風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

情緒のある町並み① 関宿・宿場町その1

2015-09-15 | 三重県・山・北勢
 今回から時々「情緒のある町並み」として、主に重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建と略す)の町並みを中心に掲載します。
 重伝建とは伝統的な建造物の中で特に文化庁が選定したもので、現在、110か所の地区が選定されています。
 もう訪れる機会がないかもしれないところは古い写真になりますが、適宜掲載して行きます。

 まずは三重県で唯一重伝建に指定されている、亀山市関町の関宿からご紹介します。
 関の名は7世紀に愛発(あらち、越前、福井県)、不破(ふわ、美濃、岐阜県)とともに、鈴鹿関が設けられたことに由来し、古くから交通の要衝でもありました。
 その後も関宿は、東海道五十三次の47番目の宿場町として栄えてきました。
 江戸後期から明治、大正にかけて建てられた200棟以上の町屋がほとんどそのままの姿で残っています。
 旧東海道の宿場町で、重伝建に選定されているのは関宿だけです。
 しかも1984年という制度発足の初期に選定された、いわば重伝建のしにせです。
 今月初旬の写真です。
 
①~③関宿の町並みは西から新所町、中町、木崎町の三つに分かれている。 
 ここは比較的人通りの少ない新所町。






④⑤中町の西側。
 会津屋はかっての大きな旅籠のひとつ。




⑥格子戸と二階正面にある漆喰で塗籠めた虫籠(むしこ)窓。
 関宿にはさまざまな形の虫籠窓があるが、華やかな意匠をこらしたものも見られる。


⑦これも大きな旅籠の玉屋の虫籠窓。
 宝珠の玉をかたどっている。


⑧玉屋の宝珠窓を詠んだ内容の関宿かるた。
 関宿かるたは関宿を詠んだ47首のオリジナルかるた。
 かるたの内容にちなんだところにこの板が取り付けられている。


⑨その玉屋の内部に入ってみた。
 江戸時代に栄えた旅籠の姿が見事に再現されている。
 入るとまず帳場でちょんまげ姿の番頭さん人形が出迎えてくれる。
 足をすすぐ大きなたらいも置いてある。


⑩土間には徳利が並ぶ。
 かまどからはご飯を炊く、いいにおいが漂ってくるようだ。


⑪⑫坪庭の向こうは離れ。
 武士などが泊まった、最も上等の座敷。




⑬庭の奥には蔵もある。
 蔵の中には、広重の浮世絵などが陳列されている。


⑭2階の客室へ上がる。
 廊下が磨き抜かれて黒光している。


⑮⑯食器、食膳が並んだむこうには、ふとんが敷かれている。
 当時は一室に数組を詰め込む相部屋が普通。
 一度に100人近い団体が泊まったとの記録も残されている。
 ビジネスホテルの個室のような快適な睡眠がとれたとは思えにくい。




⑰坪庭から客室越しに帳場を見る。
 相変わらず律儀な番頭さんが端然と座っている(^^)。


⑱⑲関の戸という古くからある和菓子屋さん。
 瓦屋根のついた立派な看板が1階の屋根の上に乗っている。




⑳こちらも志ら玉という、しにせの和菓子屋さん。
 

 明日のその2に続く。
 

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2 コメント

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雨の関 (タートル山のザリガニ)
2015-09-15 17:47:25
雨の宿場町。その昔は要所の宿場町として栄えていたのでしょう。その面影を写し撮って頂いたのかなあと思います。
奈良の大仏と比較された関の地蔵が紹介されていませんが、その2で紹介されるのですか。新シリーズの次も楽しみにさせていただきます。
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タートルさま (いせえび)
2015-09-15 19:47:57
コメントありがとうございます。
私は海以外は、雨が好きなので、ここも雨ねらいです。
関の地蔵さんが大仏さんに比較されたと初めて知りました(笑)
しかし、こんなことをよくご存じですね。
今回は情緒ある町並みなのでパスしました。
いつも入る玉屋に分量を取りすぎたようです。
明日も、こんな具合です。
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