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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

徹底と覚悟

2015-06-01 12:53:59 | ケーススタディ
徹底ができていない。

序盤にいい流れを作りながら昨日の試合で敗れたのは、一死三塁で三番・四番が凡退したところにある。
特に三番は内野が後ろにポジショニングをとったところで、何もできなかった。
フルスイングの三振ならまだしも、合わせにいったしょうもないスイング。
下級生が育っていれば一発交代でもおかしくないくらいの大きなミスだ。
二つ目のストライクも同じようなスイングでとられ、勝負球はあれがくるに決まっているところで何もできず。
「チャンスをつぶしたら一気に持って行かれるよ」
そう述べた先週の反省も活かせずに、ふわふわと守備に向かうレギュラー陣。
何も声を出せないベンチ。
ちゃんとどういうプレーが出たら危険かを指摘してあげているのに、それを共有する徹底ができていない。

エンドランのミスもそうだ。
約束事を徹底できていない走塁ミスともいえない単なるボーンヘッド。
2点のビハインドを背負ったところで、あそこは勝負にいかなければならない場面。
「ボーンヘッドが出たら負けるよ」
一年間そう言い続けてきたにも関わらず、誰もそのことに触れずに試合が進む。
あのエンドランが決まっていれば、試合はどうなっていったかわからない。

夏は一年間の総決算である。
一年かけてしてきた監督の訓示がまったく徹底されていない。
こんなチームは勝てない。

二試合目にしてもそうだ。
「アピールできる時間はわずかだよ。これが最後の試合だよ。」
常に縦の視野を働かせながら自分の出番を探り、ヘルメットとバットを携えて俺のところにきたU三塁手。
練習から代走に特化しよう、自分の役割を見つけようとしている2年N三塁手。
可能性が低い中でも何とか準備をして出番を求めてきたT遊撃手。
その一方で、俺に声もかけず平気で「準備をしてました」と口にできるS外野手。
2年生の必死な生き残りが徹底できていない大きな証拠。

とりにくる変化球を叩こう。
お前たちが立てた攻略方針で二球連続でストライクの変化球を見逃すM二塁手。
「(引き出したい場合以外)ボール球でもしっかりタイミングをとれ」という指示に忠実に従うS二塁手に対して、それができない数多くの打者。

できている奴が成功するとか、できていない奴が失敗するとかいう問題ではない。
チームとして心を一つに約束事を徹底し、文字通り一丸となって相手チームと戦わなければ夏は勝てない。
夏までの限られた時間の中で、無駄にできる一球・一秒なんてありえるはずがない。
だから二試合目にも各自が意味づけをしていかないと、ただの時間の無駄に終わる。

夏8強。
チームとしてこの目標を掲げるからには、誰か一人でもそれを疑っては立てる意味がない。
そして、目標は達成しなければ全く意味がない。
本気でそこを目指す覚悟はあるのか。
のこされた一瞬一瞬に生命を燃焼させる覚悟はあるのか。

昨日の相手に比べて確かに我々個々のポテンシャルは低い。
しかしながら、初回の先制攻撃のように、視野や頭を使えば点を取れることがわかったであろう。
ああやって勝っていく。
相手をぐちゃぐちゃにして点を取っていく。
その手応えを感じた試合だった。
うちの両投手が万全の状態であれば、そしてあのボーンヘッドがなければ、勝つことは難しくなかった。
だからこそ、俺は目指す。
お前たちとは笑って終わる。
高校野球の監督である以上は、俺は甲子園に行く。
この目標を達するために、すべてを犠牲にしてでも残りわずかな時間、全知全能を傾ける。

試合を支配する

2015-05-29 18:25:51 | ケーススタディ
打者傾向表。
これをもっと有効に活用するべきである。
今のところでは「その打者がどこに打ったのか」しか情報として伝えられない状態である。
よくてエンドランカウントを記入しているくらいか?
その打者が何を狙っていたのか。
そして何を打ったのか。
何を打てなかったのか。
そういった打った球種やコース、好きな球種やコースまで記録するべきであろう。
現在使っている打者傾向表ではそれが網羅しきれない。
だからこそ新しいものを一度与えたのだが、リアクションもない。
惰性でつけているなら、人数の無駄遣い。
夏に20人しか入れないベンチを思えば、人員の無駄遣いは避けるべきである。
今のところ「打球傾向表」としてしか使われていない。
しっかりと「打者傾向」をおさえてほしい。

