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風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

尾瀬・ニッコウキスゲ その4(尾瀬沼②)

2015-07-21 | 尾瀬
 福島県桧枝岐村、尾瀬沼、大江湿原のニッコウキスゲです。
 
①~④以前の写真集で見る、湿原を圧倒し埋めつくすニッコウキスゲはもう過去の話だろう。
 それでも、この前年、2012年のニッコウキスゲの花のさびしさを聞くと、これだけ咲いていれば大満足というべきだ。








⑤~⑦元長蔵小屋下からの尾瀬沼東端部。
 晴れていたら燧ヶ岳が見えているのだが。
 しかし、この沼のような湿原のような水面に、青々とした草が風に揺れる風景も捨てがたい。







 
⑧再び大江湿原に戻り、この木道を通って尾瀬沼の西端部、沼尻へ向かう。


⑨これから先の行程は、多分ニッコウキスゲは見られない。
 名残り惜しいが今年の尾瀬のニッコウキスゲともお別れだ。


⑩⑪尾瀬沼北岸の道から。
 背後の森を霧が流れる尾瀬沼の湖沼風景。




⑫⑬尾瀬沼西端、沼尻(ぬしり)。
 右は沼尻休憩所。売店やトイレがあり利用する人は多い。
 池塘には黄色いオゼコウホネの蕾がかすかに見える。




⑭水面に小舟が一艘。
 もしまだ使われている船なら、特別に許可された船かもしれない。
 今から40年ほど前までは、尾瀬沼にも遊覧船や渡し船が走っていた時代があったらしい。
 今朝いた三平下からこの沼尻までは渡し船のルートだったようだ。
 船が水を汚し、静寂を破るなどの理由で廃止された。
 尾瀬沼に奥只見湖のようなハデハデの外輪船が走ってなくてよかった(^^)。


⑮尾瀬沼南岸の道。
 薄暗く展望もよくない悪路。
 ここで、シカと遭遇した。
 こちらを見ても平然としているので、カメラを取り出そうとしたら、やっと逃げ出した。
 三平下へ着いたころから雨となった。
 帰りの大清水までの道のりは遠かった(^^;)。
 
 
 このあと、またもやニッコウキスゲを写しに長野県の車山に向かいました。
 この写真は明日掲載しますが、シカ除けの電気柵に囲われた情けないニッコウキスゲでした。
 車山の帰り路、こう思いました。
 尾瀬ヶ原や大江湿原のニッコウキスゲも、車山のように電気柵で囲まれた中でしか拝見できない日がやがてくるのではないかと。
 ・・これは悪夢でしょうね(^^;)。

尾瀬・ニッコウキスゲ その3(尾瀬沼①)

2015-07-20 | 尾瀬
 福島県桧枝岐(ひのえまた)村、尾瀬沼のニッコウキスゲです。
 今回は群馬県片品村大清水から三平峠越えで尾瀬沼へ向かいます。

①朝8時、三平下の尾瀬沼。
 空は雨近しという雲行き。やはり燧ヶ岳は見えない。


②③大江湿原。
 ニッコウキスゲの群落が現れた。
 前年の2012年は、ニッコウキスゲの花の咲き具合が非常に悪かったようだが、この年は見事だ。




④ニッコウキスゲはほとんどが一日草。
 朝咲いて夕方にはしぼみ、翌朝には違う花が咲く。


⑤⑥沼山峠への木道。
 沼山峠は桧枝岐村御池(みいけ)から尾瀬沼へ向かうバスの終点。
 峠から約1時間弱の下りでここへ至る。
 ちょうど遠くに、峠から下ってきた人々の姿が見えてきた。




⑦⑧名物の通称3本カラマツ。
 その向こうは尾瀬沼。




⑨⑩ニッコウキスゲは大江川の向こう岸にはほとんど咲いていない。
 シカの食害と思われる。




⑪⑫それにしても、これだけのニッコウキスゲが見られるのはありがたいことだ。
 日夜シカの食害などから花と湿原を守っている、関係者の方々に敬意を表したい。


 

 その4に続く。
 

尾瀬・ニッコウキスゲ その2(尾瀬ヶ原②)

