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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

「相手をほめる」という金棒

2012-04-16 19:11:08 | 2012年 ~19期公式戦
ベンチの雰囲気はだいぶ良かった。
君たちのポジティブシンキングは相当なレベルにあると思う。
ヘルメットの忘れ物。
9番1番2番と、使用者の打順が連続しているにもかかわらず、「まじかよー!」の愚痴ひとつもなく、「大丈夫です、僕頭大きくなりますんで」という返し。
お世辞抜きに本当に感動した。
マネージャーに「熱いものがこみあげてくるよ…」とこぼしたくらいだ。

ミーティングでも述べたが、負を断ち切る訓練は相当積まれているようだ。
最初の三点本塁打を浴びた後も、大きな動揺もなく「まだ三回!」という声も聞こえたしね。
普段の練習中からミスの後は切り替えのルーティンを行っている者も多い。
君たちは「切り替えの鬼」になりつつある。
その「鬼」に「金棒」を与えよう。
その「金棒」こそが、「相手をほめる声」である。

実際に三点本塁打の後、僕は「ナイスバッティング!」を連呼した。
相手をほめることにより、ポジティブな言葉が口に出る。
ポジティブな言葉は心を上に向かせる。
「いいプレーだから仕方ないな」と割り切ることができる。
おまけに相手のいいプレーをほめるという行為は、本校の伝統でもある。
こんなにわがチームに適した切り替えルーティンが他にあろうかってくらいだ。
ぜひこの「金棒」を大事にしてほしい。

だが一方で、まだまだプラスを維持する力は不足しているな…ってのが昨日の感想だ。
6点とった次の回。
「一点でも多く!」と僕が与えた魔法の言葉をA捕手が中心になって連呼していたが、そこからさらに2点をとったことで、それまでの声の張りが失われた。
今までに比べればある程度は進歩しているベンチの雰囲気ではあった。
だが、人数が増えたからなのか?という疑問もまだ残っている。

「緩んだから今度は締めろ」ってのが秋の地区予選の僕の指示ミスだったね。
それが糧となって春は「いつもどおりのお祭り騒ぎ」と「一点でも多く」という指示を出した。
それでも春の地区最終戦は雰囲気のコントロールをミスったね。
締めようとして失敗した。
そこで学んだことが「相手と真摯に向き合う」ということだ。
さてさて、昨日は「相手と真摯に向き合い」、「最後まで全力でやれ」たか?
努力は認める。が、まだ足りないよな。
いいかい?よく覚えておくんだ。
【お祭り騒ぎを続けること/最後まで全力で声を出すこと】
これがここまで失敗を重ねながら学んできたこのチームのベンチワークの「法則」だ。

うん。ここまで経験が蓄積されれば、夏は十分に戦える。
ただし、オープン戦でもそれらが維持発展できれば…という条件がつくが。
あとは、「強豪」とどう戦うかだ。
春の県初戦を思い出しつつ、週末の二回戦対策を考えるとしよう。
あのときのベンチの雰囲気を覚えているかい?
僕はよ~く覚えているよ。

監督の技術・戦術論に僕のMT論。
ようやく両輪が回り出したな…そんな初戦だ。

法則を作るための大会

2012-04-13 22:17:35 | 2012年 ~19期公式戦
試合前日であるというのに、現場にも出られずに本当に申し訳なく思っている。
年度初めだからというわけではなく、とにかく今年は仕事が多い。

だが、今さら直前に話をしてどうこうなるものでもない。
僕は君たちの蓄積を信じるし、君たちも自分たちの蓄積を信じるだけだ。
MTの話でいえば、ベンチワーク。

秋の地区予選で失敗し、春の地区予選でその失敗を繰り返してきた。
やはりうちのベンチはお祭り騒ぎが合っているようだ。
ミーティングでは「確定」という言葉を使ったが、それを「法則化」させて夏に臨みたい。
これがこの県大会を戦う意義だと僕は思っている。

