朝日記140428 畏友安部忠彦さんからのメッセージ 「三つの宝」と今日の絵
おはようございます。 きょうは畏友安部忠彦さんの作品について書きます。
絵は 春の空 と チューリップです。
徒然こと1 芥川龍之介 みっつの宝と「青空文庫」のこと
わが畏友の安部忠彦さんから、かれのfacebookを通じて ふたつのことを教えていただいたので紹介します。
ひとつは、芥川龍之介の短編 三つの宝の紹介。
もうひつは、この短編が読める青空文庫の存在とそのあたらしい図書館機能効用の意味でした。
まずは、 つぎのクリックでひとつめをご覧ください。芥川龍之介 三つの宝
徒然こと2 私の感想です。
安部さん、いいものをご紹介くださいました。三つの宝は、作品としてすぐれています。人間の本質を考えさせるものをやさしくたのしく、なんどもくすっと笑わせてくれました。そしてそれが人間が共通の存在のために英知を生み出す哲学命題へと昇華させてくれる力があることに気づきました。
とはいえ、まだ明示的に命題表現はできていません。たぶんこちらの頭脳ではむりかなともおもいましたが、無能さをたのしんでいます。
もうひとう、青空文庫をご紹介してくださったこと、ありがとうございます。これもあたまの下がる、すばらしいヴォランティアの人たちの貢献です。以前に藤村の作品をこれで読んだ気がしますが、青空文庫のもつ次世代的な貢献性には気づきませんでした。カントなどの作品ももっか入力しているひとがいるのですね。青空文庫で古典論文などもきっと入力されることでしょう。
安部さんがICTにたいして、人間や社会の基盤となる可能性を、これまで積極的に肯定的されてこられたが、その意味がわかる気がしてきました。縷々Thanks, Abe san.
徒然こと3 命題表現 この話は人種差別的なものだろうか。
安部さんご自身は、違うといわれるかもしれませんが、私の感想は以下です:
氏は、ものごとの存在的な意味の本質について、これを現象論的にとらえて、それを表現媒体として哲学に昇華してしまうまえに、生きている人間の生活のあり様を文学という媒体で表現しようとされているとみています。
すでにここでご紹介したかれの小説「かろみっこ」などは、まさにそういう投げかけをもっています。
氏は表現の可能性としての媒体そのものにも思うところがあって、たとえばTwitter世界でのような単文表現が現実に存在していることにも目をそそぎ、この媒体としての表現の可能性を、文章の形式としても追求されます。これは 小説「かろみっこ」で実験されたいていました。
「かろみっこ」では、現象的な人間表現そのものの次元にとどまっていたようにおもいますが、第二作の短編である「ウィスキーとルビーの首飾り」では、モーパッサンの命題提起との双対をなすような観があります。
有名なモーパッサンの首飾りが 過失の償いと報酬に対して この安部第二作は願いの仕込みと報酬 となっています。第三者をして命題原型として誘惑を感じるものがあります。
さて、そして今回の芥川の「三つの宝」では、あらためて 表現の自由の可能性の問題を投げかけているようです。
氏は、 「この話は人種差別的なものだろうか。NGワードに縛られずに文章を書きたい」として括っておりました。
以上
==== 以下は 安部さんとのコメント交流記録です====
安部さんとの会話 安部第二作について (あらいやすまさ)2017-04-29 13:00:21
荒井さん、的確な論評をいただき恐縮です。
二作目のウイスキーと首飾りは数日後にNHKが募集しているラジオドラマ原作に応募します。ラジオドラマ向けに投稿するために、声に出したときに不自然にならないように、という注意喚起を、ナレーター修行中の当店アルバイトの茉莉ちゃんからもらいました。この作品は、少なくとも一次選考はパスするのではないかと期待しています。
そして、三作目は猫と意思疎通できる娘(25歳)の清潔感ある恋愛譚です。この主人公は平山くるみちゃん(設定ではかろみちゃんの妹、東京外大卒・外人向けコールセンターのオペレーター)です。猫と意思疎通できるところだけがSF仕立ての、日記形式のものになります。
四作目に、三つの宝のような異郷・異次元設定の寓話を書きたいのですが、NGワードを避けて通ると切れ味のない刃物のようになるので非常に書きにくいです。
