美容院へ行く。
ここは高い……。
何度も、他の美容院をリサーチしては、
違うところへ行ってみようかと思うのだが、
どうしても行けない。
施術がいいのは当然として、
担当してくれる人の、
トークが上手いのだ。
多分、水商売のように、
細かく、その日話したことを、
記録しているんだろう。
例えば、最初に、
天気の話だとか、
「これからお出かけですか?」
とか、通り一遍の切り出し方は、
可能な限りしないように務めているようだ。
「あれから、○○はどうなりました?」
みたいなところから、切り出してくる。
そういう、マニュアルを感じさせない人に、
髪を切ってもらってしまうと、
別のところで、
またイチから気を使って、
面白くない会話をするのが億劫になってしまう。
★
と、いうわけで、
今日も担当の人に、
話題のひとつとして、
『五行歌』という名前こそ出さないけれど、
詩歌をやっていて、
それにまつわる話をしてしまう。
いや、悪いことじゃないんですけどね。
悪いことじゃないんですけど、
話しながら、
「あたしって、どうしてこういう話を、
興味ない人にできるんだろう……」
と、
自分のことながら、不思議に思ってしまう。
変な言い方なんだけど、
大切にしている部分のわりに、
結構安売りをする。
「よく、そんな話ができるなぁ。
相手のリアクションによっては、
致命的に傷つくのに、
なんなんだ、この無邪気さは」
と内心思いながら、話している自分が不思議だ。
そして、
黙っていようと思ってたのに、
何の話の流れだったか、
今度、JRの駅の道沿いに
作品を展示することまで、
話してしまう。
「話しておきながら、なんなんですが、
別に、見なくてもいいですから」
と、歌たちには申し訳ないが、
へっぴり腰なことを付け加えて、
適当に別の話に切り替えたんだけど……。
★
お勘定を済ませて、
お店を出たところで、
担当の人が追いかけてきた。
「展示、いつからいつなんですか?」
と、わざわざ聞きに来てくれた。
そこまでされたら、
言うしかないじゃないですか。
「6月21日~30日です。でも、筆名ですから」
なんだか、自意識過剰炸裂。
もう、無性に恥ずかしい。でも、
ほのかに、嬉しい。
その人は、
手の甲にペンで日付を書いていた。
別れてから、ふと、
ホストにはまる女性は、
こういう踏み込み方をされて、
悦に浸って、
やめられなくなるんじゃないか、と
思った。
こうやって、
高いなぁ~と思いながら、
他の美容院にかえることが出来ない、
私のように。
ここは高い……。
何度も、他の美容院をリサーチしては、
違うところへ行ってみようかと思うのだが、
どうしても行けない。
施術がいいのは当然として、
担当してくれる人の、
トークが上手いのだ。
多分、水商売のように、
細かく、その日話したことを、
記録しているんだろう。
例えば、最初に、
天気の話だとか、
「これからお出かけですか?」
とか、通り一遍の切り出し方は、
可能な限りしないように務めているようだ。
「あれから、○○はどうなりました?」
みたいなところから、切り出してくる。
そういう、マニュアルを感じさせない人に、
髪を切ってもらってしまうと、
別のところで、
またイチから気を使って、
面白くない会話をするのが億劫になってしまう。
★
と、いうわけで、
今日も担当の人に、
話題のひとつとして、
『五行歌』という名前こそ出さないけれど、
詩歌をやっていて、
それにまつわる話をしてしまう。
いや、悪いことじゃないんですけどね。
悪いことじゃないんですけど、
話しながら、
「あたしって、どうしてこういう話を、
興味ない人にできるんだろう……」
と、
自分のことながら、不思議に思ってしまう。
変な言い方なんだけど、
大切にしている部分のわりに、
結構安売りをする。
「よく、そんな話ができるなぁ。
相手のリアクションによっては、
致命的に傷つくのに、
なんなんだ、この無邪気さは」
と内心思いながら、話している自分が不思議だ。
そして、
黙っていようと思ってたのに、
何の話の流れだったか、
今度、JRの駅の道沿いに
作品を展示することまで、
話してしまう。
「話しておきながら、なんなんですが、
別に、見なくてもいいですから」
と、歌たちには申し訳ないが、
へっぴり腰なことを付け加えて、
適当に別の話に切り替えたんだけど……。
★
お勘定を済ませて、
お店を出たところで、
担当の人が追いかけてきた。
「展示、いつからいつなんですか?」
と、わざわざ聞きに来てくれた。
そこまでされたら、
言うしかないじゃないですか。
「6月21日~30日です。でも、筆名ですから」
なんだか、自意識過剰炸裂。
もう、無性に恥ずかしい。でも、
ほのかに、嬉しい。
その人は、
手の甲にペンで日付を書いていた。
別れてから、ふと、
ホストにはまる女性は、
こういう踏み込み方をされて、
悦に浸って、
やめられなくなるんじゃないか、と
思った。
こうやって、
高いなぁ~と思いながら、
他の美容院にかえることが出来ない、
私のように。