法則とは何か。
法則とは経験=ケーススタディの蓄積によって生み出されるものである。
だが、今のところトーナメントを戦う上でのケーススタディがどうにも足りない。
それは秋の相手がいわゆる「ビッグネーム」だったからでもある。
夏に戦うための法則づくりには、明日の相手は特殊過ぎない「いい相手」である。
これを倒し、次の二回戦で再び「ビッグネーム」と対戦できれば、おそらく夏の戦い方が見えてくるはずだ。
強豪以外とどう戦い、強豪とはどう戦うか。
トーナメントでね。
それを知れる週末となる。
そこまで考えて、僕は抽選結果を受け取った時に「最高だ!」と感想をもらした。

しかしながら、先を見ずに一戦必勝で戦うべきであるというのが僕の信条である。
どのような相手になろうと畏れ敬い、ひとつひとつ戦う。
そうやって戦うことの大切さを僕は痛いほど知っている。

まずは明日の初戦。
法則を作るために、お祭り騒ぎで楽しもう。

一点に泣かないために

2012-03-29 09:53:04 | 2012年 ~19期公式戦
僕が見た第二・三戦だけで、どれだけの打球判断ミスがあっただろうか。
角度によっては距離感がつかめないのはよくわかる。
がしかし、そもそも外野手の位置を見ていない、もしくは見ていても形だけになっているという問題点が浮き彫りとなった。
そこで、試合後に僕は監督にこんな提案をしてみた。

フリー打撃の外野手の位置を打者によって動かしましょう。
走者は常に外野手の位置を確認してからリードを取る。
で、打球判断能力の向上をはかってはどうでしょう。

この練習方法が裁可された。
このやり方には打球判断のほかにもうひとつメリットが存在する。
新入生が外野の守備につくことが多くなるだろう。
上級生の外野手が必ず誰か立っているだろうから、そいつが周りをしっかりと動かすんだ。
そうやってポジショニングを意識づけることによってコミュニケーションと「ゼロ歩目」を養うといい。
外野手の見えないファインプレイである「ゼロ歩目」については、上級生からよくよく教えていおくとよい。

とまれ、塁打数をかなり損してる。
5勝中3勝を一点差で勝ち抜いている君たちには、それなりの集中力が養われているといっていい。
そこは自分たちのメンタルに自信を持つべきだろう。
だが、夏は投手の負担を考えるともっと楽に勝てるにこしたことはない。
また、一点差の試合がこれだけ多くなるということは、うちくらいの力のチームはざらにいるとうことで、君たちにも一点差で涙をのむ可能性が大いにあるということだ。
これからの一戦一戦は「涙をのむ」では済まされない。
県大会も涙をのめばおしまい。
選手権も涙をのめばおしまい。
とどかない一点をたぐりよせるのが「スランプなき走塁」。
足の遅さは判断でカバーしろ。

人間性

2012-03-28 14:08:42 | 2012年 ~19期公式戦
なんとも後味の悪い…。
そんな県大会の切符をかけた試合となってしまった。
ベンチの雰囲気自体は秋季ブロックの最終戦よりははるかによかったと思う。
もっとも秋は僕の指示のミスでったことは認めたね。
「やっぱりうちのベンチワークはお祭り騒ぎがいい」…そんな話もしたつもりだった。
確認を怠った僕のミスでもあり、どういう雰囲気を作ればいいか聞きに来なかった君たちのミスでもある。

試合後にN主将が聞きにきた。
「1・2戦のようなリラックスしたムードで入るのはよくないと思ったので、締まった雰囲気を作ろろうとしたんですが…」
【リラックスと緊張感のバランスのとれた状態】を作ろうとする方向性としては間違っていない。
だが、秋のあの試合の前はそれで失敗をしているわけだ。
だったら特別視するんじゃなくて、いつも通りのうちのお祭り騒ぎをすればいいんじゃないか?
で、お祭りの中でも緩まないために、「1点でも多く/1点でも少なく」というスローガンを与えたわけだよ。
特別視するってことはすでに相手をなめてるってことだ。
県大会が決まっていたわけでもないのにね。
そこが秋との大きな違いでしょ。

県大会も選手権もおそらくいい緊張感がだまっていても生み出されることだろう。
だからこのチームに限ってはもう「どうやって締まった雰囲気を作り出すべきか」という課題とは向き合わずにすみそうだ。
だが、下級生諸君は覚えておいてほしい。
「いつも通りいつものことをやる」=「相手にかかわらず自分たちのやるべきことに集中する」ということを。
その中で方向性が間違っていればすぐに修正の指示を出してやるよ。

