公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

計算だけできる子

2011-11-29 | 現在の教室運営
「この子は理解力が低い、と主人が・・・
文章題など、どう説明してもわからないようで、
学校の宿題も自分でさせると文章問題はたいてい間違えています。」
とは一年生のお母さん。

くもん時代は計算力の進度さえ上がっていれば「できる子」扱いでしたし
それ以外のことはノータッチでしたから
「計算力はあっても学校の通知表に反映しない」という生徒についても
「まあ、現在の学校の授業とは別のことをしているわけですから・・・・」と
年に一度の標準学力テストの成績が芳しくなくても、まあまあ・・・・・

しかし。

現在のうちの教室では放置しておくわけにはいきません。
幸いに計算力は学年を超えているので、というか
一桁の足し算が覚えられていれば、あとは〔一つのやり方〕だけで
筆算はできるわけですから、《計算はできる》のです。
「30+40=  」では「?」でも、縦書きの筆算にするとすぐに書けます。

今、つまづいているのは位取り。
「78という数の十の位の数字はなんですか」という設問に
「70」になってしまったり、「15」になっしまったり「1」だったり。
でも、例えば筆算でなら「78+15=  」の計算もスラスラできますから
学校の宿題やプリントなどこまめにチェックする親でないと気づかないかもしれません。
記憶力は悪くはないので同じプリントなら次回は正しい答を書いてもきます。
で、わかったのかと思うとさにあらず、というわけです。
「十の位が5で一の位が6の数字を書きなさい」で書けなかったりするので。

そうして、こういう子はけっこう多いのです。
また、こういう「わからない子」の親も似たような親が多いようで
つまり、「わからないこと」に気づき、気にかけ、なんとかわからせようと努力するタイプです。
時にはその努力が過ぎて、よけいに混乱させてしまっているのではないかと思えるときもあります。
うちの教室では教科書準拠のプリント類をメインにして数字を変えた問題を作り
反復練習で何とか、という方法をとることにしています。

計算力と理解力は別物です。
「多少理解力に不足があっても、計算ができるだけでもいいじゃない」と
言い切れたらいいのですけれど。


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