相手守備陣形を崩し、なおかつ球を転がす喜びを知れ。
相手の陣形をよく見ることは常々述べていることだが、相手の陣形を動かす喜びを知れ。
例えば三盗をしかけて二塁・遊撃・三塁をベースに引きつける。
春の3回戦ではM遊撃手の三盗スタートが相手左翼手まで動かし(バックアップに回り左中間が開いたね)、O中堅手のだめ押しのタイムリーにつながった。
これこそが足を使った攻撃の真骨頂である。
同じように日曜の試合では序盤~中盤にバントを多用したことで、終盤に一塁手の極端なチャージを誘い、M遊撃手の一塁手横を抜くヒットにつながった。
F一塁手の珍しい三遊間を抜くゴロヒットも、一走のスタートにつり出された遊撃手の左を抜くものだった。
この二つに関してはゴロを打たないと生まれないもの。
エンドラン系でしっかり転がすことの意義を思い知ったであろうか。
もっとも、昨夏の3回戦で1点目の同点タイムリーは足をからめて相手を動かした賜であったのだが、それがなかなか教訓として生きていなかったのが少し残念である。

とりとめもない話を二つした。
まったくつながらない話のように見えるが、実は「こちらが試合を支配する」という意味では共通する話題と言える。
大会中になぜ偵察を送るか。
相手の状況を把握し、対策を打つためである。
その偵察の効力が存分に発揮された春であったはず。
相手投手の緩い変化球を封じることで、こちらが相手の配球を支配した。
それと同様に本当の意味での打者傾向をおさえれば、相手打者の狙い球や立ち位置を変えさせたりすることができる。
攻撃面では相手がうちの傾向を把握したところで逆襲に出ることができる。
終盤の得点力が高い理由も伝えたよな?
自分たちが相手を動かす。
もちろん相手を攻略するために自分たちも動くが、その動き方に「裏があるかどうか」というところで、動いているのか動かされているのかが変わってくる。
常に試合で優位に立つには自分たちが動き、相手を動かさねばならない。
それが「試合を支配する」ということである。
試合を支配せよ。

「走」を武器にする ~リードとスタート

2015-05-18 11:09:40 | ケーススタディ
走攻守。
バランスをとるのはなかなか難しい。

このチームは「やっぱり守備のチームだ」ってことでスタートした。
そして昨チームを超えるには「打撃のチームに生まれ変わらなければならない」という話もした。
そこで冬は徹底的に振ることにこだわり、最近では他チームから打撃について褒められることが多くなった。
それはそれでチームとして立てた戦略目標にうまく実力が近づいていることを意味している。

しかしながら一方で守備面での粗さが目立つようになってきているのも事実。
内野手はゴロの処理と送球。外野手はスローイング。
いずれにせよ投げられるようにならなければ守備範囲は広がらない。
もう一度、このチームの冬前までの武器であった守備に磨きをかけるべきである。
確かに打撃練習の方が楽しいし、打って勝つ方が気持ちいいだろう。
だが、それは自己満足に過ぎない。
自己満足と自己中心は俺がもっとも忌み嫌うものである。
つまらない打撃練習をしろ、というように、地味な守備練習をしろ。
バウンドが合わない者は基礎練習に戻るべきだと俺は思う。

そして攻守の磨きをかけて今のうちがいる。
現状ではとてもベスト8には入れない力であることは断言しておこう。
ノーシード爆弾がいれば、そこにもガチンコで勝てるかどうかはまだ怪しい。

そこで夏までに武器にしなければならないものが「走塁」である。
走塁といっても打球判断やコース取りではなく、うちの場合は「リード」と「スタート」。
サインプレーをうまく工夫し、リードを大きくとる練習をしたい。
そして、大会前に短ダッシュをスチールスタート練習にしたが、やっぱりテキトーに終わった。
ちゃんとした投手にちゃんとした牽制をしてもらい、ヘッドバック(これもできてないね…)も含めて徹底してやること。
きちんと反応とバックができるようになれば、第一リードももうちょい大きくなるだろう。

まだスチールを仕掛けられる選手が少ない。
エンドランも空振りされたら…と思うとなかなか出しにくい。
リード・スタートがしっかりできるようになれば、ある程度空振りのある打者に対しても出せるようになるだろう。
もちろんどんな球にもくらいついていく打者の練習は欠かすべきではないが。

思い出にするのか?