前述の通り、ベンチの雰囲気は悪くなかったにせよ、それでも理解に苦しむプレイが出たことは確かだ。
ということは、雰囲気づくりをけん引していた選手(特にA捕手はすばらしかった)がいた一方で、相手をなめてかかる=緊張感が持てていない選手がいたということ。
それについてはもはや人間性の話になってくる。
県を決めた後とは思えないほどの叱責をくらわせたが、ああいう話だ。
もう一度まとめておこう。

相手をなめるってことは、相手に対し真摯に向き合えていないという失礼な面が多いのではないか。
これは試合中だけ気を付ければいいというものではない。
普段から礼儀やマナーについてはそれこそ口を酸くして言っているよね。
それが試合中に絶対に出るんだって。

最近の特に校内ですれ違う時のあいさつなんかは物足りなさを感じている。
聞こえるんだか聞こえないんだかわからないような声で。
頭を下げているんだか下げていないんだかわからないような姿勢で。

心をこめていたとしてもそれが相手に伝わらなければ意味がないんだよ。
「礼」という言葉には「形式」という意味もあるんだって話もしたことあるよね。
形ばかりでもいけないし、心ばかりでもだめなんだ。
外見に中身がともなって…あるいは中身に外見がともなって、初めて「礼を尽くす」ことになるの。

日常生活をよくよく振り返ってごらん。

あれだけ遅刻はダメだって言ってるのに、相変わらず遅刻は減らない。
相手との約束の時間に遅れることを遅刻という。
つまりは遅刻ってのは約束を破るってことと一緒じゃないか。
どこに君たちの「真摯」な姿勢があるんだよ。

普段人と真摯に向き合えない人間は相手チームとも真摯に向き合うことができない。
だから相手を見てなめて集中力を欠いたりするんだよ。
相手チームを見てみろ。
それほどの点差が開いても「できること・やるべきこと」をしっかりやっていただろう。
一方でいかにうちのチームが「できること・やるべきこと」をやれなかったか…。
内容的には大敗だね。
野球の能力で今後世の中で勝負していくんだったら別にかまわんよ。
スコアだけ見ればしっかり5回で決めてるし、3位校が第一試合を仮に1点差で勝っていたとしても得失や総得点でうちが上回っていただろう。
昨日の結果で満足してればいい。
だがね、君たちの中で将来野球で食っていく人間はどれくらいいるんだ?
そうでなければ、この部で何を学ぶんだ?
野球を通して何を学ぶんだ?

よくよく考えた方がいい。

一点でも多く。一点でも少なく。

2012-03-26 22:00:48 | 2012年 ~19期公式戦
今日の練習の序盤の雰囲気は最高だった。
やはりフリー打撃は雰囲気づくりという観点からみれば難しい練習で、そこでのたるみはあった。
しかしながら全体を通して見れば、昨日与えられた課題に関しては合格点をあげてもいいだろう。
公式戦の合間の練習というものは、これだけの緊張感が作れるものだ。
緊張感があればその分集中力もアップする。
集中力が上がればその分上手くなる。
だからこそ、トーナメントを経験するのもそうなんだが、週またぎで県大会を勝ち進むことに意味があるというわけだ。

さて、もうひとつの課題が明日の試合であるわけだ。
どれだけ点差が開いても、それを意識せずに「今」を大事にする。
そのためのおまじないとなる言葉を紹介したね。

「一点でも多く。一点でも少なく。」

これが明日君たちが唱えるべき「お経」であろう。
「お経」とは僕の言葉ではセルフトークということだ。
貪欲に攻め、貪欲に守れなかった第二戦の反省を生かすべく、提案している。
ちょうど監督も果敢な走塁を求めていることだ。
一点でも多くとるために何をすべきか考えよう。
一点でも少なく失点を抑えるために何をすべきか考えよう。

では、勝利よりも県大会よりも、君たちの二戦から三戦への成長を見ることを僕は望む。
勝利も県大会もそこから生まれる副産物にすぎないのだから。