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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

春季総括

2012-04-23 10:44:42 | 2012年 ~19期公式戦
いい大会であった。
君たちは非常に幸運である。
本球場ですべての試合を行い、雨天のおかげで一週間、大会期間中の練習ができた。
N主将が好守決めで負け続けた理由がわかる。
運を使いすぎてしまったな(笑)

さて、この大会を振り返っておこう。
地区予選初戦はインフルエンザで観戦すらできなかったので、ここに何も残すことができない。
二戦目からを振り返ってみよう。

二戦目。
序盤の大量リードで雰囲気が緩み、ここで君たちは「前後際断」という言葉を学んだね。
試合が終わるまでは結果ではない。
途中経過で喜んだり悲しんだりすることは何の意味もないことを知ったはずだ。
結果は一点差の勝利なわけだったからな。
その成果は県大会1回戦にあらわれることになる。

三戦目。
「相手と真摯に向き合う」ことを学んだ試合だった。
どんな状況におかれても、やるべきことをしっかりとやる。
相手によって態度を変えるから、それが雰囲気の緩みにつながる。
この「向き合う」ということは、日頃の生活から心がけなければならないことも述べた。
振り返ってみれば大事な、大事な試合だった。
君たちの人生における宝となるであろう相手だったと思う。

県大会1回戦。
地区予選の反省を生かし、ある程度「前後際断」にこだわれた試合だった。
大量リードの中、雰囲気の大きな緩みもなく、何より君たちのポジティブさが光った試合だった。
【お祭り騒ぎで/最後まで全力で】戦うという、メンタル的な戦い方が「法則」となった瞬間だったように思う。

県大会2回戦。
「格上」との戦い方を体感した試合だった。
最少失点でしのぎつつ、終盤にひっくり返す。
これが格上との戦い方だ。
この1・2回戦は夏のトーナメントを戦う上で大きな財産になることと確信している。
「見せる」ことの大切さも相手のパフォーマンスを見て学んだな。
昨日のオープン戦におけるN左翼手のフライ処理後のセカンド送球はいいプレイだった。
ああやってプレッシャーをかけることが相手の積極性を奪っていくことを知っておこう。

非常に学ぶことの多い大会だったが、これを生かしていかなければ、今大会はまったく意味のないものになっていく。
ベンチにおいてはA捕手が全力を出し続ける姿勢が光っていたし、上記N左翼手のような学習の成果も見られている。
ただ、これらが今後のオープン戦においても継続ができるか…ここが夏を戦う財産とするかしないかの分かれ目になっていく。
いいかな?
戦いの本番はこれからだ。
今までは「法則作り」に過ぎないのだよ。
ここで築き上げた「法則」をしっかりと使えるかどうかは今後のオープン戦にかかっている。
今後毎試合、トーナメントのように戦い続けられるかどうか…。


さて。
久々に長い春の大会になりました。
部を支え、応援してくださったすべての皆様に感謝の念を抱きつつ、今年の春を終わりにしたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。

昨日学んだ「強さ」

2012-04-22 10:20:10 | 2012年 ~19期公式戦
では、今日は大きな話をしておこう。
まったく僕の予言通りの展開になったね。
あれが格上との戦い方だ。
試合運びとしては90点をあげたいが、結局負けたからやっぱり最終評価は0点になってしまう。
それが公式戦ってやつだ。

最少失点でしのぎつつ、必死にくらいついていき、終盤に一気にひっくり返す。
格上と戦うにはこうやっていくしかない。
序盤にこちらが得点しても相手を目覚めさせるだけだし、力勝負でいけばねじふせられる。
ついていってついていって、終盤で逆転すれば、昨日相手の8回がそうだったように慌ててくれるのだ。
昨日の場合は追いついたにとどまったので、結局は9回に入り相手の「後攻め」の余裕を生んでしまった。
ひっくり返しておけば…というところで、うちの力のなさが悔しい試合だったね。

数字だけ見ればそんなに力の差は感じなかったかもしれないが、やはり相手はさすがにシード校で、学ぶべき点は多い。
まずは序盤だな。
うちが3安打で無得点。一方で相手は無安打で2得点。
ここは大きな差だよ。
もちろん、あれでヒットを打てていなかったら、ますます後手にまわっていたのだろうと思うけど。
守備においては先頭をしっかり切ることと。
攻撃においては先頭がどんな形でも出ること。
基本中の基本なんだが、その基本がしっかりとできることが、「強い」ってことなんだと思う。