2015-05-18 10:51:46 | ケーススタディ
何を大事にしてここまできたのか。
ワンプレー・ひと声。
全力疾走。
視野を広げる。
違和感に気づく。
そこからの環境整備と緊張感。
バックアップ。
細かいことへのこだわり。
プレッシャーをかける。
球種の選択肢を減らす。
ポイント。
フルスイング。
……。

ここまで勝ってきたチームだからこその反省の仕方がある。
プロセスを大事にした上での今。
今勝てているから大丈夫、ではなく、その積み重ねの上に結果が乗っかっている。
そのことを忘れてはいないだろうか。
結局は今「なんとなく」うまくいっているからいいや、という【弛緩】が試合でも練習でも生まれつつある。
夏に本当に春以上を目指すつもりがあるのか。
きっとこのままの雰囲気でいっても「クジ次第」で一回・二回は勝つだろう。
それでよければこのままいけばいい。

シードを獲ったからにはどんなクジでも夏に16に入らないと意味がない。
本当に意味がない。
夏に勝てる喜びも、夏に勝てないことの大きさも、両方知りつくしている俺だから言う。
秋や春にどれだけ勝ち進んでも、夏がすべて。
結局世間の興味は夏にしかない。
高校野球を知っている限りある狭い世界の中では、夏のシードは感嘆される。
が、少し広い世界に出ると、春や秋の大会が行われていることすら周知されていない。

男として生まれてきたからには誇りを持って生きよ。
どうせなら世間全般を驚嘆させるような、でかいことをなしとげてみよ。
シードを獲り、目標に限りなく近づきやすい環境で夏を迎えられる。
こんなところで満足するために今まで色々なものを犠牲にしてやってきたわけではないだろう。
目標は達成してこそ目標である。
ここで終われば「惜しかったね」「シード獲ったもんね」…思い出で終わる。

お前たちの思い出作りのために、俺もこのチームにすべてを注ぎ込んでいるわけじゃない。
二試合目に出している奴らも、「出られてうれしい」「出られないからへこむ」???
平気で口に出すような奴は、自己中心・自己満足に過ぎん。
何を学びにきているか考えよ。
悔しい思いを持て。自分に何が足りないか考えよ。
思い出作りのために・お前たちの自己満足のために野球をやりたいだけなら、俺は夏が終わったら辞める。
散々お前たちに話してきたこのことを、2年生は1年生にそのことを教え込んでおけ。

相手にプレッシャーをかける

2015-05-12 15:13:13 | ケーススタディ
なぜ初球から積極的に手を出せというか。
「振って合わせていこう」が最初の回答として挙がってきたことに象徴されるこのチームの現状を述べておく。

もちろん「振って合わせていく」は正解で、それは「ボール球でもタイミングをとっていこう」と共に【打つため】の方策のひとつになっている。
だが、最初に掲げたコンセプトを忘れがちではないだろうか。
「振って相手に簡単に入らせなくする」=「相手にプレッシャーを与える」というコンセプトである。
この答えが後に出てきたことは、このチームの打撃に対する意識の進化を表していて、悪くはない。
が、最近いかに自分たちの技術で相手を攻略するか、ということにのみ意識が向きすぎていて、相手から甘い球をもらおうという意識が欠如しつつある。
技術や打撃に対する考え方は、だいぶ成熟してきた感がある。
だからこそエンドランやバントとといった細かい攻撃を挟み込もうという方策もとっている。
そもそも全く打てなければ「転がす」「送る」といったことをやっている場合ではないからな。
それは収穫。
が、大事にしてきた財産を忘れてしまっては、攻撃力の増大にはならない。
新しく得たものがあっても、失ってしまうものがあれば、±0だ。

この「相手にプレッシャーをかける」というコンセプトの欠如は走塁にも現れている。
リードが小さい・スタートが切れない・オーバーランが小さい・バウンドゴーをトライしない。
そもそも走塁と打撃は裏表である。
相手にプレッシャーをかけるリードが球種をある程度限定させ、スチールやストライクエンドラン・バウンドゴーが緩い球や低めを投げさせない伏線となる。

下から上がってきたチームの勢いをくじくには、一にも二にもプレッシャーをかけることだ。
「やっぱこのチーム怖い」と思わせること。
相手からいかに甘い球を引き出すか、狙い球を引き出すか。
自ら生み出す産物に相手からもらえる産物を加えれば、このチームはもっと強くなる。

牽制死も盗塁死もアウトはアウト。だったら前でアウトになれ。
果敢な走塁でアウトになっても、それはボディブロー。
失敗を恐れるんじゃない。
序盤の失敗は、中盤終盤に生きてくる。