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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

夏の終わりに

2012-07-19 13:44:13 | 2012年 ~19期公式戦
選手諸君。
火曜日に授業が再開され、教員室や監理室に赴き、お礼を述べている3年生諸君を見た。
指示を出したわけではないが、よくそこまで気の回る人間に育ってくれたと思う。
あの日、僕は君たちに言ったね。
メンバーであろうとなかろうと、上級生であろうとなかろうと、とにかく帰ったら家族にお礼を言いなさい。
ちゃんとお礼は言えただろうか。

支えてくださった皆様。
あんなにもたくさんの方々に球場にお運びいただきました。
選手保護者の皆様にも、OB、OBの保護者、引率の仕事でない先生方、監理室の方々…。
本当に多くの皆様に支えられてこのチームが活動できたことを、改めて気付かされる思いでした。
勝利という形でのご恩返しはなりませんでしたが、思いっきり楽しみ、精一杯輝き、苦しいくらい泣いてくれた選手たちの姿が、皆様の心に何かを残すことができたのであれば、それに勝る幸せはありません。

本当に本当にありがとうございました。
多くの皆様に心よりの感謝の念を表しつつ、2012年の夏を終わらせたいと思います。

7・15を振り返って

2012-07-18 13:56:37 | 2012年 ~19期公式戦
敗戦のだるさを体にも頭にも残しながら、授業を行わなければならない。
なんとも残酷な新しいカリキュラムだ。
しかし、3年生諸君の無念を背負い、新しいチームを始める2年生の新たなる決意を背負い、そろそろ僕も前を向いて歩きださなければならない。

序盤で勝負は決まった…。
誰もがそう思ったであろうあの試合で、最後まであきらめることなく追いすがっていった君たちの精神力と集中力は本当に素晴らしかった。
特に5回の二死からの集中打は、采配を通り越した君たちの強さであり、君たちが監督の野球を超越した瞬間であったと思う。
惜しむらくは、あそこでグランド整備というインターバルを挟まなければ…といったところか。
いや、6回もチャンスを作ったわけで、インターバル後も野球の神様の微笑み=「流れ」はうちにあった。
あそこで1点でも返しておけば、結果はどうなったかわからない。
「たら・れば」の話をしているわけではない。
「流れ」というものの話をしている。
後輩諸君はよく覚えておくといい。
あと一本出せるかどうかで「流れ」というものは向こうに行き、こっちに来るものなのだ。
10安打以上放ちながらも、わずかな「あと一本」の差で勝敗は決まっていく。
油断などあろうはずもないが、「これはいけるぞ」の雰囲気が作れた中で生まれたわずかな気の緩み・わずかな集中力の欠如が試合を決めてしまったのかもしれない。

もちろん、序盤の大量失点が大きく響いたことは間違いない。
しばらく見られなかったW投手の悪い癖(=立ち上がりに高めに球が浮く)が、あの日に限って出てしまったのはなぜなのか。
調整不足なのか、前日までのオーバーワークなのか、逆風のせいだったのか(ホーム方向から強い風が吹く場合は直球は浮きやすくなる)、心の弱さなのか。

前日に監督が分析した打者傾向に、プラスアルファで当日の強風を加味したシフトを外野手は取るべきだったのかどうか。
もちろんあれだけローリングのフライが伸びたことを知っていながら監督に進言できなかった僕のミスでもあるが。

2回の内野フライでいつも通り投手をどかさなかったのはなぜか。
声が届かなかったのか、普段のやるべきことを忘れてしまったのか。

4回のあの二連続牽制死はなんだったのか。
ただのボーンヘッドか、A捕手への死球による動揺なのか、二塁走者の牽制死による一塁走者の焦りだったのか。

…反省点は尽きない。
5回の集中打では確かに最高の集中力を見せてくれた。
最後まであきらめない姿勢は君たちの心の強さだった。
しかし、随所随所に集中力の欠如が見受けられたと、メンタル面に関してはそう総括できるだろうか。

その課題をどう克服すべきか。
僕も監督ではない以上、あまり前へ前へとは出ていかない。
この課題をどう克服し、そのために僕をどう使うかは、下級生諸君に任せたい。
このチームも最初に「僕は君たちの呼びかけがない限り自らは動かない」と宣言した。
その意識でやってきたためブログの記事も減り、ミーティングでもMTに関する言及も減ったが、それでもやはりチームのことを思えば、僕が自発的に動くことも少なくなかった。
その僕の甘さが、このチームのメンタル的な詰めの甘さにつながったのかもしれない。

MTというものはおしつけられてできるものではない。
僕にはもう少し冷徹な姿勢が必要なのかもしれないな。


それにしても、三年生の力はこんなにも大きいものか…。
目からうろこが落ちる大会であった。
あれだけ調子が上がってこなかったK投手が本当に素晴らしい投球を見せてくれた。
あれだけ前の打球に弱かったN左翼手がうまく一歩目を切ってくれた。
一年を通じてもあまり記憶にない本塁刺殺をあの大舞台でK右翼手が見せてくれた。
そして、出場した全員がヒットを打ってくれた。
出場できなかった選手は本当に残念だが、それでもY外野手もH投手も、いろいろなことがありながら最後の夏を迎えることができた。
君たちのことを本当に誇りに思う。