例えば今、桃太郎のような話を書くとしたら、鬼がいかに悪いことをしてきたか、それに対して人間側のヒーロー桃太郎がどのように征伐するのかを、政治的なメッセージ抜きに書いても、読み手が勝手に「蛮人とはなんたる差別だ、国旗を先頭にして討伐とは軍国主義の肯定だ、」と言いかねない状況です。ま、それをクリアして書くしかないのですが現代の「言葉狩り」の風潮を、自分で書くようになってから痛感します。
安部 忠彦
安部 忠彦 絵で言えば、黒は〇〇主義を象徴する色だから使うのは不適切だ、といわれたら嫌なので茶色で書くのか、それとも、批判覚悟で黒を使うのか、と言うようなことになると思います。
この年になると怖いものはないし、失うものもないので、自分が黒と思ったらその色を使うつもりでいます。
荒井 康全 ポリティカル・コレクト(ことば狩り)をテーマした寓話などもよろしいですね。お隣の国は先鋭ですが、こちらの国もことば狩りの中毒にはまっています。これを見事にやぶって勝ち抜いてきたのがトランプです。大事なことは何か、なにが大事かを、その意味をやさしい言葉で語りかける、声をかけるということでブレークしてきました。ともかく国民の半分の支持を得ています。きょうの日経などのトランプ100日で論説の方向性のみえない、ただbluff政治など評していますが、どうもメディアはすでに発想抜きのinstitutionの中毒におちていますね、発想の転換ができない。織田信長のような意思決定の電撃性についていけないのでしょう。かれらの役割りを終了した観があります。話がそれましたが、感想です。
荒井さん、的確な論評をいただき恐縮です。
二作目のウイスキーと首飾りは数日後にNHKが募集しているラジオドラマ原作に応募します。ラジオドラマ向けに投稿するために、声に出したときに不自然にならないように、という注意喚起を、ナレーター修行中の当店アルバイトの茉莉ちゃんからもらいました。この作品は、少なくとも一次選考はパスするのではないかと期待しています。
そして、三作目は猫と意思疎通できる娘(25歳)の清潔感ある恋愛譚です。この主人公は平山くるみちゃん(設定ではかろみちゃんの妹、東京外大卒・外人向けコールセンターのオペレーター)です。猫と意思疎通できるところだけがSF仕立ての、日記形式のものになります。
四作目に、三つの宝のような異郷・異次元設定の寓話を書きたいのですが、NGワードを避けて通ると切れ味のない刃物のようになるので非常に書きにくいです。
例えば今、桃太郎のような話を書くとしたら、鬼がいかに悪いことをしてきたか、それに対して人間側のヒーロー桃太郎がどのように征伐するのかを、政治的なメッセージ抜きに書いても、読み手が勝手に「蛮人とはなんたる差別だ、国旗を先頭にして討伐とは軍国主義の肯定だ、」と言いかねない状況です。ま、それをクリアして書くしかないのですが現代の「言葉狩り」の風潮を、自分で書くようになってから痛感します。
いいね! · 返信 · 3時間前
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安部 忠彦
安部 忠彦 絵で言えば、黒は〇〇主義を象徴する色だから使うのは不適切だ、といわれたら嫌なので茶色で書くのか、それとも、批判覚悟で黒を使うのか、と言うようなことになると思います。
この年になると怖いものはないし、失うものもないので、自分が黒と思ったらその色を使うつもりでいます。
いいね! · 返信 · 3時間前
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荒井 康全
荒井 康全 ポリティカル・コレクト(ことば狩り)をテーマした寓話などもよろしいですね。お隣の国は先鋭ですが、こちらの国もことば狩りの中毒にはまっています。これを見事にやぶって勝ち抜いてきたのがトランプです。大事なことは何か、なにが大事かを、その意味をやさしい言葉で語りかける、声をかけるということでブレークしてきました。ともかく国民の半分の支持を得ています。きょうの日経などのトランプ100日で論説の方向性のみえない、ただbluff政治など評していますが、どうもメディアはすでに発想抜きのinstitutionの中毒におちていますね、発想の転換ができない。織田信長のような意思決定の電撃性についていけないのでしょう。かれらの役割りを終了した観があります。話がそれましたが、感想です。