1961年2月記という「はしがき」のある大学書林刊、長塚隆二著「生きたフランス語会話」P.19をみていた。
Xの発音は、結局一つ一つについて正確に覚えるほかはない、とある。
例えば、George Sandの小説「Le Marquis de Villemer」に登場するXantraillesのXは[S]。Xanrof,Xancourtは[KS]、Xavierは[GZ]、Xeniaはロシア名の場合は[KS],アメリカ名の場合のXeniaは[Z]、などの例が挙げられている。
固有名詞は日本語の場合もそうだが、それぞれ独自の発音があり、同じつづり字でも、発音される言語によっても異なる。
そこでYvette Guilbertの「Le fiacre」などの作詞家としても有名なLeon Xanrofは日本にどういう発音で紹介されていたか気になって、薮内久氏と永田文夫氏、それぞれの著作でチェックしてみた。
どちらもレオン・グザンロフとあった。
このシャンソンの作詞家の場合は例外的にグザンロフ、しかしフランス語としては一般的にはクサンロフということなのだろう。
私の友人のスペインのバスク人Xavierはグザビエではなくてザビエだったが、フランスでは一般的にグザビエと呼ばれるのだろうか。
世界史に登場するアケメネス朝ペルシャのクセルクセス1世のスペリングはXerxes,ギリシャ人の現代音楽家クセナキスはXenakis。
今までさほど気にならなかったが、調べれば調べるほど混乱が増すだけだ。
複写機メーカーのゼロックスはZでなく、Xerox、そしてこれは起源ののせいもあるが、一番よく知られているところで言えば、Xmasがクリスマス。
いつか時間があれば、同じことをCHででも検討してみたい。キなのかシなのかチなのか、いろいろ出てくるだろう。CHAはチャなのか、シャなのかヒャなのか、などなども、いろいろと。
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Iannis Xenakis par Yuji Takahashi ;
Iannis Xenakis 「Bohor」
Iannis Xenakis 「Pour Maurice」