北岸にて 〜 シドニーの北郊・ノースショアから想う日本のこと、世界のこと。

〜シドニーの北郊・ノースショアから想う日本のこと、世界のこと。

丘の上にあったホテル

2020-05-10 12:31:41 | オーストラリア
隣町に住んでいた祖父母の所にいつも家族で車で出かけていました。月に2回くらいは行ってたと思いますね、まだ小学校の低学年の頃です。

町のはずれのバイパスの脇に小高い山があって、その上に小さなホテルがあったんですね。そのホテルはできたばかりで午前の陽光の中でキラキラしていたのを憶えています。そして1歳違いの妹と、あんなところにホテルがあるー、とか言いながら後ろ座席ではしゃいでました。隣町に行く途中のその道を通るときは、いつもその風景を車から見ていました。でも中学に行くころになると部活動も始まり、1年に数回しかその道を通らなくなりました。その後、大学に進学して地元から離れてからはその道を通ることはほとんどなかったです。

そのホテルが実はラブホテルだったというのが分かったのは、就職してその北関東の地元近くに戻ってきてからです。就職してからは仕事がきつく人間関係も複雑で、すっかり気分が塞いでいました。地元で見るすべてのことが旧式で色あせて見えました。駅前の閑散としたショッピングセンターから、たまに実家で食べる煮物の晩ごはんやら、町で会う人々から全てです。煙草を吸うようになり、ビールも毎晩飲まないとやっていられないようになりました。そしてどうしてもこの場所を出たいと思うようになりました。どこか遠くに行きたい、できればオーストラリアに行きたいと。そのホテルにまさか自分が行くことになったのは、そのような時です。当時付き合っていたガールフレンドが、今度はあのホテルに行きたいと言いました。前に何回か行ったことがあるから、と。それで暗い冬の夜にそのホテルに行きました。もう建物もすでに古くなっていて、やはり色あせて見えました。

今では地元に帰るのは好きです。昔、通っていた幼稚園やら小学校に奥さんとまだ小さい娘を連れていって、その時の思い出(多くは楽しい思い出です)を話したりしています。そして同じようにあのラブホテルの脇を通ると、暗く辛かった卒業後の3年間を思い出します。もちろんそのホテルのことは、奥さんにも娘にも言いません。それは心の中にある秘密の隠れ家のようなものです。そういうものは心の中にしまっておいていいと思いますね。



南半球の秋

2020-05-02 21:28:59 | オーストラリア
南半球では日本と季節が逆になりまして、今は秋です。

今週はそれほど仕事が忙しくなかったので、まだ明るいうちに会社をでることができました。明るいうちに退社できると、気分まで明るくなります(笑)。見出しの写真は帰り道に車で寄ったショッピングセンターの屋上から撮ったものです。オーストラリアでも秋になれば、ちゃんとイワシ雲ができるというのが分かりますね。昨日から気温がぐんと下がりましたが、木曜日までは日中の最高で25℃くらいありました。写真でもなんとなく空気感というのか、暖かい感じがでてますね。

下の写真は去年だったか、真冬の寒い時期に撮ったものです。見比べてみるとやっぱり、空気が澄んでいますね。太陽はでていますが、寒空(さむぞら)というんでしょうか風が強くて見てるだけで寒そうです。

日本からオーストラリアに帰ってきて最初に気づくのは、空気が乾燥していることです。空港からの帰りに車を運転していて右手の窓を少しあけると、乾燥した風が顔にあたります。日本の柔らかい風と少し違ってなんか硬質なんですね、こちらの風は。そのパタパタと乾いた風が顔にあたる感じといつもの青空を見ると、あーオーストラリアに帰ってきたなーと思いますね。



新型コロナの現状 in シドニー

2020-04-25 11:33:23 | オーストラリア
現地では、イースターの休暇に入りました。

金曜日から週末をはさんで4連休ですが、政府から不要不急の外出が禁止との声明がだされ、違反と判断されると罰金が課せられる状況です。自粛ではなく禁止ですので、日本より厳しいですね。こういう状況ですので、毎年行われるロイヤルイースターショー(Royal Easter Show)などのイベントはすべてキャンセル。天気は快晴でイベントにはもってこいですが、街は異様に静かです。

上の写真はアーチャー・ストリートの交差点。ここを右折するとウェストフィールドのショッピングセンターがあり、普段はとても混んでいますが、もう昼間でもガラガラです。

比較するために、同じ場所でとった写真を下に載せました。撮った方向は逆ですが、普段はだいたいこのくらいの交通量があります。



ノースヘッド (North Head)

2020-04-25 10:50:04 | オーストラリア
久しぶりにマンリービーチのそばにある、ノースヘッド(North Head)という岬をドライブしてきました。

写真はノースヘッドからシドニー湾を隔てて、シドニーの都心を写したものです。天気の良い日だと、こうしてはるかシティの方まで見渡せるので、この場所はとても気に入っています。画面の左側に見える岬は、湾の対岸になりサウスヘッド(South Head)と呼ばれています。この写真の左側からはもう太平洋が広がっています。

写真では分かりにくいですが、このノースヘッドからサウスヘッドまで見たところ200~300メートルくらいしかありません。シドニー湾の中はマンリーから有名なオペラハウス、ハーバーブリッジを通りパラマッタ・リバーまでとても広いですが、入り口は結構狭いなぁという印象です。

日本ではあまり知られていませんが、太平洋戦争中にこの2つの岬の間から日本の小型潜航艇が3隻シドニー湾に入りまして、停泊していたオーストラリアの宿泊艦を魚雷で沈めたことがありました。この攻撃の後、潜航艇の方もすべて沈められ、沖合にいた母船に帰ることはできませんでした。

写真をとっているときに、ちょうどオーストラリア海軍の軍艦らしきものが出航していきましたので、そのようなことも思い出しました。