結婚式はお祝儀制か会費制かで迷う方もいるかもしれません。僕たちは名古屋でのウェディングは通常のお祝儀で、東京での披露宴では「あえての」会費制にしました。名古屋は親族だけでこぢんまり(20名程度)と、東京は職場・友人関係、それに親兄弟を含め65名程度です。会費は一律2万円としました。
東京の会場は先日も書きましたように、表参道のロアラブッシュです。昭和初期から残る旧邸宅レストランで、時を経て輝きを増した調度品やオーナーのコレクションである画家エルテの作品の数々、洗練された優しい味わいの料理の品々、どれを取っても会費制を前提としたいわゆる1.5次会に使うような場所ではありません。僕たちはちゃんとした「披露宴」として、会費制を選択したということを最初に強調しておきます。
実際、ロアラブッシュの担当の方に聞いても、当館で会費制を取るカップルはごく稀だということでした。では、なぜ会費制にしたか?やはり、コストパフォーマンスを最大限に発揮し、ゲストに本当に喜んでもらいたいという思いが根源にあったからです。僕の歳(30代真ん中)になると、招待客の年齢層も比較的上がってきて、色んな披露宴に出席していて舌も目も肥えているだろうから、ありきたりの内容で3万円(その世代のお祝儀の一般的な額として)では100%満足して帰ってもらうことは難しいだろうという考えが背景にありました。あと、挙式は名古屋で済ませているから、その分を少しディスカウントという考えも多少ありました。うちらのコンセプトは「ゲストに非日常の雰囲気とおいしい料理を楽しんでもらう夕べ」だったのです。
では、会費2万円は妥当だったのか?答えはAbsolutely,YESです!(^^)!
普通にロアラブッシュでディナーコースを食べたら、15,000円~掛かります。ドリンクも飲んだら、それだけで2万円近く行くでしょう。それに加え、重厚感のあるレトロな館内でエルテの絵画も楽しめる、それに何よりも披露宴は普段なかなか会えない旧友同士の再開の場でもあります。僕たちのハレの場でもあると同時に、ある意味、それぞれのコミュニティの同窓会の場でもあり、おいしい食事と華やかな雰囲気でそのような場を提供出来ているに対して、2万円の会費は十分なコストパフォーマンスを発揮できていたものと自負しています。(なお、帰りにプチギフト1,500円相当も用意しました。このプチギフトについては、また後日。)
コスト的には、もちろん、ある程度足は出ます。そこは仕方ありません。でも、見積段階から色々吟味して組み立てていけば、本当に必要な演出だけ(ただし、料理などコンセプトの骨格となるこだわるべき部分はケチケチしない)を効果的に活用した披露宴が出来ると思います。色々知恵やアイデアを出していくことがとても大事だと思いました(Aちゃんはよく「金は出すな、知恵を出せ」と言っている(笑))。一方で、会費制というのが、もしかしたら伝統的な披露宴に対する背信行為ではないか?という批判があるかもしれませんが、この点は先日の引出物事件とは逆の性質のもので、ある意味お祝儀というグレーな部分を明瞭化して、ゲストに納得して参加してもらい、帰りには十分な満足を得て帰ってもらうための、伝統的手法を発展的に進化させた手法だと思います。(大げさ過ぎる?)
まぁ、要は自分たちのコンセプトに応じて、ゲストにどのような満足を得てもらいたいかに応じて、祝儀制or会費制といった資金計画を立てるのがいいのではないでしょうか。