2015-07-19 | 尾瀬
 群馬県片品村、尾瀬ヶ原です。
 主にニッコウキスゲねらいです。

①②ニッコウキスゲは下ノ大堀川付近だけ群落を作っているが、そのほかの場所ではポツンポツンといった状況だ。
 しかしこの年は、前年、2012年に比べると開花の状態はよい。




③~⑤いいところだけ画面が切り取ってあるが、これはこれでいかにも尾瀬らしい風景ではあると思う。
 ツアーのワッペンらしいものを付けた2人組の方にたずねられた。「尾瀬の花というのはこれだけですか?」
 確かに、有名なニッコウキスゲ、ニッコウキスゲと期待してやってきた人にはこの程度ではがっかりする風景だろう。
 しかし、ニッコウキスゲだけがこの時期の尾瀬の魅力ではない。






⑥~⑪以下の池塘にも注目して見ていただきたい。
 どの時期にも絵になる白樺の池塘。
 少し色がつき始めたヒツジグサ。
 ヒツジグサの白い花も一輪咲いている。
 池とヒツジグサを見ていると、まだ7月下旬だというのに初秋の雰囲気が感じられる。
 キンコウカも咲き具合がいい。
 モウセンゴケも茶色く変わってきている。












⑫竜宮十字路まで行ってもニッコウキスゲに関してはさびしい状態。
 ヤマドリゼンマイはあざやか。


⑬~⑯上田代の池塘。
 カメラを向ける位置や方向によって、水の色やヒツジグサの表情が微妙に変わってくる。
 水面の光の反射があったほうがおもしろいので、偏光フィルターはポケットに入ったまま使っていない。








⑰至仏山も上半分はガスの中。
 ついに燧ヶ岳はこの日、全容を見せてくれなかった。
 いったん、戸倉の宿所に戻り、明日は大清水から尾瀬沼へ向かう。


  その3に続く。
 

尾瀬・ニッコウキスゲ その1(尾瀬ヶ原①)

2015-07-18 | 尾瀬
 群馬県片品村、尾瀬ヶ原です。
 今回は主にニッコウキスゲ(正式名ゼンテイカ)ねらいです。
 私の持っている唯一の野草の本、小学館の「日本の野草(夏)」では、この花をニッコウキスゲ(ゼンテイカ)としています。
 また私が持っている写真集などの説明文では、すべてニッコウキスゲとなっています。
 正式名ではないものの、この名で親しまれているニッコウキスゲで以下記述して行きます。
 尾瀬ヶ原2回、尾瀬沼2回の4回に分けて掲載します。
 2013年7月下旬の写真です。

①②尾瀬の群馬県側の入り口のひとつ鳩待峠から約1時間下ってきた尾瀬ヶ原の上田代。
 朝8時半。ずっと降り続いた雨にもかかわらず、ニッコウキスゲの時期なのでそこそこ人出が多い。
 至仏山は雨雲の中。
 このへんはニッコウキスゲはまったく見当たらない。




③④上田代の池塘。 
 ヒツジグサの葉は今月初旬に来た時に比べ、色づいている。




⑤前日までの大雨で、上ノ大堀川の水があふれ出し、湿原にまで達している。


⑥まず、ヨッピ方面へ向かおうとしたが、ご覧のように木道は水没している。
 無理をして前へ行った人たちが、この先は通行不能という。


⑦湿原にニッコウキスゲとは違う黄色い花が咲いている。
 キンコウカだ。


⑧引き返し、下ノ大堀川付近へ行くと、やっとニッコウキスゲがかたまって咲いているところが現れた。
 しかし木道の右側はさびしい咲き具合だ。
 この前年の2012年は、ほとんどニッコウキスゲが咲いていないという異常な状態だったらしい。
 それに比べると、この年は見事な咲き具合というべきだろう。


⑨~⑫水芭蕉で有名な下ノ大堀川。
 この周辺だけは、ニッコウキスゲの群落といえる。








⑬⑭川をはさんだ向こう側はほとんどニッコウキスゲは見当たらない。




⑮しかしこの一枚だけを取り出してみれば、「ニッコウキスゲ咲く尾瀬」という写真にはどうにかなりそうだ。


 その2に続く。