タイトルが非常に興味を惹く本著は、
作者東野圭吾が、
「今ではもう書けない」という名著だった。
ミステリー作家である作者による
質の高いミステリー小説であると共に、秀逸なラブストーリーでもある。
何より非常に印象深い「序章」が、
後のストーリー展開にとって重要となる。
一目惚れ。
親友の恋人の出現。
そして、その恋人に恋をした主人公の葛藤。
よく有りがちなストーリーのように思えるが、
「パラレルワールド」の中で、このストーリーが展開していく。
「記憶」と「現実」の中、「真実」と「虚構」に揺れていく。
そして、そこにミステリーが絡み、
何が本当の「真実」なのか?
読んでいる読者自身も分からない。
そして、全てが明らかになる結末へと収束していく。
“神秘的なラブストーリー”
というレビューがあったが、正に言い当てていると思う。
この作品には、様々なテーマが含まれている。
それは、主に「友情」と「恋」に関することだが、
誰もが心に響く内容が、この小説には有る。
ストーリーの詳細は、敢えてここでは書かない。
ただ読んで欲しいと思える名著。
ミステリー小説として。
何よりラブストーリーとして。