そして終盤に相手が見せた意地とでも言おうか。
「やられっぱなしじゃ終わらないぞ」という強さもうちに欠けている要素だ。
8回にW投手が素晴らしい走塁を見せれば、サヨナラの走者は最初から本塁を狙って走ってきた。
同じくそれを生み出したK遊撃手のドラッグバントも、即座にやり返された。
いやいや、強かったよ、やっぱ。
【やられたらやり返す】
俺らもお前ら程度のことはできるんだぞって「見せる」ことで、心理的に優位に立てる。
というより…「やられた~」っていう心理的劣位をくつがえすことができる、という表現の方が正しいか。
僕もこんなことをやられたのは初めてなので、偶然なのかどうかもわからない。
が、偶然にしてはあまりにも理にかないすぎた相手のパフォーマンスだった。

強いとことやるのは本当に勉強になる。
特に公式戦は集中力が高まるので、それらがすーっと頭に入ってくる。
夏はもっと上にいって、もっと多くのことを学ぼうよ。

ベンチはプランニングの教室である

2012-04-21 21:23:23 | 2012年 ~19期公式戦
なかなかうまくまとめることができなさそうなので、思いつくままに書いていく。
今日は主に下級生に対する教育がメインになるかな…。

あそこまで動かしてくる機動力のあるチームは、うらやましい反面、作戦が非常に読みやすい。
守備時に僕の隣でベンチワークをしていた下級生は、敏感ならば僕の読みからの声出しに気づいたことだろう。
もし気づかなかったら、今後は以下のことに気をつけて相手の作戦を読む習慣をつけた方がいい。

相手は序盤にがんがん逃がしてきた。
序盤に逃がすチームは、中盤以降エンドラン系の作戦を混ぜてくる。
スチールを警戒すると無意識のうちに二遊間は狭く狭くなっていく。
物理的に狭くならずとも、一塁走者がスタートをきった時点で二塁・遊撃は二塁ベースに意識が向くように刷り込まれてしまう。
そのようにして一二塁間、三遊間を広げ、ヒットゾーンを広くする。
そこでヒットエンドラン(H&R)やストライクエンドラン(S&R)=ランエンドヒットが有効になってくる、というわけだ。
だから中盤以降はベンチにおいては「打球優先!」の声が大事になってくる。
実際に6回に相手はH&Rに切り替えてきたでしょ?
そこからまた単独スチールに切り替えてきたり、今日は個人的には相手の攻撃を予測するのが非常に楽しい試合だったな。
ちなみに捕手においては盗塁刺殺のために走者のスタートでミットが前に前に出るよう刷り込まれる。
そこでヒッティングが混ざってくると、インターフェアランスに気をつけなければならない。

ボールカウント:2ストライク-1ボール。
このカウントでなおかつ緩い変化球が予測されるとき…これが典型的なS&Rのケース。
投手にとってはボールが許されるため、低目の変化球を投げてくる可能性が高くなるからだ。
今日の相手監督さんはこのカウントでよく仕掛けてきたね。
ここもベンチにおいては「打球優先!」の声だ。
自分たちが守備につくときはそう心がけるといい。
ちなみに下級生のために述べておくと、1-3や2-3もS&Rのケース。
1-2はもっともH&Rをかけやすく、ストライクがほしい1-1や2-2といった平行カウントもそのケースであることを知っておこう。
初球エンドランは極めてまれ…というか博打的な作戦である。
守備時において心がけるのもそうなんだが、自分が打席にいる…特に一死一塁あるいは一二塁のケースではこの作戦が発動しやすいことも頭に入れ、早打ちは控えた方がいい場合もある。

また、今日はやってこなかったがかつて対戦した時にこのチームは一三塁のディレードスチール(ダブルスチール)を仕掛けてきた。
一三塁のディレードスチールは、二死で打者があまり当たっていない選手のときに仕掛けられる。
特に一塁走者が投球前に飛び出すタイプのディレードは、二死で当たっていない打者が2ストライクと追い込まれたときに採られやすい作戦だ。
序盤で仕掛ければ相手チームはダブルカットを採る確率が高くなるので、その後の一三塁において優位に立てる、いわゆる「見せておく」作戦でもある。

で、何が言いたいのかというと、まとめておこう。
色々と動いてくるチームはやると非常にプランニングの勉強になるということだ。
あそこまで動かしてくるチームはなかなか今後やる機会はないと思うが、特に初めてああいうチームを経験した1年生は驚いたことだろう。
いきあたりばったりで高校野球はできない。
どのケースで、どのカウントで、どんな作戦がありえるのか。
だったら自分はどう守って、どう打席に立てばいいのか…ベンチにいるということはそれを学ぶいいチャンスになるんだ。
漠然と試合に臨んでいたら、特にうちの監督の野球にはついていけないよ。
常に次の攻撃を予測しながらベンチワークをしなさい。
「準備する」ということはこのプランニングも含まれるのだ。

Do not be too positive!

