『売上を伸ばす秘訣』
ソリューション型営業という言葉は、顧客が抱える問題の解決法を提案し、
それを実現するような商品やサービスを受注する営業方法を意味しています。
そこで、今回はアプローチの進め方について解説していきます。
まず、顧客の状況を把握しておくことが大切です。
顧客が提案内容に関心を持っているか、
またその予算が準備されているかによって、
提案者サイドの営業スタンスが決まるからです。
クロス分析の考え方のテンプレートを使って考えてみます。
・X軸 :投資余力(提案内容に予算を持っているか)
・Y軸 :顧客の関心度(提案内容に関心を持っているか)
以下に、象限ごとの解説及び戦略を詳しく説明していきます。
【第1象限】
第1象限の顧客は提案内容に関心を持っており、
提案内容に必要性を感じているが、予算が用意されてない場合です。
この場合は上司への上申資料を一緒に作成すると効果的です。
特に投資メリットに重点をおくことが大切です。
【第2象限】
第2象限の顧客は提案内容に関心があり、しかも予算化されている場合です。
ハードウェアのリースの更新時期が迫っている場合のように、
すでにスケジュールが決定している場合等が当てはまります。
「成約の結論がすぐに出る、機が熟した案件」といえるでしょう。
当面の重点営業顧客ですので、相手のニーズを満足させるタイムリーな
プレゼンテーションが求められます。
【第3象限】
第3象限の顧客は予算化されているが、提案内容に関心を持っていない場合です。
原因としては訪問営業マンが顧客の本音を聞き出せておらず、
そのため焦点のあっていない提案になってしまい、
顧客が他社提案を推薦、あるいは新規取引先に対する
抵抗感・不安を感じている場合等が挙げられます。
または、顧客自身に問題の所在を認識されていない場合も考えられます。
いずれにしても、自社にとってのキーパーソンを新たに探索し、
接触することが求められます。
【第4象限】
第4象限の顧客は提案内容に関心もなく、しかも予算化されていない場合です。
この顧客への提案・見積りという対応には、他象限と比べかなり時間がかかります。
アプローチの方法としては、見込み顧客として1ヶ月に1度訪問を行うというふうに、
継続した営業活動が有効となります。
この顧客に短期的な受注を期待するのは禁物です。
腰を据えた継続的なアプローチができなくなり、
ついには見込み顧客としてのストックができなくなってしまうからです。
そこで、他の提案中の顧客への訪問時に「ついで営業」で
フォローする必要があります。
「ついで営業」とは、この顧客への訪問を主目的にせず、
他顧客訪問の際にその近辺の会社に、顔出し程度に営業を行うことです。
継続的な情報提供の訪問を行うことで、相手の状況変化を読み取ることが
可能になります。
以上、4つの象限別の営業スタンスを解説してきましたが、
顧客状況から各象限の営業スタンスを認識し、
4つの象限に合った営業行動をすることが重要です。
第2象限の顧客を前提にしたワンパターンの営業スタイルでは
ビジネスチャンスは極めて少なくなります。
第4象限の顧客を「ついで営業」でフォローする事により
見込み顧客をストックできるのです。
つまり、見込み顧客のストックの多さが売上増を図る秘訣なのです。
以上