日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

原始的な音

2006年01月29日 | 引っ越しな日々
田んぼのど真ん中を突っ切る、新幹線の高架の点検に、作業服を着たおじさんたちが来ていた。

クレーン車(?)の先っぽに乗って、
おじさんふたりが、
とんかちで、コンクリートの高架を
カンカンと叩いている。

大きな大きな高架に比べて、
おじさんたちは無力なほど小さい。

とんかちのコンクリをたたく音は、
石器でかたい木の実をわるような響き。

人は、
あんなにあっという間に過ぎ去る乗り物を作り、
その土台を
あんな原始的な手作業で維持しているのか。

そして、そんな小さな手は、
誰かをきっと支えてて。

という意味合いのことが、凝縮されて、
私にぶつかってきた。

あまりにも濃縮された
一瞬のかたまりだったので、
対応しきれず、イタクテ涙が出てきた。

とんかちの音は響く。
遥か昔と変わりない音を響かせて。

炊飯器のご飯が炊けた音、
お風呂が沸いたことを告げる音、
電子レンジが温め終わった音。

あらゆる電子音がせかしてくる家に
帰る途中の風景でした。

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