黒い石に
その揺らめきが映っています。
とても奇麗です。
時にサーッと風がふき
光は小さな粒のようになる。
それはまるで
さざ波だ
僕は足を湯船から投げ出して
風呂の枠にのっけている
その向こうにはガラス
ガラスの向こうは大きな木が数本。
その木の向こうは
大きな湖
湖の向こうは山々
さすがに山はかすんで見える
前の木にはかわいらしい鳥がいる
ガラスをよく見れば
不思議な虫たちが沢山いる
湯船をよく見れば
小さな生き物たちが浮いている
僕は観察を止めて目を閉じ
鼻から空気を吸ってみた
吐き出さずしばらく肺にためてみた
体は既にほてっていて
汗が額から
ほほへ流れた
とその時
心地よい風がサーッと
僕の足と、顔、肩を
撫でた
僕も我慢するのをやめて
息をはいた
フーッと。
「僕は生きている」
こんないい露天風呂を
楽しんでいる。
へんな自己暗示ではなくて
純粋に心地よいのだ。
仕方ない程に。
空気は濃いし。
風呂で我慢すれば
その後のビールが美味しい。
純粋な欲望が僕にはあるのだ。
歌でも歌っちゃおうかな・・・
♪
ア・ビーバップルーラ
♪
ってね!
8 22 2006 Akita
at Towada Hotel