SEからコンサルタントへの華麗な転身

科学的アプローチによるPG・SEからコンサルタントへのスキルアップの実践的な方法を紹介します。

企業における効果的なIT投資 第4回 プロジェクトマネジメント(1)

2008-07-14 | コンサルタント養成講座

  『企業における効果的なIT投資 第4回 プロジェクトマネジメント(1)』
 

先週より「企業における効果的なIT投資」を取り上げております。

「システム開発業者」の見積りを、自らが見極めて、契約を行っても、自らがしっか
りと管理・監督しないと、予定していた金額・納期で、予定していたシステムが完成
するとは限りません。

よって、「ユーザー企業」側が「効果的なIT投資」を行う為には、管理・監督に必要
なスキルでもある「プロジェクトマネジメント」を「ユーザー企業」側の視点で
説明をさせていただきます。
また、全て必要かというと、そうではありませんので、「ユーザー企業」側で押さ
えておいていただきたいポイントを中心に説明をさせていただきます。

今回は「プロジェクトマネジメントの概要」と「変更管理」を取り上げます。次回以
降は「進捗管理」、「要員管理」、「品質管理」、「リスク管理」、「外部委託管理」
を取り上げる予定にしています。


●プロジェクトマネジメントとは

 プロジェクトとは、
  ・「開始」と「終了」がある。
  ・人的資源、物的資源、コスト等の制約がある。
  ・独自のサービスや成果物を生み出す。
 と言われています。

 また、目的、期間、資源という切り口でとらえれば、反復活動でない特定目的の
 仕事は全てプロジェクトだと言えます。

 プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの制約条件である、品質(Quality)、
 コスト(Cost)、時間(Delivery)のバランスを常に考慮しながら、プロジェク
 トを遂行して、期待したアウトプットを得ることだとも言われています。

 1960 年代にアメリカ国防省で、軍事対策や宇宙開発分野で研究されました。そ
 の後民間企業へ広まり、プロジェクトマネジメントの団体であるPMI(Project
  Management Institute)が組織されました。このPMIにおいてプロジェクトマ
 ネジメントを、PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)として、
 体系的に整理して、プロジェクトマネジメントの世界標準として運用されています。

 最近では、プロジェクトの短期化・低予算化に加えて、取り巻く環境の不確実性が
 増したことで、計画通りに運営することがより困難になってきています。
 よって、「システム開発業者」においても、特に「プロジェクトマネジメント」は
 重要なスキルとなっています。
 特にPMBOKに準拠した研修が行われますが、「ユーザー企業」側ではなじみの
 薄い用語が多いので、PMBOKの用語は使わずに、日常的に使っている用語を使っ
 て、わかりやすく説明します。

  ※PMIとは、全世界で約4万人にPMP(Project Management Professional)
   資格を認定している米国に本部を置く協会です。
  http://www.pmi.org/
  http://www.pmi-tokyo.org
  ※PMBOKとは、PMI によるプロジェクトマネジメントの基礎プロセスを
   明確にして、プロジェクト遂行管理を成功に導くためのプロジェクトマネジ
   メントの知識を体系化したものです。


●変更管理とは

 プロジェクト開始時に決められた、何をどこまでやるのかというプロジェクトの
 スコープに変更が発生した場合に管理することです。

 主な管理として、変更要求の原因を把握する必要があります。変更要求の原因と
 して、プロジェクト外部に起因する要因、プロジェクト内部に起因する要因など
 があります。
 
 特に、システム開発で最初に行う分析や設計まで逆戻りするような変更が、シス
 テムの製造段階で見つかると、プロジェクトに大きな影響を与えます。
 分析や設計の良し悪しがプロジェクト成功の鍵となり、その決め手となるのが、
 要求仕様書の良し悪しになると思います。
 要求仕様書に関しては、「第2回要求仕様書」を参照してください。
 
 プロジェクト責任者は、全体最適の視点で、バランスを取って、変更管理を行う
 必要があります。
 重要なのは変更の手順をあらかじめ決めておくことです。決めておかないと、担
 当者が口頭で変更を受け入れ、設計書などを勝手に変更する恐れがあります。担
 当者レベルで勝手に変更を行うことで、他の部分と整合性がとれなくなるなど、
 全体に悪影響を及ぼすことになります。
 変更の手順は、プロジェクト計画時に文書化し、プロジェクトメンバーに説明し
 ておく必要があります。

 主に「システム開発業者」が行いますが、「ユーザー企業」側は、変更内容をレ
 ビューして承認する必要があります。


弊社では、プロジェクトの失敗事例を用いた「ユーザー企業」様向けのプロジェク
トマネジメント研修を行っております。
コンピュータとは関係のない身近な事例を取り上げることで、システムご担当者で
ない方でも、プロジェクトマネジメントのスキルを身につけていただけるような演
習を準備させていただいております。

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