2012-04-19 22:44:53 | 2012年 ~19期公式戦
なかなか現場に出られないので、せめて更新ぐらいは…。
ってなことで、今日も笑っちゃうほど多忙であったけど、眠くてたまらんけど、がんばる。

さてさて。
「強豪とどう戦うか」って話だが、秋の失敗から述べておこう。
ビッグネームとやるときは、ある程度いい緊張感で戦える。
公式戦慣れしてきた君たちなら過緊張に陥ることはないし、「あたって砕けろ」的な開き直りもあるので、実は強豪とはそこそこやれるもんだ。
秋のN高校戦もそうだったのではないかな?
では、あの試合の「失敗」とは何か。
そうだな…投直でピンチをしのいだ後の、K投手のあの言葉を僕は忘れない。
「おい!どうやったら点を取られるんだぁ~?」
いいポジティブシンキングだと思うし、あの言葉に象徴されるように、「いけるぞ、これは!」って雰囲気にベンチがなっていた。
あそこが落とし穴だったと僕は分析している。

ポジティブに考えることは悪いことではない。
君たちの持ち味だと思うしな。
問題は、そこからいわゆる「調子に乗る」ってこと=to be too positiveだ。
調子に乗ると、それまでのいい緊張感が緩んでしまう。
だからといってまた「締める」ことを考えると、おかしくなるのがこのチームの特徴だ。

どれほど力の差があるかわからないけど、地区予選の戦績を見る限り、相手はそんなに豪打のチームとはいいがたい。
序盤で大量に失点することはないだろうと思う。
ガンガン打たれて苦しむというよりは、どちらかと言えばなかなか点が入らずに苦しむことだろう。
だから、序盤は我慢我慢だ。
我慢していく中で、必死にくらいついていくこと。
そうすればまた「いける!」という雰囲気になるかもしれないが、なってしまってはうちの負け。
必死に食らいついていく中で、最後までその挑戦者の気持ちを忘れずに、最後まで全力でやることだ。

いいかい?
実は今までの戦い方と同じだ。
強豪はやはり強豪で、少しでもこちらの心に隙間ができれば、そこにつけこんでくる。
うちのベンチのあり方であるお祭り騒ぎは継続してもいい。
だが、「いけるぞ!」と調子に乗ることは危険極まりないことを述べておく。
ゲームセットまで、全力を絞りつくすこと。
もはや日曜のことまで考える必要はない。
人生でもっとも疲れる日にすることだ。

全力でいこう!

「ツキ」の正体

2012-04-17 10:10:52 | 2012年 ~19期公式戦
昨日は試合の話をしたので、今日は練習の話をしよう。

結果的にはヒットになったが、N左翼手の右前ポテンヒット。
ライトがグラブに当てながら落としたやつだ。
あの右翼手はだいぶ前からグラブを出しながら追っていた。

同じく一塁手のトンネルの後の右翼手の捕球体勢。
「見ていた人?」と聞いたら手を挙げたので、H三塁コーチャーは良く見ていたなと感心しているが、まったくプレスが甘く両足の間でまるで走者がいない右前打を処理するような形で捕球していた(そこまで腰は落としていなかったものの)。

普段の外野手の練習では、ギリギリまで腕を振って追うことと、捕球時のグラブの位置を口うるさく指摘しているよね。
うちなら前者の場合あのポテンはフライアウトにとることができたし、後者の場合も内野へすばやく返球できただろう。
後者の場合はどれだけ体勢良くとっても本塁刺殺は無理だったと思うが、しっかりとプレスをかけて捕ることにより、それが相手へプレッシャーをかけることになる。
「見せとく」ことは大事だよ。
無駄な進塁を与えないで済む、ボディブローのような効き目を持つんだ。

特に気になった「たった二つ」の相手外野手のプレーだが、これが日曜のすべてを象徴しているのではないだろうか。
どれだけ細かいことを「こだわって」練習しているかどうかが、紙一重の差を生む。
あの試合は本当にツキがうちにあった試合だと思う。
クロスプレーが明暗を分けたよね。
K一塁手の(結果的な)三盗といい、K右翼手の三塁打といい…。
だが実はあの紙一重の差は、ツキだけで片付けられるものではない。

覚えておいてほしい。
普段どれだけ細かいことを意識できるかどうかが、紙一重で相手を上回れるかどうかの差であることを。
「ツキ」と呼ばれるものの正体は、その紙一枚一枚の積み重ねであることを。
惜しくもアウトになるのか、間一髪セーフになるのか。
それは普段の意識次第なんだよ。