生徒たちと抱き合って涙を流せるそんな幸せな教員が、果たしてこの世の中にどれだけいるだろうか。
僕は本当に幸せ者だ。
そして、君たちとの出会いに感謝をしたい。

改めて、ありがとう。

愛する3年生諸君へ

2012-07-15 22:52:12 | 2012年 ~19期公式戦
毎年残るのどの痛み。
毎年腫れる目の重たさ。
また今年も3年生との別れの日が訪れてしまったことを実感せざるを得ない生の感覚だ。
毎年経験することだが、何度経験しても慣れることはない…。

もう少し頭が整理されたら、ここの記事を再開します。

だが、一言だけ言っておく。
3年生諸君、今日の君たちのパフォーマンスは最高だった。
お世辞にもポテンシャルが高いとは言えなかった君たちの3年間の結晶が光り輝く一瞬一瞬を僕はこの目で、間近で、見られたことをうれしく思う。
本当に君たちを誇りに思うよ。
君たちが積み上げてきた一段一段の努力に敬意を表したい。
最高に輝いていた君たちの姿を財産に、また僕は新たな戦場に、舞台に、君たちの後輩たちを連れて行く。

3年間おつかれさま。
そして、ありがとう。

初陣前夜

2012-07-14 09:29:56 | 2012年 ~19期公式戦
いよいよ。
すでに二回も戦いを終えているチームがある中、夏の初陣をようやく迎えることができる。

準備は万端だな。
当然偵察に来られているのは向こうも承知している。
今あるデータは参考程度にしておくこと。
劇的に作戦を変えてくる可能性があるということは知っておくべきだ。
一方で向こうはこちらの情報がほぼないに等しい。
たとえば見逃してストライクを取られたとしても、「この球知ってる知ってる」って感じで、相手投手に向けニヤリと笑い、余裕を見せることだ。
「お前たちのことは丸裸にしてあるんだぜ」って余裕を見せることにより、心理的優位に立つ。

色々な思いがあることだろう。
毎年夏前に選手たちに伝えていることだが、夏のこの舞台は君たちのためのものだ。
君たちは君たちのために戦えばいい。
余計な念は捨て、存分に楽しむといい。
すべてが終わった後に、「ありがとう」と言えばいいのだ。
○○のために…なんてきれい事は置いておき、存分に輝いてほしい。

サポートに回ってくれてる諸君には感謝の言葉もない。
こうして初戦を無事に迎えることができるのも、君たちのおかげである。
今日も朝早くからグランド整備をありがとう。

さて。
信じられないことに、大会前日の今日は僕はいっさい練習に顔を出すことができない。
もっともっと君たちとグランドで汗を流したいよ。
もっともっと君たちにノックを打ちたいよ。
また学校に戻ってきて、練習をやろう!

自信の宣言

2012-07-12 13:48:58 | 2012年 ~19期公式戦
昨日ベンチ入りの諸君に対するメッセージを2時間以上かけて書き込んだわけだが、メッセージがだぶってくることに改めて気づかされた。
それは「出場機会」の話である。
このチーム、こんなに出場機会がありそうな奴らばっかりだったんだ…。
改めてこのチームの選手層の厚さに驚いているところだ。
代走も代打もリリーフも、確実にチームの底上げがなされている。
強いよ、こういうチームは。
自信をもって戦ってほしい。

自信を持つ…で、今大学で活躍しているOBの代の話をしておこうかな。
自分の練習してきたことに対して自信を持つ。
これはよく言われることだが、実際にはどうやってその自信を体現すればいいのか。

あの代は4回戦まで行ったチームだが、夏直前に僕は彼らに暗示をかけるように仕向けた。
「お前は一体何者なんだ?」という問いかけに対し、「僕が甲子園に連れて行くこのチームのエースです!」とか「今大会注目される投手です!」とか答えさせるやり方だ。
「僕はこのチームのリーディングヒッターです!」「打点王です!」という数字を根拠にした自己暗示。
「僕はこのチームで誰よりも振ってきました!」というプロセスを根拠にした自己暗示。
「新聞に取り上げられる打者です!」と、こうなりたいという未来像を描いた自己暗示。
嘘っぱちでもいいからとにかく、自分はこれだけすごいんだ!…という自己紹介を宣言するやり方。
そんなことをやらせたチームだった。

姿勢と心理は連動する。
宣言をする際に、大きな声で堂々とした態度で宣言することだ。
試合前にみんなでやればサイキングアップにもなるだろうし、内容の愉快さによってはリラクゼーションにもなるだろう。
オススメのルーティンである。