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朝日記230715 随想―何もしないほうが得な日本

2023-07-13 22:03:17 | 自分史

朝日記230715 随想―何もしないほうが得な日本

       初出し 2923年夏季号 HEARTの会 会報No.114

     NPO法人 人間環境活性化研究会報 

―随想―何もしないほうが得な日本

                  会員 荒井 康全

 
 

 

**徒然ごと
明けのカラスがときどき屋上ベランダ

で仲間と呼び合っています。

習慣的に、彼らを牽制するためにそこ

   


まであがり、だいたい、そのまえに彼らはさわぎながら飛び去ります。

日の出前の空や、朝靄がたちこめた家並みをひとわたりながめ、また、降りてきます。

こんどは蝉がさわぎたてはじますがかまってはいられないのでそのままにします。

 

 
 


コジュケイがいつのまにか、近辺から鳴きたてます。
子雛をひきつれているイメージの鳥です。‘ちょっとこい、ちょっとこい’と聞こえます。

 

戦時中の集団疎開にいった知人の体験では、これが‘ちょっとくい、ちょっとくい’と聞こえ、ひもじさが身にしみていたといいます。この話をきいたのも半世紀前ですが、記憶が刻印となっていて、コジュケイの声をきくたびに そのひとの表情までもあらわれます。

   

 

**昭和電工は半導体企業に

     
       
 


昭和電工が日立化成を合併してナノ原料から半導体完成品まで一貫製造する世界最強・最大級の半導体企業になることを確信したい。戦前戦後の国の基盤材アルミと肥料から、いままた半導体開発企業化へ日本を世界最強産業国としての再生復活を担うことになろう。レゾナックがんばれ!!

 

 
 


**太田肇氏の新刊新書、全体主義のパラドックス「何もしないほうが得な日本」をいかに克服できるのか? 消極的利己主義の構造と打開策について所感を述べたい。

 

ひとつの見方・モデルとして思考の枠として意味があるようにおもいます。ただper capitaのGDPが低下していることはこの国のエネルギーと国民の意識が劣化していると括って結論してしまうのは短絡しているようにも思えます。

     
     
   
 


日本の江戸時代の成立と成熟と、明治開国以降の近代国民国家の形成と成熟と、ある意味で相似していて、これが停滞感、閉塞観を感じさせるようです。しかしある意味で、日本が一周先に到達しているかもしれません。日本経済が内需的市場になっている、また国土インフラも投資として、いきつくところまできている、つまりフローとしても、ストックにしても飽和レベルに入っているといえるのではないかと思います。課題先進国とみることもできます。その意味で、ドイツ、英国など似た構造と状態の国と国民の社会的、文化的、歴史的な比較分析をしてみる必要があると思います。

いまグローバル化時代が世界的な規模での変曲点にあるので、ネガティブにみえますが、いまの日本の飽和的にして平穏充足的平衡状態は一挙に壊れる危険性はあり得ます。これに国家的、国民的危機の現実感を持ちます。この変局からくる動的非平衡と不安定性に対して、逆に日本は否応なしに危機感が国内的に突発し、みずからの変革を急速に意識する。ある意味で大パニックに陥る可能性を感じます。

この場合、理性的に秩序だったとりくみ(disposition)が求められます。それでもなお、日本の産業立国としてこれまで培ってきた考え方、行動方式がふたたび生きてくるとおもいます。この国の民の内的エネルギーの大きさと品性の高さを信じたい。ただ、ここであげられた課題項目をひとつずつ襟をただして吟味していく意識改革は大切ではあります。今回のお話はそういうことの刺激のための思考モデルのひとつとして、冷静にとらえることが大切と考えます。

            

 

絵 康全

 

 


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