ヒューマン・リーグがいつの間にやら再結成してたそうで。復活作『Credo』を聴いてみると、これがまた昔の作風のまんま。ただ、キャッチーでポップな気配は後退し、女声ヴォーカルは相変わらず素人丸出し。メロディは単調に繰り返されるだけで展開に乏しく、また実験性も見られない。初期に特に顕著だったフィル・オーキーの才気もすっかり遠い過去のものとなり、いまあらためてヒューマン・リーグを復活させるオーキーの意図はまるで不透明。いったいフィル・オーキーになにがあったのか?
『Credo』の内ジャケを見て驚いた。そこにはフロントマンである3人、オーキーとコーラス女子の写真がある。両脇にいる女子2人の顔は、やはり年月の流れを感じさせはするものの、あのお顔だ。しかし、この真ん中にいる男の顔は見たことがない。一瞬、スマッシング・パンプキンズで歌っている人? いや、ピクシーズで歌っている人? と見えてしまう、この頭ツルツルの男こそがなんとフィル・オーキーその人だったのだ。
あの長髪サラサラのオーキーはいなくなっていた。このスキンヘッドのゴツい男は、ビールとフィッシュ&チップスを抱えながらフットボールを楽しんでいるイギリスの普通の中年オヤジだ。いや、彼もイギリス人で、フットボールを観るときにはそういう風になってしまうのだろうけれど、しかし写真で見るかぎり、カリスマ性とかスター性とかはすっかりなくなっていて、どこにでもいる一人のフットボール・ファンにしか見えない。以前はどこか危うさを含んだ、気配に近寄り難さがあったオーキーだが、いまは別の危うさ(フーリガン的な)を孕む男になってしまった。
たとえばツルツル・オーキーが『ファッシネーション』なんて歌ってるのを見たとしたらどうなのだろうか。めちゃくちゃ長いワンレングスを避けながらマイクに向かっていたころのあの姿を思い浮かべると、いまのツルツル・オーキーはただのモノマネにしか見えないのではないか。しかも昔のオーキーは化粧までしていた。バッチリ決まったメイクというより、ちょっと崩したメイクがまたサマになっていた。いまのオーキーも化粧をするのだろうか? スキンヘッドのままあのメイクをするとなると、ただの変態に成り下がってしまう可能性も少なくない。いっそのこと白塗りにしてしまった方がいいのかもしれないが、しかしそれだとヒューマン・リーグではなくクラシックス・ヌーヴォーみたいになってしまいそうだ。
そんなヒューマン・リーグが来日するらしい。会場がクラブやライヴハウスであるならイメージどおりだが、ビルボードである。テーブル席で飲食しながら観るヒューマン・リーグというのも隔世の感がある。過去のヒット曲連発のステージにするとコーラス女子が明言しているので、80'sの雰囲気プンプンの楽しいライヴになるだろうが、でも歌うのはツルツル頭にガッチリした身体のフーリガン男である。ミスマッチだらけなライヴはどんなものになるのか……。
こうイメージと違う様相のライヴとなると、どうにもこうにも気になって仕方がなくなってくる。結果、ビルボードに行くことにした。『レバノン』や『ヒューマン』は2011年のいま、どう響くのか? ツルツル頭のオヤジに『Don't You Want Me』と言われるのは普通なら勘弁してほしいところだが、今回ばかりは好奇心が勝る。この好奇心がいい意味でのカルチャーショックにならんことを。
『Credo』の内ジャケを見て驚いた。そこにはフロントマンである3人、オーキーとコーラス女子の写真がある。両脇にいる女子2人の顔は、やはり年月の流れを感じさせはするものの、あのお顔だ。しかし、この真ん中にいる男の顔は見たことがない。一瞬、スマッシング・パンプキンズで歌っている人? いや、ピクシーズで歌っている人? と見えてしまう、この頭ツルツルの男こそがなんとフィル・オーキーその人だったのだ。
あの長髪サラサラのオーキーはいなくなっていた。このスキンヘッドのゴツい男は、ビールとフィッシュ&チップスを抱えながらフットボールを楽しんでいるイギリスの普通の中年オヤジだ。いや、彼もイギリス人で、フットボールを観るときにはそういう風になってしまうのだろうけれど、しかし写真で見るかぎり、カリスマ性とかスター性とかはすっかりなくなっていて、どこにでもいる一人のフットボール・ファンにしか見えない。以前はどこか危うさを含んだ、気配に近寄り難さがあったオーキーだが、いまは別の危うさ(フーリガン的な)を孕む男になってしまった。
たとえばツルツル・オーキーが『ファッシネーション』なんて歌ってるのを見たとしたらどうなのだろうか。めちゃくちゃ長いワンレングスを避けながらマイクに向かっていたころのあの姿を思い浮かべると、いまのツルツル・オーキーはただのモノマネにしか見えないのではないか。しかも昔のオーキーは化粧までしていた。バッチリ決まったメイクというより、ちょっと崩したメイクがまたサマになっていた。いまのオーキーも化粧をするのだろうか? スキンヘッドのままあのメイクをするとなると、ただの変態に成り下がってしまう可能性も少なくない。いっそのこと白塗りにしてしまった方がいいのかもしれないが、しかしそれだとヒューマン・リーグではなくクラシックス・ヌーヴォーみたいになってしまいそうだ。
そんなヒューマン・リーグが来日するらしい。会場がクラブやライヴハウスであるならイメージどおりだが、ビルボードである。テーブル席で飲食しながら観るヒューマン・リーグというのも隔世の感がある。過去のヒット曲連発のステージにするとコーラス女子が明言しているので、80'sの雰囲気プンプンの楽しいライヴになるだろうが、でも歌うのはツルツル頭にガッチリした身体のフーリガン男である。ミスマッチだらけなライヴはどんなものになるのか……。
こうイメージと違う様相のライヴとなると、どうにもこうにも気になって仕方がなくなってくる。結果、ビルボードに行くことにした。『レバノン』や『ヒューマン』は2011年のいま、どう響くのか? ツルツル頭のオヤジに『Don't You Want Me』と言われるのは普通なら勘弁してほしいところだが、今回ばかりは好奇心が勝る。この好奇心がいい意味でのカルチャーショックにならんことを。