北岸にて 〜 シドニーの北郊・ノースショアから想う日本のこと、世界のこと。

〜シドニーの北郊・ノースショアから想う日本のこと、世界のこと。

こんまりとプレミアリーグ

2020-05-31 14:01:13 | 英語
常緑樹がほとんどのシドニーですが、中には紅葉して葉を落とす樹木もあります。上の写真はオフィスの外にたまたま黄色く紅葉した木があるのを見つけたので、撮ってみました。こちらは秋もかなり深まってきましたね。今の会社に就職して4年目になりますが、自分以外に日本人がいないという職場は今回が初めてでして、いろいろな気づきがありましたので、今回はそのことをシェアしていきたいと思います。

ポイント1: 自分から話題をふる
職場でちょっとした世間話などをするときがありますね、例えばエレベーターの前で偶然、同僚と鉢合わせしたりするときがあります。こういう時に相手から一方的に話しかけられると、やはりついていけないことが多々あります。そして何回かこういう経験をして分かったことは、自分から先に話題を振れば、それに対する相手のコメントはほぼ100%聞き取れるということです。これはどういうことかというと、最初から話題を自分の知っている分野に限定してしまうということです。例えば、「同じ英語でも自分の興味がある英国のプレミアリーグの話なら聞き取れるのに、ルールも知らないクリケットの試合については聞き取れない。ならば最初にプレミアリーグの話題に誘導してしまおう」という作戦です。こうすると英語のハードルがぐっと下がりますし、話を転がしやすくなります。おそらく同僚達は最初のうち、僕のことをかなりおしゃべりな人間だと思っていたかもしれません。本当はコミュニケーションをとろうということで、一杯一杯だっただけです(笑)。余談ですが、どうも西洋社会では男性が女性を会話ではリードしなければならないという暗黙の了解があるように感じます。いやーこっちはノンネイティブの外国人なんだから、それは勘弁してよ~って思うんですけどね(笑)。どうも外国人でも例外ではないようです。ですので社交性という意味では、こちらの男性はかなり鍛えられているな~とは思いますね。一般的に白人の男性はモテる人が多いですが、おそらくこれが理由だと思いますね。

ポイント2: 時事ネタをおさえる
話題を振っているうちは聞き取れますが、それはあくまで一時的なテクニックですので、その間にいろいろな時事ネタを抑えていかなくてはなりません。ニュースなどは通勤前に毎日チェックするようになりました。そもそも知識として知らないことは聞き取れない(音として聞こえているけれど、意味をなさない)し、話しもできないということですね。
先日、違う部署にいる女性の同僚と給湯室でたまたま会って、こんまりのこと知ってる?と聞かれました。もちろん近藤麻理恵さんの名前は知ってはいましたが、収納とか後片付けのスペシャリストですからね~正直あまり興味をもっていなかたので、そこからうまく話をひろげていくことはできなかったですね。それで家に帰ってから思ったのは、彼女にとっては、遠い日本という国から来た男にどういう話題なら話しができるだろうか、というのを考えた上で、こんまりの話を振ってくれたと思うのですね。ですから何か気の利いたことを返せるように調べておくんだったなーと反省したわけです。
えっ世間話の程度のことでそこまで下調べとかしたくない、ですか?でもねーこちらの会社は残業がないですからね。まあ、あっても1時間くらいです。うちの会社は5時が定時ですけれども、だいたい6時までには帰れます。なぜかというと6時くらいには皆帰ってしまってオフィスに誰もいなくなるからです。あなたが最後の一人になります(笑)。ですから誰にも気兼ねなく堂々と帰れます。そう考えれば、それくらいの努力はする価値はあると思いますね。


異国情緒

2020-04-26 10:34:33 | 英語
イースターの休暇で思い出しました。

昔は日本の活字媒体で、イースターのことを(キリストの)復活祭と訳すのが普通だったんですね。それがいつの間にかカタカナでイースターと表記するのが多くなったような気がします。どう呼ぶかは好みの問題でどちらが良いというものではないです。ただ、不思議と漢字で訳した方がむしろ異国情緒のようなものを感じる気がします。

まだ小学生の頃だったと思いますが、アレクサンドル・デュマの「モンテクリスト伯」を読んでいたときに、

エドモン・ダンテスはその復活祭で賑わう群衆の中にまぎれていった。

という文章がありました。うろ覚えですのでどれくらい正確は分かりませんが、そのような文でした。それを読んだときに、僕の頭の中にその19世紀の南フランスの港町での人々の賑わいがありありと浮かんだんです。そのキリストの祭りというものがどんなものか、分からないながらに想像力を膨らませて、そのイメージをつくったのでしょう。そしてそのことを何十年たっても憶えているわけです。これが「イースターで賑わう」と訳されていたら、これほど想像力をかき立ててくれなかったと思うのですね。

現地のクイズ番組を観ていたときに、「マーガレット・ミッチェル原作の1939年製作の映画は?」というような問題がでて、解答者がGone with the windと答えました。とくにネイティブの人は早口ですからね、ゴン・ウィズウィンくらいにしか聞こえなかった(笑)。これを聞いて、なんか素っ気ないタイトルだな~と生意気ながら思ったわけです。こういうタイトルで、人はこの映画を観たいと思うのかな~と。「風と共に去りぬ」というタイトルを聞いて初めて、アメリカ南部を舞台にした壮大なストーリーを僕はイメージできるのですね。

こちらではあまりイメージを膨らませるような見栄えの良い名前をつけないように思いますね。アカデミー4部門を受賞した「明日に向かって撃て」なんかもオリジナルは’Butch Cassidy and the Sundance Kid’(ブッチキャシディーとサンダンスキッド)という主人公の名前をただ並べただけという(笑)。邦題が「ブッチとサンダンス」とかだったら、まずこの映画を観ようとは思わなかったでしょうね。そういう傾向があるので、原題をそのままカタカナで訳すと味気ない薄っぺらなものになってしまうかもしれません。

個人的には「パイレーツ・オブ・カリビアン」は「カリブの海賊」で良かったのではないかと思いますね。