SEからコンサルタントへの華麗な転身

科学的アプローチによるPG・SEからコンサルタントへのスキルアップの実践的な方法を紹介します。

クロス分析による優良顧客の判別

2008-06-27 | クロス分析チャート

    『クロス分析による優良顧客の判別』
 

良いお客様かどうか判別を行う方法に「RFM分析」が有名です。
RFM分析とは、R=Recency(最新購入日)、F=Ferequency(購入頻度)、M=Monetary
(購入総額)の3つを尺度に、優良顧客を判別するための手法です。
例えば「最新購入日が1カ月以内なら5ポイント、3カ月以内なら3ポイントとする」と
いったルールに基づいて、RFMそれぞれを加点して、顧客別のRFMポイントを算定
します。 企業にとって限られた商品やサービスを、RFMポイントが高い優良な顧客を
中心に提供することが、最も収益を生む方法であると判断されています。
特に通販会社などでは、顧客・商品特性によって、その評点ルールや活用方法を
変更していますが、基本的な使い方は共通しています。

RFMポイントなどの数値のみでは、判別に限界がありますので、クロス分析で
ポジショニングを行い、優良顧客を「見える化」します。
X軸にFerequency(購入頻度)、Y軸にRecency(最新購入日)、Z円にMonetary
(購入総額)を設定します。

【第1象限】
 購入頻度は低いが、比較的最近購入した顧客

【第2象限】(ベストポジション)
 購入頻度が高く、かつ最近購入した顧客
 
【第3象限】
 購入頻度が高いが、最近購入していない顧客
 
【第4象限】
 購入頻度が低く、かつ最近購入していない顧客

離脱する顧客は単に購入をやめるだけで、年会費などの支払い義務がなければ、
離脱することをわざわざ連絡することはないでしょう。
よって、企業はRFM分析を使って、顧客が3 ヶ月購入しなければ離脱したと判断
しています。この場合、全ての顧客を同質とみなしていませんか?
Recency(最新購入日)が同じであっても、購入間隔が長い顧客は離脱の心配は
無いのではないでしょうか、反対に購入間隔が短い顧客は離脱する可能性は高い
のではないでしょうか。
顧客管理では、顧客の離脱率または維持率を把握して、顧客の生涯価値
(Customer LifeTime Value)を計算する必要があります。
よって、全ての顧客を同質とみなしていては、離脱を防ぐことはできません。

通常の「RFM分析」でも、各々の顧客に対して対策が行われています。
しかし、クロス分析でポジショニングを行うことで、あるエリアの顧客に対して、
特別な配慮を怠ったため、収益を得る機会を失っていたことが「見える化」しました。

このあるエリアとは、【第2象限】で優良顧客であるとポジショニングされているが、
購入頻度が高く【第3象限】に近い顧客は、購入頻度に見合うようなRecency
(最新購入日)を示していないので、離脱する可能性が高い。よって、早急に
【第3象限】と同様の対策が求められます。
また、【第4象限】で優良顧客でないとポジショニングされているが、購入頻度は低く
【第1象限】に近い顧客は、比較的最近購入した顧客で、予想外の収益をもたらして
いるので、【第1象限】と同様の対策が求められます。

優良顧客だと思っていたのが、実は離脱の可能性が高い顧客であれば、
行うべき対策は全く違うのではないでしょうか?
ポイントによる安易な区分けではなく、『クロス分析チャート』を使って、
ポジショニングを行うことで、本当の顧客を「見える化」することができます。
選択と集中を行い、販促活動を行っても、間違った選択と集中であれば効果は
期待できないと思われます。

『クロス分析チャート』によるポジショニングを行い、優良顧客を「見える化」する
ことで、選択と集中を行い、より効果の高い販促活動を行うことをお勧めします。

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