王貞治も進言した「プロ野球16球団」前澤友作はノーアイデアだった新型コロナウイルスによる肺炎への政府対応に批判が広がっている。
安倍晋三首相が先頭に立って取り組んだ水際対策は奏功せず、国内で感染が拡大。横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対する措置でも、乗客乗員を船内にとどめ置いた判断が「かえって集団感染を悪化させた」と指摘された。「未知の感染症」への国民の不安は内閣支持率にも影を落とし、政府・与党は危機感を強めている。
【図解】内閣支持率の推移
「事態を小さく見せようとし、水際で失敗した」。野党共同会派が18日に開いた新型肺炎に関する合同対策本部の会合で、国民民主党の泉健太政調会長は政府の対応を厳しく批判した。
政府は当初、発熱症状や中国・武漢市への渡航歴、武漢滞在者との接触がある人らをウイルス検査の対象にしていた。ところが2月に入り、感染経路の分からない感染例が続出。首相側近は「1月時点で中国人全ての入国を止めるしかなかったが、もう遅い」と頭を抱えた。
政府関係者によると、習近平国家主席の国賓来日を控えて中国側から「大ごとにしないでほしい」と要請があったといい、これも後手に回った要因だとみられる。
ダイヤモンド・プリンセス号への対応に関し、政府高官は「最初から3700人を下船させたらパニックになっていた」と批判に反論する。ただ、ある閣僚は「本当は早く下ろして隔離すべきだったが、全員を収容できる施設がなかった」と内情を明かした。
国会で「桜を見る会」をめぐる問題が連日追及される中、各種世論調査で安倍内閣の支持率は軒並み下落。新型肺炎への対応を通じて危機管理能力をアピールすることで、局面転換を期待していた政権幹部を落胆させた。
自民党の鈴木俊一総務会長は18日の記者会見で「国民は必ずしもポジティブに政府の対応を評価していない」と指摘。菅義偉官房長官は会見で「良かった点、悪かった点をしっかり検証し、次につなげていきたい」と語った。
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