足あと。

忘れないように。

パラレルワールド・ラブストーリー

2008-09-30 20:45:03 | Book
「パラレルワールド・ラブストーリー」。
タイトルが非常に興味を惹く本著は、
作者東野圭吾が、
「今ではもう書けない」という名著だった。

ミステリー作家である作者による
質の高いミステリー小説であると共に、秀逸なラブストーリーでもある。

何より非常に印象深い「序章」が、
後のストーリー展開にとって重要となる。

一目惚れ。
親友の恋人の出現。
そして、その恋人に恋をした主人公の葛藤。

よく有りがちなストーリーのように思えるが、
「パラレルワールド」の中で、このストーリーが展開していく。
「記憶」と「現実」の中、「真実」と「虚構」に揺れていく。
そして、そこにミステリーが絡み、
何が本当の「真実」なのか?
読んでいる読者自身も分からない。
そして、全てが明らかになる結末へと収束していく。

“神秘的なラブストーリー”
というレビューがあったが、正に言い当てていると思う。
この作品には、様々なテーマが含まれている。
それは、主に「友情」と「恋」に関することだが、
誰もが心に響く内容が、この小説には有る。

ストーリーの詳細は、敢えてここでは書かない。
ただ読んで欲しいと思える名著。

ミステリー小説として。
何よりラブストーリーとして。

88MINUTES

2008-09-11 21:40:03 | Movie
長い旅路となったインドへの旅。
その空路にて観た映画が、この映画。
アル・パチーノ主演の
「88MINUTES」。

サスペンスアクション映画の見所は、次々に変わる展開の早さにある。
そして、ラストシーンの衝撃度こそが、
何よりの醍醐味であろう。
この映画は、そうしたサスペンスアクションの良さを
高いレベルで兼ね備えている。
正直、久しぶりにいい映画を観た印象だった。

ストーリーは、少し複雑だ。
主人公は、FBI異常犯罪分析医ジャック・グラム(アル・パチーノ)。
彼の証言を基に、女性を狙った猟奇殺人犯フォスター(ニール・マクドノー)への死刑が宣告される。
9年後、死刑執行の日が近づく中、フォスターの事件に酷似した連続殺人が発生。
フォスター無罪の可能性も浮かび上がり、
さらに死刑執行日の朝にジャックの教え子が新たな被害者となってしまう。
そして、ジャックの携帯へある電話が...。

...と、かなり怖い映画のように思われるが、
映像として目を背けたくなる場面は、そこまで多くはない。

アル・パチーノの名演も見物だが、
彼を囲む様々な女性陣も見物。
次々と変わる展開に、冷静な判断をする暇もなく、
クライマックスに突入していく。
犯人が女性か男性なのかすらも、正直分からなかった。
ラストシーンを見て、
その結末は、考えもしかなかったもの。
見終わった後で伏線をゆっくり考えるべき内容で、
非常に面白かった。

B級映画という評論もよく見るが、個人的には、
「THE USUAL SUSPECTS(ユージュアルサスペクツ)」や
「The Negotiator(交渉人)」に迫るクオリティーにある。
スリルと謎解きを味わいたい方は、
ぜひご観賞あれ。

評価は、8.5。

スタジオジブリ・レイアウト展

2008-09-07 21:54:26 | Art

芸術の秋。
...というにはまだまだ早い残暑厳しい9月第1週。
雑誌で見つけた興味を惹く展示会へ。
               東京現代美術館(清澄白河)にて開催中の「スタジオジブリ・レイアウト展」。

アニメーションにおける“レイアウト”とは何か?
この展示を拝観するまでは、全く知らなかった。

しかし、その絵は、見るものを惹きつける。
ジブリ作品の名場面が、鉛筆による線画で1枚の絵に描かれている。
影の付け方や、色鉛筆の絶妙な色付けも美しい。
見た瞬間から、この“レイアウト”こそが、
アニメーションの設計図であり、天才による芸術作品であると強く感じる。

“レイアウト”とは、簡単に言うと、
1枚の絵に、背景とキャラクターが描かれたものだ。
画面中にキャラクター、大道具、小道具をどのように配置するかが指示され、
どれをセルで書くか、背景で書くかが決められ、カメラワークが指示される。
これを元にアニメーターは原画を描き、
美術スタッフは背景を描くという。
原画や背景の前段階として、1カットずつ画面を設計するものなのだ。

今回の展示会では、
約1,300ものスタジオジブリ作品のレイアウトが展示されている。
どれも素晴らしいものばかりで、見ていると時間を忘れてしまう。

個人的には、「風の谷のナウシカ」が最も良かった。
見ていると、懐かしさを感じ、また映画のストーリーも思い出す。
また、キャラクターが特に愛らしい「となりのトトロ」、
宮崎作品にて最も好きな「紅の豚」、
個々の絵に迫力を感じた「もののけ姫」も非常に良かった。

1枚1枚の絵が、正に芸術作品であり、
時間を掛けて、じっくり見たい展示。
非常に混雑しており、当日券も少ない(その他ローソンにて時間指定前売り)が、
ぜひ鑑賞する価値がある。
開催期間は、~9/28(日)迄。
おすすめです。

「スタジオジブリ・レイアウト展」(公式サイト)
http://www.ntv.co.jp/layout/


聖なる河

2008-09-06 14:26:43 | Travel


聖なる沐浴。

インドより帰国し、早3日。
旅の写真を纏め、webアルバムを作成しました。

「India」
http://www.flickr.com/photos/30184272@N07/sets/72157607115939813/

また、この機会に消えてしまった2つのwebアルバムも再作成しました。
世界各地の写真とトルコの写真です。

「The world」
http://www.flickr.com/photos/30179124@N07/sets/72157607106058832/

「Turkey」
http://www.flickr.com/photos/30184272@N07/sets/72157607125282155/


今回の写真は、“聖なる河”ガンジス河。
現地では、Ganga(ガンガー)と呼ばれ、
年間100万人もの人々が沐浴に訪れるヒンドゥー教の聖地だ。

川岸には、南北6kmに渡り、
ガートと呼ばれる沐浴場が点在する。
日の出と共に毎日巡礼者が続々と集まってくる。
その河に上る朝日と沐浴する巡礼者の姿が織りなす景色は、
正に神秘的なものだった。

静かに穏やかに流れる時間と、
朝日と共にゆっくりと変わっていく景色。
そして、沐浴する巡礼者達。

インドに居ると、
改めて“生きる”ことの意味を考えさせられた。

インドは、やはりこれまで訪れた国とは違うものを感じることが多い国であった。
宗教、経済、生活、映画、歴史など。

見てきたこと、感じたこと、そして考えたこと。
今後少しずつ、このBlogへ書いていければと思います。