PETRONAS Twin Towers.
クアラルンプールの中心に聳え立つ
圧倒的な存在感を持つツインタワー。
それが、PETRONAS Twin Towers(ペトロナスツインタワー)だ。
1998年に完成した高さ452m、88階建てのこの超高層は、
20世紀で世界一高い高層建築である。
設計は、アメリカの設計事務所であるシーザー・ペリ&アソシエーツ。
日本では、羽田空港第二ターミナルビル、愛宕グリーンヒルズ森タワー、
日本橋三井タワーなどの設計で有名。
施工は、タワー1を日本のハザマが手掛け、
タワー2を韓国のサムソン物産建設部門が手掛けている。
そして、41階・42階を結ぶスカイブリッジは、
フランスの建設会社による施工というから、少し不思議だ。
このツインタワーは、まず存在感そのものが、本当に凄い。
特に夜のライトアップ姿は、圧巻で、
とにかく夢中で写真を撮り続けた。
クアラルンプールに来た者なら、まず行きたくなる場所である。
場所は、クアラルンプールのちょうど中心に位置する。
元は競馬場があった広大な土地に
このツインタワーと公園(KLCC公園)が広がっている。
ツインタワーのポディアム(低層部)は、商業施設(スリアKLCC)が入っており、
観光客だけでなく、現地の行楽客で非常に賑わっている。
現地の生活の中心であり、観光の目玉ともなっている印象だ。
その賑わいの元となる商業施設の質は高い。
物販は、高級プランド店だけでなく、身近なショップも多い。
飲食も、雰囲気のいいカフェや、
美味しいローカルフードが食べられるフードコートがある。
スーパーマーケットやデパート(伊勢丹)、書店(紀伊国屋)まであり、
非常にバランスの良い質の高いテナントが揃っている印象である。
ペトロナスツインタワーの名の通り、
事業主は、“ペトロナス”という国策の石油企業だ。
その建設は、当時のマハティール首相による掲げた「ワワサン2020」という
2020年の先進国入りを目指す国家政策の一環でもあった。
マレーシアのお札の裏には、このツインタワーが印刷された紙幣もある。
超高層の果たすべき役割は、
経済の中心として、世界的に活躍する企業にワークスペースを与えること。
また、都市のシンボルとして、人々の余暇の行楽に寄与し、
観光の目玉として、国内はもちろん海外からも観光客を呼び込むことであろう。
時によっては、都市生活の価値ある場として、住宅を供給する意味もある。
そうしたことを考えると、
このペトロナスツインタワーほど、超高層の役割を果たしている建築物は、
世界を見渡してもそうは無いように感じた。
エンパイヤステートビル、ロックフェラーセンター、台北101、香港国際金融中心、金茂大厦など、
世界の様々な超高層を見てきたが、どれもこのビルには及んでいないと感じた。
それ程の存在感を持つ超高層。
それが、ペトロナスツインタワーだ。
このビルを見るだけでも、
クアラルンプールに行く価値はある。
そう強く感じています。